お墓のお役立ちコラム

【保存版】墓じまいマニュアルー墓じまいをするならこれで完璧ー

これまで「お墓」は先祖代々受け継がれていくのが一般的な考え方でした。従来のお墓は「〇〇家の墓」と墓石に刻まれ、お墓のイメージもそれと違い無いかと思います。

しかし、ここ近年は生涯婚姻率や出生率が下がり、少子高齢化と言われる時代となりました。核家族化も進み、離婚率や未婚、晩婚化も進んでいます。また、若者が都心部へと移り住み地方にあるお墓の手入れが行き届かなくなっていることも少なくありません。そのため、現時点でのお墓の継承者が今後のお墓の継承者を懸念し、「子どもに負担をかけたくない」「お墓参りが困難に感じる」「維持費などの金銭的負担が大変」といった理由から「墓じまい」を選択するケースが増えているのが現状です。

ここでは墓じまいについてこれさえ読めば全て解決できる解説をしていきます。ぜひ参考にしてください。

目次

「墓じまい」とは

墓じまいとは、一般的には今あるお墓を解体・撤去し更地にして使用権をお墓の管理者に返還することをいいます。お墓に納められているお骨を勝手に取り出して別の場所に納骨したり、廃棄したりすることは法律上できません。行政手続きが必要となります。

墓じまいと改葬の違いは

今あるお墓をそのまま別の場所へ移したり、今あるお墓は処分するけれど別のお墓や新しいお墓に納骨して供養したりすることを改葬と言います。

墓じまいは今あるお墓を処分して散骨や自然葬、永代供養墓などを利用する場合は自分たちが管理するお墓は失くなることになるので改装ではなく「墓じまい」となります。

墓じまいが増えている理由とおすすめの供養方法

冒頭でも触れたように墓じまいが増えている背景には時代による変化が大きいと言えます。墓じまいを検討される理由で最も多く挙げられる理由とおすすめの供養方法について紹介いたします。

・継承者がいない

少子化・核家族の増加によりお墓を継承していく人がいないなど、自分の後継者に関することが理由です。誰も供養せず放置してしまうと「無縁墓」となってしまいます。

後継者がいないことが理由で墓じまいを検討されている方におすすめの供養方法は・・・永代供養墓散骨です。

・維持管理費などの費用の負担が大きい

お墓のメンテナンスや、管理する寺院へのお布施、霊園への管理費など費用の負担に関することが理由です。金額を変更できたり、節約できたりするものではないため負担が大きく費用が墓じまいの理由となります。

費用が理由で墓じまいを検討されている方におすすめの供養方法は・・・散骨手元供養です。

・お墓が遠い

自宅から離れた場所にお墓があるとお墓参りがしにくい、アクセスがしにくいなどお墓の立地に関することが理由です。

お墓が遠方にあるという理由で墓じまいを検討されている方におすすめの供養方法は・・・お墓を新しく近場に建てる(一般墓所)永代供養墓散骨手元供養です。

墓じまいのメリット・デメリット

墓じまいを検討する上でのメリットデメリットを知りどちらの方が良いか検討をしましょう。 メリットデメリットを理解することで悩んでいる方は答えが見つけやすくなります。

墓じまいをするメリット

・経済的負担が減る

お寺にお墓がある場合、檀家として年間管理料や寄付金を払う必要があります。また法事などの際にはお布施も必要となります。「墓じまい」をすればそういったお寺に関する費用は無くなることになります。

・継承者の心配がいらず負担が減る

自分が亡くなった後、現在自分の管理しているお墓の継承者を決める必要があります。「墓じまい」をすると子どもに負担をかけたくないといった思いや、継承者がいないなどの心配も要りません。改葬し永代供養墓にするとお墓の維持管理は墓地の管理者が行なってくれ、永代にわたり供養してもらえるので安心です。

・お墓参りがしやすくなる

「墓じまい」をしてご自宅の近くに改葬した場合、お墓の管理や供養もしやすくなります。自分が高齢になり、足元に不安を抱えると近いに越したことはないと気付きます。

墓じまいでのデメリット

・墓じまいなどの諸々の費用がかかる

墓じまいの際の相場は30万〜300万とお墓の規模や条件、改葬先などにより大きな差があります。お墓に多くの納骨がされていればそれだけの費用がかかることになります。また、墓じまいをするということはこれまでお墓のあったお寺の檀家を止めるということでもあります。そのためそのお寺へ離壇料が高額になる場合があります。

・親族とのトラブルを招く

お墓は先祖代々継承されるのが慣わしです。親族間での了承もなく「墓じまい」することにより「お墓がなくなった」「お墓が遠くなってしまう」などトラブルにつながることがあります。そうならないために事前にしっかりと話し合う必要があります。

・合祀されると遺骨は取り出せない

先祖代々継承されるお墓は個々で納骨されるため、もし個別に遺骨を取り出したい場合はそれが可能です。しかし、永代供養墓に改葬した場合、一定期間の契約期間後には合祀されることになります。合祀とは他の方の遺骨と一緒に納骨することですから、その後何らか理由により遺骨を取り出したいとなっても取り出すことはできないでしょう。

こちらの記事も読む→「墓じまいしてから後悔しないためのポイント徹底解説」

墓じまいをしないとどうなるのか

墓じまいをせずにお墓を管理する人もなく放置されていたお墓は「無縁墓」となります。霊園や寺院墓地ではなく、共同墓地などにある無縁墓は手入れされることなく荒れていきます。

一方霊園や寺院墓地にあるお墓は所定の条件(一定期間の管理料の未納や官報への公示)を満たすことで管理者によって強制的にお墓を撤去することができるようになります。この撤去にかかった費用は墓地の名義人やその相続人に対して請求されることもあります。この際に取り出された遺骨は引き取りを要求されるか合祀墓に埋葬されます。

こちらの記事も読む→「墓じまいしないとどうなるの?」

墓じまいの仕方

墓じまいの仕方(進め方)は以下になります。

①親族に相談

②遺骨の受け入れ先の決定

③墓地の管理者との相談

④墓じまい・改葬の諸手続き

⑤閉眼供養・魂抜き等

⑥お骨の取り出し、お墓の撤去

⑦受け入れ先への改葬

各項目で詳細について解説いたします。

①親族に相談

周りに親族がいる場合は、墓じまいしたい旨の相談を必ずしましょう。親戚の中には墓じまいをよく思っていない方がいらっしゃるかもしれません。後々のトラブルを避けるためにも事前に相談をしましょう。

②遺骨の受け入れ先の決定

お墓に現時点で埋葬されているご遺骨の改葬(受け入れ先)を決定します。近年では永代供養が人気です。永代供養とは供養料を支払えばその霊園や寺院で「永代にわたり」供養してもらえることをいいます。永代供養は宗旨宗派関係なく申込みができることも多く、後継のいない方にも安心していただけるのが特徴です。

永代供養と一口にいっても、その種別は様々です。ご希望に沿ったものを選ぶのが良いです。

③墓地の管理者との相談

改葬を行いたい旨を墓地の管理者に申し出ます。特に寺院にお寺がある場合は早めに相談をしましょう。お墓が維持できない旨をしっかりと説明をし、自委員側も納得した上で墓じまいを行うことが必要です。

④墓じまい・改葬の諸手続(改葬許可証)

遺骨をお墓から別の場所に動かすには市町村が発行する「改葬許可証」が必要になります。この「改葬許可証」を発行してもらうには既存のお墓のある市町村の役場から改葬許可申請書を取り寄せ記入するほか遺骨の移転先の墓地管理者の発行する「埋葬証明書」及び改葬許可申請書に既存墓地管理者の署名捺印等が必要になります。必要な書類か各自治体によって異なりますので、確認してください。

同じ墓地内の永代供養墓や合祀墓などに改葬の場合は不要です。

⑤閉眼供養・魂抜き等

「閉眼供養」「魂抜き」などと呼ばれる宗教儀式を行います。儀式のやり方は宗旨宗派によって異なります。

墓前での読経を行うケースが多いです。

⑥お骨の取り出し、お墓の撤去

埋葬されている遺骨の取り出しについては、石材店が手伝ってくださいます。お墓は更地にし管理者に返還する必要があります。お墓の撤去や最終的なお墓の処分についても石材店が行なってくださいますので、信頼できる石材店やお墓を建立した石材店へ相談します。

⑦受け入れ先へ改葬

遺骨を受け入れ先のお墓へ運びます。納骨時に「改葬許可証」を提出します。

墓じまいで必要な手続き・書類一覧

先述したように改葬許可を得るためにはお墓の市区町村に申請が必要です。そのほかにもいくつかの書類が必要になりますのでみていきましょう。

・改葬許可証

改葬許可の申請には専用の申請書が各自治体に用意されていますので、各自治体から入手しましょう。役所へ行けば確実に手に入りますがWEBサイトからダウンロードできる場合もありますので確認してみてください。

・埋葬証明書

埋葬証明書は、遺体を火葬した後に初めて埋葬するときに寺院や霊園へ提出しています。改葬には墓地に遺骨が埋葬されていることを証明する埋葬証明書が必要となりますので、寺院や霊園から発行してもらいます。

・受入証明書

お墓から取り出した遺骨はそのまま廃棄することはできません。新しいお墓に入れるか、合祀墓や永代供養を選択するのが一般的です。改葬先を決め、受入証明書をもらいましょう。

・改葬承諾書(場合により)

改葬承諾書は改葬許可申請する人と新しいお墓の使用者(契約者)、今のお墓の使用者が異なる場合に必要です。

・身分証明書の写し

改葬許可の申請時に必要になります。

身分証明書の本人確認には写真付きの証明書が必要です。(マイナンバーカード・運転免許証・パスポート・各種許可証など)健康保険証や年金手帳など写真がない証明書の場合は2点以上が必要です。

墓じまいの手続きで困ったらどうする

墓じまいの手続きを進めていく中で、トラブルや問題で行き詰まってしまうこともあるかと思います。そういった場合どうするのか、解決方法について解説します。事前に問題をわかっておくと、回避することができます。

予想以上に高額になってしまうのを避ける

墓じまいで必要となる主な費用は手続料、墓石の処分料、離壇料です。この中で高額になると考えられるのは墓石の処分解体費用です。こちらに関しては複数の業者に見積もりを取って比較するのが良いです。

工事機材が入らなかった

通路幅が狭かったり、山奥にあるなど工事機材がお墓まで入ることができず、人力のため割高になることもあります。事前にしっかり確認しましょう。

高額な離壇料を請求された時は

寺院によっては高額な離壇料が請求されることがあります。なぜお墓を維持できないのか寺院にわかってもらうようじっくり話をすることが大切です。どうしても納得してもらえない場合などには弁護士などの専門家への相談も検討しましょう。

費用が安いところに頼んだら・・・

いくつかの石材店に見積もりを取り、安いところにお願いしたら悪徳業者だったなんてことにならぬよう、信頼できる石材店かしっかりと見極めましょう。中には産業廃棄物として処理しなければならない墓石を不法投棄していたという業者によってトラブルが発生したことがありました。

しっかり信頼できる業者であるか確認した上で契約しましょう。

お骨の状態

長い間お墓に納められていた遺骨は、お骨が浸水していたり汚れが付着している場合、衛生的観点から洗骨を行う必要や、土葬されていた場合には再火葬が必要となる場合があります。遺骨のお手入れは難しく自分で勝手に洗浄することはできないので専門の業者さんにお任せした方が安心です。そのため、この処理に金額がかかってしまうことがあります。

目安としては洗浄が1体1万円程度、粉骨は1体2万円程度です。

知らない遺骨がたくさん出てきた

墓じまいする前には先祖の遺骨は◯体と聞いていたが実際に出てきたのは△体だったということもよくあります。その時は、別途永代供養墓を探したり、遺骨を粉骨し小さくまとめたりする必要があります。信頼できる石材店に相談しましょう。

地方の墓石業者とのやり取りが大変

墓じまいするお墓が遠方にある場合、打ち合わせに何度も行くのは大変です。その場合は自宅の近くにある信頼できる石材店に依頼すると良いでしょう。行政への手続きもサポートしてくれます。

現地の墓地まで直接行けない

墓じまいの手続きのほとんどは郵送で解決できることがほとんどです。行政手続きは役所のホームページからダウンロードできますし、お墓の管理者に記入してもらう書類も郵送でやり取りが可能です。ただ、時間はかかりますので余裕を持って行うことが大切です。

ご遺骨だけは墓石の解体後に受け取る必要があります。石材店がどこまで対応してくださるかわかりませんので早めの相談が大切です。

墓地の管理者がわからない

地方の墓地は共同墓地という形で誰が管理者かわからないことがあります。管理者がわからないと埋葬証明書をどこに依頼すれば良いかわかりません。そういった場合には自治体に問い合わせをしてみましょう。

土葬の墓じまいは必要か

土葬であっても遺骨を動かすときには改葬の手続きが必要になります。ただ、ご遺骨が完全に土に還っていて掘り出すことができない状態であれば手続きは不要です。ご遺骨の状態は掘り起こしてみないことにはわかりませんので、どちらになっても対応できるよう準備が必要となります。

また土葬のままでは次の改葬先に受け入れてはもらえず、一度火葬する必要があります。そのため土葬の改葬を行う場合には改葬許可証と一緒に火葬許可証も発行してもらいます。

納骨していないお墓を墓じまいするには

お墓を建立したものの、一度も納骨していないお墓は解体工事のみ行えば大丈夫です。納骨されていないので改葬の手続きも閉眼供養も不要です。

ただ、納骨する予定でお墓の開眼供養をしている際には納骨していなくとも閉眼供養は必要になりますので、その際は僧侶に読経を行なってもらいましょう。

墓地の所有者が個人だった

家の敷地や個人が所有する山林の中などのお墓は管理者も個人である可能性があります。管理者がいればその人に埋葬証明書を記載して貰えば良いですが、所有者が亡くなっていたり、不明な場合には役所に相談しましょう。

散骨や手元供養を選択し受入証明書がない

次の改葬先が散骨や手元供養の場合、受入証明書がもらえません。基本的には受入証明書がないと改葬許可書の発行はされないので役所に相談しましょう。

原則として散骨や手元供養では改葬許可証は不要とされていますが、各自治体で異なることもありますので事前にしっかり確認しましょう。

墓じまいに関する費用の内訳・相場価格

墓じまいにかかる費用の相場は30万から300万程度といわれています。費用相場には大きく幅があります。これは改葬先をどうするかという点が大きく関わってきます。

①墓石の撤去にかかる費用:約10〜20万円/1㎡

墓石の撤去費用にかかる相場は墓石の大きさや撤去方法にもよりますが1㎡約10〜20万円程度です。墓石撤去費用の中には「墓地から墓石を撤去して更地にし、墓石を処分するまで」が含まれています。

②閉眼供養のお布施:3万〜10万円

お墓からご遺骨を取り出す際には僧侶に故人のお墓に閉眼供養を行なっていただきます。この際、供養を行なってくださった僧侶に対して支払うのが閉眼供養のお布施です。金額は決まっているわけではありません。

③離壇料:3万〜20万

現在のお墓が寺院にある場合に必要になるのが離壇料です。墓じまいをする際に檀家から抜けることになりますので、今までお墓を守っていただいたお礼として寺院に納めます。離壇料は一律で決まっている寺院もあれば、全く不要な寺院もあります。金額も決まっているわけではなくお礼の気持ちになりますが、まれにトラブルになり高額な離壇料を請求されることもあります。

離壇料についてはこちらもお読みください→「離壇料はいくら払えばいいの?払わなければいけないの?」

④行政手続きでかかる費用

改葬許可証:無料〜500円

これは埋葬されていたお骨を別の場所に移動する際に必要となる書類です。改葬先に提出します。

⑤改葬先でかかる費用

・一般墓への改葬:100万円程度〜

・永代供養への改葬:10万円程度〜

・散骨:3万円程度〜

・樹木葬への改葬:10万円程度〜

・開眼供養のお布施代:3万円程度〜

費用の支払いに不安が生じたときはどうする

複数の石材店に見積もりを出してもらったけれど予算よりかなりオーバーしてしまうなど、支払いに関しての問題が生じたときはどうすれば良いのでしょうか。ここでは費用の支払いに困ったときについて解説します。

①親族に相談する

まずは親族に相談しましょう。支払いは誰がするのかそういったトラブルにつながることもあります。事前にしっかり解決しておくことが大切です。

こちらの記事も読む→墓じまいの費用は誰が払う?注意点とともに詳しく解説!

②お寺に相談する

墓じまいのお墓がお寺にあった場合、これまで管理してくださったお寺に相談してみることも大切です。離断料などが大きく変わることにもなりかねないので早めに相談しておきましょう。

③金融機関に相談する

金融機関によっては墓じまいやお墓に関する特別なローンが組める金融商品がある場合があります。お近くの金融機関にそういったものがないか確認してみましょう。

④自治体に相談する

自治体によっては補助金制度を導入しているところもあります。お住まいの自治体や自分が対象になりうる自治体にそういった制度がないか確認をしてみましょう。

こちらの記事も読む→【墓じまいするなら】補助金制度と費用を抑える方法をご紹介

墓じまいする際の服装はどうする

いざ墓じまいを決めてその当日を迎えたとき、「どんな服装でいけばいいの?」「持ち物はある?」と疑問や不安を感じてしまう方もいると思います。こちらではそんな疑問や不安について解説していきます。

墓じまいする際の服装は平服で良い場合も

墓じまいは解体工事と一緒に法要が行われることもあります。もし、立ち会うのが身内だけの場合は服装は平服で構いません。

平服とはいえ、その程度については自分では判断しづらいものです。平服と言われたので堅苦しくない普段着のような服装で参列したら他の方は喪服に近い服装だったということもあります。参列する身内の方と合わせて参列できるよう確認しておくと良いでしょう。

平服とは

平服といっても普段着とは異なりますので注意しましょう。

男性の場合・・・

男性は黒や紺、グレーなどのダークカラーのスーツを着用するのが良いでしょう。礼服でなくても良いので柄物や明るい色は避けた無地のスーツが良いです。ネクタイも色柄ものは避け、シンプルなダークカラーのものを選ぶと良いでしょう。

女性の場合・・・

女性も男性の服装同様、ダークカラーのスーツ、またはワンピースやアンサンブルなどを着用するのが良いでしょう。靴はピンヒールなどの歩きにくいものや歩いたときに音が鳴るものは避け、歩きやすいパンプスなどを選ぶようにしましょう。

子どもの場合・・・

学校や園の制服があればその制服を着用するのが良いでしょう。ない場合はリクルートスーツやダークカラーの服装が良いです。とはいえ、小さなお子様の場合墓じまいに相応しいものはなかなか持っていないものです。暗めの色の服装を心がければ大丈夫です。お子様は履き慣れない靴だと大変なので、普段履いている靴が良いです。あまりカラフルな色は避けるようにしましょう。

墓じまいの法要時の服装は喪服が良い

墓じまいはお墓の撤去、解体工事と合わせ閉眼供養を同時に行うこともあります。解体工事だけであれば服装は平服で良いですが、閉眼供養の法要を行う際には喪服で行くことが望ましいです。

閉眼供養は僧侶を呼んで読経をしてもらうので僧侶に失礼のない服装にします。

墓じまい時の持ち物は

普段のお参り同様、お花やろうそく、お線香、お供物、掃除道具などを用意します。霊園によっては不要なものもあるかもしれませんので事前に確認しましょう。

また石材店に支払う工事費や、閉眼供養の際のお布施などお金の用意もします。当日現金で支払うのか、振り込みなのか確認をしておきましょう。

墓じまいの際にはご遺骨の入った骨壷を持つことも想定されます。両手が開けられるよう最小限の持ち物を持参します。

こちらの記事も読む→「墓じまいのときの服装マナーは?持ち物やお布施についても解説」

墓じまい後はどうする

墓じまいをした後は通常、改葬する必要があります。

ここでは新しく改葬先として納骨するところにはどんなところがあるか解説します。

こちらも読む→「永代供養墓の選び方」

1一般墓所

墓じまいの理由の一つに「今あるお墓が遠方」という理由があります。遠方が理由の墓じまいの場合、親戚などの既存のお墓に一緒に納骨する方や新しく家の近くにお墓を建てて納骨される方がいます。新規でお墓を再度建立する場合は、費用がそれなりにかかります。これまでのお墓と同じようにお参りすることが可能ですが、今後再び同じ問題に直面する可能性も出てきます。

2樹木葬

樹木葬は骨壷やご遺骨をシンボルツリーの土の中に埋葬することです。比較的リーズナブルな価格で済むことや、死後、自然に帰りたいと願う方の希望を叶えることができます。ただ納骨後再び取り出すことは不可能となります。

樹木葬を検討している方についてはこちらも合わせてご覧ください→「樹木葬を依頼する際にけっして後悔しないためのポイントを大公開」

3永代供養墓

永代供養墓は寺院などでご遺骨を永代にわたり供養してもらえるお墓です。管理者に供養料を支払えばその後費用がかからない場合が多いです。ただ期限後は合祀墓で供養されるため遺骨の取り出しは不可能となります。

時代に合わせて夫婦墓や家族墓など人数の限られた永代供養や、ペットも一緒に入ることができるプランもあります。

永代供養墓についてこちらも読む→「永代供養墓を知ろう!」

4納骨堂

納骨堂は屋内にあることも多く天候に関わらずお参りできることが魅力です。また施設の設備が充実しており、バリアフリーやエレベータの完備もされているため足元に不安のある方にも安心していただけます。ただ、年間管理料が高額であったり納骨スペースには限りがあるので多くの納骨はできないことがあります。

納骨堂については合わせてこちらもご覧ください→納骨堂で永代供養をご検討中の方は必見!

5合祀墓

合祀墓ははじめから他の方と一緒に埋葬されるお墓のことです。基本的には骨壷から遺骨を出され納骨されます。費用を抑えることができますが、個々のお墓ではないので納骨後遺骨を取り出すことはできません。

合祀墓を検討されている方は合わせてこちらもご覧ください→「永代供養は合祀墓がお得?」

6散骨

散骨は粉状に加工したご遺骨を海や山などに撒いて埋葬する方法です。散骨するには必ず粉骨することが必須となります。ご遺骨の粉骨はご遺骨とわからないようパウダー状まで粉砕することになります。ご遺骨を全て散骨してしまうと手元に何も残らずお参りするところもないことから、寂しいと感じることもあります。

海洋散骨

生活圏に近いところではなく船で沖まで行って海に散骨します。船のチャーターに費用がかかることがあります。専門業者に依頼すると「個別散骨」や複数の遺族様と一緒に行う「合同散骨」、また「代行散骨」などのプランが用意されていることがあります。

山林散骨

山に散骨する方法ですが、山には所有者がいるのでその方の許可を得る必要があります。専門業者に依頼すると専属の散骨場があったり、手続きを代行してくれたりするので安心です。信頼できる業者を見つけることが大切です。

宇宙散骨

近年、新しい埋葬方法として注目されています。宇宙散骨の方法には2種類あります。

・バルーン散骨

バルーンに遺骨を入れ空に向けて飛ばす方法です。バルーンが成層圏に達し気圧の変化で破裂することで遺骨を宇宙へと散骨します。

・ロケット散骨

遺骨をカプセルに詰め地球の周回軌道上までロケットで打ち上げたり、宇宙空間まで運んだりする方法です。

7手元供養

お墓から取り出した遺骨を埋葬や納骨をしないのが手元供養です。手元供養は遺骨の全部、または一部を分骨して供養します。手元供養は2タイプに分けられます。

①自宅に安置

メンテナンスしてから、従来の仏壇のように安置します。骨壷のまま供養されることがほとんどで現代では手元供養のためおしゃれな骨壷やサイズも多々展開されているので、供養したい場所の規模や部屋のインテリアに合わせてお選びいただけます。まだ最近ではぬいぐるみなどに加工できるものもあり、骨壷だと気づかれたくない方にも選択肢の幅が広がっています。

②身につける

代表的なのはアクセサリーに加工して身につけるタイプのものです。常に故人を身近に感じていたい方などに人気です。

墓じまいの手続き代行業者がある

墓じまいには前述の通りさまざまな手続きが必要となります。専門的な知識が必要となることもあるでしょう。そういった手続きを代行してくれる業者が今は多くあります。提供しているサービスも様々ですので、数あるサービスから自分に合ったサービスを選びましょう。信頼できる業者を選ぶことが大切です。

まとめ

墓じまいを検討するきっかけから、費用、トラブル、順序、墓じまい後まで徹底解説しました。

墓じまいはまず親族の納得を得るところからはじまります。自分の一存で簡単に決めることはできないのでじっくり時間をかけてみんなが納得した上で進めていくことが大切です。また、同時に寺院との話し合いも大切になります。墓じまいを検討している段階で、なぜそうしたいのかについてよく話をすることが大切になります。

思わぬトラブルに発展しないよう進めていくようにしましょう。

「みんなの永代供養」では墓じまい後の永代供養に特化した霊園の検索や相談を承っております。お気軽にお問合せください。

 

 

 

【関連記事】