お墓のお役立ちコラム

お墓はいらない?お墓不要の供養の仕方と墓じまいを徹底解説

身近な人が墓じまいをした話や、お墓のいらない散骨や樹木葬を選んだ話を聞いたことはありませんか?

死後は先祖代々引き継がれているお墓に入るのが一般的ですよね。

しかし、近年は「お墓はいらない」という考え方が広がりを見せており、今までのお墓とは異なる供養の形が注目されつつあります。

では、なぜお墓はいらないと思う人が増えているのでしょうか。

本コラムでは、お墓はいらないと思われる理由を詳しく解説しています。

また、お墓はいらないと思っても、遺骨をどう供養すればよいかや墓じまいの手順も気になるでしょう。

「跡継ぎがいないからお墓はいらないけど、骨はどうする?」

「いらないお墓を片付けるには、どういう手順を踏むべきなの?」

上のような疑問をお持ちの方はぜひご覧ください。

本コラムを読んで、お墓はいらないと言われる訳を知り、新しい供養の形を知ってみましょう。

お墓はいらないと思われる理由

今までは「お墓はいらない」なんて言えば、周囲の人から顔をしかめられたでしょう。

しかし近年では、今までのような一般的なお墓はいらないと考える人が珍しくなくなってきています。

ここでは、お墓はいらないと思われる理由をお話しします。

 

≪お墓はいらないと思う理由≫

 

順に解説していきますね。

お墓はいらないと思われる理由①お墓の後継者がいない

現在は、子どもをもたない夫婦や未婚の方が増えていることが原因で、少子化が重要な問題となっていますよね。

お墓の後継者となる子どもがいないと、死後は誰からも供養されずお墓が放置されてしまう可能性が高いです。

そのため、お墓の後継者がいない人は、お墓はいらないとの結論に至ることは当然でしょう。

また、後継者がいたとしても、子どもたちにお墓を維持する負担をかけさせたくないと思う人も増加しています。

こういった背景が、お墓はいらないと思われる理由です。

 

お墓はいらないと思われる理由②お墓の維持・管理が難しい

お墓を持つと、そのお墓の手入れや管理が必要です。

たとえ跡継ぎだとしても、遠方に住んでいる人にとってはお墓をきれいに保つことは物理的に困難でしょう。

近年では、進学や仕事で故郷を離れる人も珍しくありません。

このような現代人のライフスタイルの変化により、お墓の維持管理が難しい人が増えており、お墓はいらないと思われてしまうのです。

 

お墓はいらないと思われる理由③費用が高い

お墓はいらないと言われる理由のひとつに費用の問題があります。

新しくお墓を建てようとすると、平均200万円程度の費用が必要となるのです。

さらに、以下に代表されるお墓の維持費用もかかります。

  • お墓の年間管理費
  • 寺院への檀家料
  • 墓石のメンテナンス料

これらの料金は、お墓を持っている限り発生し続けます。

このような経済的な事情から、お墓はいらないという考え方が広がっています。

 

お墓はいらないと思われる理由④お墓に対する価値観が変わりつつある

最近は、故人の命日やお盆に家族そろってお墓参りにいくご家庭が少なくなっていますよね。

また、先祖代々受け継ぐお墓とは異なる供養の方法が注目されるようになってきました。

今までのお墓の在り方が当たり前ではなくなってきているのです。

このように、お墓への価値観が変わりつつあることが、お墓はいらないと思う人が増加している理由のひとつです。

お墓があるメリット

お墓はいらないと思う人が増えている一方で、お墓を持つことにはメリットもあります。

お墓があるメリットを紹介します。

 

≪お墓があるメリット≫

 

順に見ていきましょう。

お墓があるメリット①家族のつながりを感じられる

普段生活している中では、ご先祖を意識する機会はそうありませんよね。

しかし、お墓参りをすると、先祖たちのおかげで今自分が生きていることを認識することができます。

このように、お墓には家族の絆を確かめられる役割があります。

また、決まった時期にお墓参りをすることで、普段は離れた場所で生活している家族が集まる場ともなりますね。

 

お墓があるメリット②遺骨の埋葬場所を探さなくて良い

墓地埋葬法により、「遺骨は墓地以外の場所に埋葬してはならない」と法律で決められています。

決められた場所以外に遺骨を埋葬するのは法律違反となってしまうのです。

そのため、お墓はいらないと考えても遺骨の埋葬場所を確保しなくてはなりません。

死後に安心して眠れる場所が決まっているのは、お墓があることのメリットのひとつです。

 

お墓があるメリット③心の拠り所となる

お墓は「故人に出会える場所」の意味合いがあり、お墓を心の拠り所としている人もいます。

お墓参りの際に、故人へ近況を報告したり、悩みを相談したりすることによって、明日からの生きる力を蓄えられるのです。

また、お墓参りをすることによって、故人を失った悲しみを徐々に乗り越える人もいるでしょう。

お墓がなければお参りができないため、心の整理をつける機会も少なくなってしまいます。

お墓があるデメリット

メリットの次に、お墓があるデメリットも知っておきましょう。

 

≪お墓があるデメリット≫

  • お墓の費用が高額
  • お墓の維持管理が大変

 

お墓はいらないと思う理由でもお伝えしたとおり、お墓は高額な費用がかかります。

また、お墓をいつまでもきれいな状態で保つのは、残された家族にとって大変な負担ですよね。

このように金銭的や肉体的な負担が大きいことがお墓のデメリットであり、お墓はいらないと思う理由ともなります。

お墓はいらないときの供養の仕方と費用目安

お墓がいらないと思っても、遺骨は何らかの方法で供養してもらう必要があります。

ここでは、お墓のいらない供養の仕方を6つご紹介しましょう。

 

≪お墓のいらない供養の仕方6つ≫

 

お墓はいらないと思ったら、ご自分や家族に合った新しい供養の方法を見つけてください。

お墓のいらない供養①ゼロ葬

ゼロ葬とは、火葬のあとに遺族が遺骨を引き取らない葬儀です。

遺骨がないとその後の供養ができないため、費用もかかりません。

ゼロ葬ができるかどうかは火葬場により異なり、西日本ではゼロ葬を受け入れる火葬場が多い傾向にあります。

ただし、故人がお墓のいらないゼロ葬を望んでいても、遺骨を受け取らない行為に納得できない方は多くいます。

そのため、ゼロ葬にする際は、必ず親族の同意を得てから決めましょう。

 

お墓のいらない供養②手元供養

手元供養とは、遺骨の一部または全部を自宅で保管し供養することです。

日常生活の中で故人の供養ができるため、故人を身近に感じられるでしょう。

最近の手元供養では、ミニ骨壺やミニ仏壇を選ばれる方が増えています。

一般的なミニ骨壺の費用相場は4,000円から8万円ほど、ミニ仏壇の費用相場は1万円から15万円ほどです。

ミニ骨壺とミニ仏壇のどちらも費用に幅があるので、自宅に合うものを探してみてください。

また、遺骨を入れられるアクセサリーも、常に故人を感じられる理由で人気を集めています。

 

お墓のいらない供養③散骨

お墓のいらない供養のひとつに散骨があります。

散骨とは、遺骨を手元に残さず、山や海などに撒いて供養する方法です。

散骨と聞いて最もイメージしやすいのは海洋散骨でしょう。

海洋散骨にも様々なプランがあり、船を貸し切る場合の費用相場は15万円~35万円程度です。

複数の家族が同じ船に乗り入れるプランなら10万円~20万円のため、費用を抑えたい場合は合同散骨を選びましょう。

また、家族が乗船せず業者に散骨をお願いする代行散骨は、5万円程度で済みます。

 

お墓のいらない供養④樹木葬

お墓のいらない供養のひとつである樹木葬も最近よく耳にするでしょう。

樹木葬とは、遺骨を埋葬した周辺に、墓標となる樹木や植物を植えて供養する方法です。

墓石がいらないため費用は安く、樹木葬の費用目安は20万円〜150万円程度です。

樹木葬は、「死後は自然に還りたい」と願う自然志向の方に人気を集めています。

霊園や寺院が家族に代わって遺骨を管理してくれる永代供養のため、家族の負担もありません。

お墓のいらない供養⑤納骨堂

納骨堂とは、室内に遺骨を納める施設です。

アクセスのいい都心の駅近くにもあり、天候に左右されずお参りができるのが納骨堂のメリットですね。

納骨堂の費用は納骨堂のタイプにより様々で、最も安い位牌型で10万円~20万円、自動搬送型では80万円~150万円です。

納骨堂の費用に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

お墓のいらない供養⑥永代供養

永代供養は家族に代わって寺院や霊園が遺骨の管理・供養をしてくれるサービスです。

永代供養であれば、後継者がいなくても安心ですし、残された家族の負担もありません。

永代供養には「合祀墓」「集合墓」「個別墓」の種類があります。

費用相場は種類により10万円〜150万円と幅広く、他の人の遺骨と一緒に埋葬される合祀墓が最もリーズナブルです。

ただし、個別墓でも一定期間を過ぎると合祀墓に移されるケースが一般的なので、注意しましょう。

お墓はいらないと決めたら墓じまいをしよう

墓じまいとは、現在のお墓から遺骨を取り出し、墓石を撤去して更地に戻すことです。

お墓はいらないと決めたら、今あるお墓の墓じまいをしないとなりません。

墓じまいには行政の手続きが必要になるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。

墓じまいの流れ

墓じまいの流れは以下のとおりです。

 

  1. 親族と話し合い、次の埋葬先を決める
  2. 現在のお墓の管理者に埋葬証明書を発行してもらう
  3. 次の埋葬先の管理者に受入証明書を発行してもらう
  4. 現在のお墓のある自治体で改葬許可証を発行してもらう
  5. 閉眼供養を行い、墓石を撤去する

 

まずは、後々の親族間のトラブルにならないように、墓じまいについて親族としっかり話し合いましょう。

特に高齢の世代は墓じまいに抵抗のある方もまだ多くいるため、注意してください。

親族に墓じまいの同意を得た上で、次の遺骨の埋葬先を決めましょう。

墓じまいに必要な改葬許可証の発行には、埋葬証明書と受入証明書が必要です。

ただし、墓じまい後の供養を手元供養や散骨にする予定の場合は、遺骨を新しい場所に納めるわけではないため受入証明書はありません。

その場合は、自治体にその旨を説明すれば改葬許可証を発行してもらえるため安心してください。

墓じまいの費用

墓じまいの費用は30万円~50万円で、大きく下の4つの費用に分けられます。

  • 墓石の撤去・解体費用:1㎡あたり10万円~15万円
  • 閉眼供養のお布施:3万円~5万円
  • 離檀料:3万円~20万円
  • 必要な手続き費用:数千円

決して安くはない金額ですが、お墓はいらないと決めたなら墓じまいを必ずしましょう。

お墓をそのままにしてしまうと、いずれ施設とトラブルになってしまいます。

墓じまいをしない危険性については、こちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

 

墓じまいに関する揉めごと

墓じまいをするときは、コミュニケーションを怠るとトラブルになりがちです。

ここでは、墓じまいで発生しやすい揉めごとについてお伝えします。

 

≪墓じまいに関する揉めごと≫

 

各所としっかり連携を取り合い、円滑に墓じまいができるようにしましょう。

親族との揉めごと

親族の中には、先祖の眠るお墓に入りたいと考える方もいるでしょう。

そういった考えの人を無視し、同意なしに墓じまいを進めると必ずトラブルになります。

墓じまいをする際には必ず親族間で話し合いをしましょう。

また、親族間での墓じまいの費用負担についてのトラブルも多く見られます。

費用の負担についても親族でしっかり相談しておきましょう。

お寺との揉めごと

寺院のお墓を墓じまいするときには、今までお世話になったお礼としてお寺へ離檀料を支払う必要があります。

離檀料の金額に決まりはありませんが、相場は数万円~20万円です。

しかし、最近は法外な離檀料を請求され、揉めごととなるケースが多発しています。

現代は檀家の数が減っていることから、経営が厳しいお寺も多いです。

お墓はいらないと決めたなら、スムーズに離檀できるように墓じまいの理由をお寺に丁寧に伝えることが大切です。

石材店との揉めごと

墓じまいをするには、石材店に墓石の撤去を依頼します。

この墓石の撤去料について、石材店とトラブルになるケースが多くあるのです。

例えば、墓地内の通路が狭く重機が入れなかったり、予定より人手や時間がかかったりする場合に費用が加算されることがあります。

その場合、墓石撤去料が予想より高額となり、トラブルが起こりやすいでしょう。

予想外の高額な費用を避けるため、業者にお墓の状況を詳しく伝えたり、現地を確認してもらったりして、詳細な見積を取りましょう。

次の納骨先との揉めごと

墓じまい後の次の納骨先がイメージと違ったり、費用が予想外に高かったりするトラブルも見受けられます。

お墓はいらないと思い墓じまいをした後は、次の納骨先に満足できないからと言って簡単にお墓に戻すことはできません。

次の納骨先を決めるには、事前に入念にリサーチしておきましょう。

まとめ:お墓をいらないと思う人は増えている。しかし親族としっかり話し合いを。

本コラムでは、お墓をいらないと考える理由やお墓がいらない場合の供養方法について詳しく解説しました。

実際にお墓をいらないと思う人は確実に増えており、現代人のニーズに合った新しい供養方法が誕生しています。

しかし、そんな背景でも先祖代々のお墓に入りたいと思っている方がいるのも事実です。

お墓は親族皆さまの問題のため、全員が納得できるお墓の在り方をしっかりと話し合うことが大切です。

みんなの永代供養では、お墓のいらない供養方法もたくさんご紹介しております。

お墓をいらないとお考えの方はぜひお気軽にご連絡ください。



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