お墓のお役立ちコラム

跡継ぎがいない仏壇やお墓はどうする?先祖に感謝して処分しよう

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「生涯独身で、自分の後に仏壇やお墓を守れる跡継ぎがいない」

「実家に仏壇やお墓があるけど、遠方に住んでいて管理できる跡継ぎがいない」

「子どもが娘だけで、仏壇やお墓の跡継ぎがいない」

こういった悩みを持つ方は、少なくないと思います。

以前は、先祖代々の仏壇やお墓を、子どもが跡継ぎとなって承継していました。

しかし、生涯独身率が増加し続けている近年、仏壇やお墓の跡継ぎがいないことは非常に大きな問題となっています。※1

仏壇やお墓には、開眼供養により、ご先祖様たちの魂を入れていることをご存知でしょうか?

跡継ぎがいないために、仏壇やお墓を何の手入れもしないで放置するということは、ご先祖様たちの魂を雑に扱ってしまうということにもなりかねません。

そのため、跡継ぎがいない仏壇やお墓は、正しい方法で仏壇じまいや墓じまいをするのが望ましいのです。

本記事では「仏壇じまいや墓じまいとは何か」「跡継ぎがいない仏壇の仏壇じまいや、跡継ぎがいない墓の墓じまいの手順」などについて解説しています。

跡継ぎがいない仏壇やお墓をお持ちの方は、ぜひ参考にご覧ください。

 

※1参照 厚生労働省「年齢階級別未婚割合の推移

【跡継ぎがいない】仏壇じまい・墓じまいとは?

仏壇やお墓を引き継ぐ跡継ぎがいない場合や、子どもはいても、遠方に住んでいるなどで仏壇やお墓の跡継ぎになれない場合、仏壇じまいや墓じまいをするのが現実的です。

昨今、跡継ぎがいない仏壇やお墓について耳にする「墓じまいや仏壇じまい」とはどういうものなのか、

 

 

以上の2つに分けて解説していきます。

 

仏壇じまいとは

仏壇じまいは、これまで代々引き継がれてきた仏壇を、撤去・処分することです。

跡継ぎがいれば代々引き継がれていくものですが、跡継ぎがいない仏壇は将来的に放置されてしまうことになりますので、正しい方法で処分をする方が良いでしょう。

墓じまいとは

墓じまいとは、これまで跡継ぎが守ってきたお墓を撤去・解体して、お墓を建てていた区画の永代使用権をお寺や霊園に返還することです。

墓じまいをするとき、お墓の中に安置されていた先祖の遺骨は、別の場所に移動したり別の方法で供養したりします。

このように、現在のお墓から別のお墓や納骨堂に遺骨を移動させることは、「改葬」と言います。

墓じまいは、子どもがいない場合や子どもがいても遠方に住んでいる場合など、お墓の跡継ぎがいないために、維持・管理をすることが困難な場合におこなわれます。

【跡継ぎがいない】仏壇じまいと墓じまいはどちらを先にする?

跡継ぎがいないためにおこなう仏壇じまいと墓じまいは、どちらを先におこなっても問題はありません。しかし、菩提寺がある場合は、どちらを先にするか菩提寺に相談した方が良いでしょう。

菩提寺とは、先祖代々のお墓があり、長くに渡り葬儀や法要をずっとお願いしてきたお寺のことです。

菩提寺に相談をせずに勝手に墓じまいや仏壇じまいをしてしまうと、礼を欠いたと思われ、心証を悪くしてしまいますので注意してください。

一般的には、仏壇じまいよりは墓じまいの方が時間や手間がかかると言われています。

跡継ぎがいないために同時期に仏壇じまいと墓じまいをおこないたい場合は、先に墓じまいをおこなった方がスムーズに手続きができるでしょう。

 

【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをするタイミングはいつ?

跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいするタイミングは、以下のようなときです。

  • 実家じまいをするとき
  • 墓じまいをするとき
  • 仏壇の跡継ぎがいないとわかったとき

 

どのタイミングが最適かどうかは人によって違いますが、跡継ぎがいない仏壇をずっとお参りすることもなく放置するのは良いとは言えません。

跡継ぎがいないとわかった場合、適切な方法で早めに処分する方が良いでしょう。

【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをする手順

跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいする際の手順は以下のとおりです。

 

  1. 菩提寺に相談する
  2. お寺で閉眼供養をする
  3. 仏壇を処分する

 

それぞれ解説していきます。

菩提寺に相談する

菩提寺がある場合、跡継ぎがいないために仏壇じまいをしようと思っていることを相談しましょう。

墓じまいを考えている場合、同じタイミングで相談してみてください。

菩提寺に相談もせずに跡継ぎがいないからといって仏壇を処分してしまうと、思わぬトラブルに発展することもあると言われていますので、注意しましょう。

国民生活センターには、墓じまいや仏壇じまいで離檀するときに、高額な離檀料を請求されるトラブルも報告されています。※2

これまでお世話になった菩提寺ですから、トラブルにならないように、はじめは相談するといったカタチで話しを進めることが大切です。

 

※2参照:独立行政法人国民生活センター「墓じまい 離檀料に関するトラブルに注意

お寺で閉眼供養をする

仏壇は、本来、ご本尊様を祀る台のことを言います。毎日お寺のご本尊様にお参りすることが困難なために、仏壇を家の中に設置して、小さなお寺を作っているのです。

しかし、近年では、仏壇といえば「位牌を供養する場所」という認識を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

亡くなって仏様となった故人の位牌をご本尊様の横に並べて置いてあることも多くみられます。

仏教では、仏壇を購入した際に「開眼供養」をおこない、ご本尊様に魂入れをします。

そのため、跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいする場合には、ご本尊様の魂を抜いて、魂がいない状態にする「閉眼供養」をお寺にお願いする必要があります。

跡継ぎのいない仏壇を処分する場合、引き取り業者によっては閉眼供養がおこなわれていないと引き取ってもらえない可能性も。

これまでの日常生活を見守っていただいたり、亡くなった先祖の成仏の手助けをしていただいたりした感謝の気持ちもこめて、最後にご本尊様に手を合わせてしっかりと閉眼供養をおこないましょう。

閉眼供養の場合にお供えする基本的な物は、「水・食べ物・生花・ろうそく・線香」です。

食べ物は、生ものは避け、生花はトゲのあるものや毒のあるものは避けましょう。

位牌の開眼供養をおこなう費用は、約3〜10万円です。その他、家までのお車代として5,000〜1万円程度を包んでお渡しします。

なお、浄土真宗では開眼供養はおこないませんので閉眼供養をする必要はありませんが、代わりに遷仏法要をおこないます。

仏壇を処分する

跡継ぎがいない仏壇の開眼供養が終わったら、仏壇の中を整理して、次の章で解説する4つの方法のいずれかで処分することになると思います。

閉眼供養が終わった仏壇には魂はいないのですが、処分する前にはこれまでの感謝の気持ちをこめて、できる限り綺麗に掃除しましょう。

仏壇には、細かい引き出しがたくさん付いているものもあり、誰にも気付かれていない状態で引き出しの中に大切な書類や通帳などがしまわれている可能性があります。

必ずすべての引き出しを開けて、残ったものがないか確認して処分するように注意しましょう。

【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをする4つの方法と費用

跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいして処分する方法は以下の4つです。

 

  1. 【跡継ぎがいない仏壇】お寺で処分してもらう
  2. 【跡継ぎがいない仏壇】仏壇・仏具店で処分してもらう
  3. 【跡継ぎがいない仏壇】専門業者に処分してもらう
  4. 【跡継ぎがいない仏壇】自分で粗大ごみとして処分する

【跡継ぎがいない仏壇】お寺で処分してもらう

跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいで処分する方法の1つ目は、「お寺で処分してもらう」です。

お寺で処分してもらう場合は、閉眼供養のあとそのまま引き取ってもらい、お焚き上げをお寺にお願いすることができます。

基本的にお寺に処分を依頼する場合は、菩提寺があれば菩提寺にお願いしますが、なければ檀家でなくても処分をしてくれるお寺にお願いすることになります。

お寺で処分してもらう場合はお布施というかたちで費用をお渡しすることになり、明確な金額がありませんが、相場としては約1万〜10万円となっています。

菩提寺がある場合、他の方法で処分してしまうと、トラブルになる可能性がありますので注意しましょう。

【跡継ぎがいない仏壇】仏壇・仏具店で処分してもらう

跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいで処分する方法の2つ目は、「仏壇・仏具店で処分してもらう」です。

仏壇・仏具店では仏壇の処分に関する問い合わせも多く、ほとんどの仏壇・仏具店で引き取りをしてくれます。

仏壇の大きさによっても料金は変わりますが、費用相場は約1万5,000〜8万円です。

多くの仏壇・仏具を取り扱っているということもあり、スムーズに手続きをしてもらえますが、買い替えなどでない場合は、費用が高くなりがちと言われています。

【跡継ぎがいない仏壇】専門業者に処分してもらう

跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいで処分する方法の3つ目は、「専門業者に処分してもらう」です。

遺品整理サービス業者や不用品回収業者など、仏壇を処分してくれる業者はあります。

業者によって、サービス内容や料金は異なりますので、どんなサービスがあるかの確認や見積の確認はいくつかの会社を比較して決めましょう。

見積とは大幅に違う料金を請求されてしまうトラブルなどが起きる可能性もありますので、見積額を超えて請求される場合はどんなときなのかについても、しっかりと確認しておくことが大切です。※3

 

※3参照国民生活センター「遺品整理をたのむときは、複数の事業者から見積を

【跡継ぎがいない仏壇】自分で粗大ごみとして処分する

跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいで処分する方法の4つ目は、「自分で粗大ごみとして処分する」です。

閉眼供養をおこなったあとの跡継ぎがいない仏壇は、魂が抜けて、ただのモノになっていますので、自分で粗大ごみとして捨てることが可能です。

粗大ごみを収集場所に出す場合は、仏壇を粗大ごみで捨てていることが人目に付きやすいので気になる場合は、直前に出すなど工夫してみると良いでしょう。

 

【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをするときの注意点

跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいする場合は、必ず親族に相談・確認をするようにしましょう。

仏壇は、親族にとっても大切な兄弟・姉妹やご先祖様をお参りする場所でもあります。

跡継ぎがいないとはいえ、何も相談せずに仏壇じまいをしてしまうと、親族の心の中にぽっかりと穴を開けてしまい、仲違いをしてしまう可能性も。

跡継ぎがいない場合の仏壇がどうなるのかしっかりと親族に説明し、同意を得て、スッキリとした気持ちで仏壇じまいをおこないたいですね。

 

【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをしたあとの位牌はどうするの?

位牌は「開眼供養」をおこなって呼び寄せた、故人の魂の依り代です。

跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいしたあとの位牌は、以下のような方法で処分または安置しましょう。

 

 

それぞれ解説していきます。

 

永代供養をしてもらう

跡継ぎがいなくて仏壇じまいをしたあとのご位牌は、お寺の位牌堂で永代供養をしてもらうという方法があります。

位牌堂とは、納骨堂のように遺骨を収蔵して供養する場所とは異なり、位牌だけを供養する場所のことです。

位牌堂で安置された位牌は、跡継ぎがいない場合でも、あらかじめ決められている期間が終了したあとにお焚き上げされるのが一般的です。

跡継ぎがいないために仏壇じまいしたものの「もうしばらくは故人やご先祖様の位牌をお参りしたい」「位牌をお参りしたいけれど家には置いておけない」という場合は、位牌の永代供養がおすすめです。

お寺でお焚き上げをしてもらう

跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいしたあとの位牌は、お寺でお焚き上げしてもらうという方法もあります。

お寺でお焚き上げをしてもらう場合、閉眼供養をおこなったあとそのままお焚き上げしてもらうことになります。

お焚き上げは、大切なものを火で清め、供養する儀式です。

もしも、跡継ぎがいないために、ご位牌を処分することに対してなんらかの罪悪感などを持たれている場合などは、お焚き上げで清められることで、気持ちも緩和されるのではないでしょうか。

自宅で安置する

跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいしたあとの位牌は、自宅で安置するという方法もあります。

ご自宅に位牌を置くスペースがあれば、自宅で安置してお参りすることで、ご先祖様も喜ばれることでしょう。

しかし、自宅で安置する場合、跡継ぎがいない状態でご自身になにかあったとき、他の方法で位牌を供養することが難しくなる可能性も考えられます。

自宅で位牌を安置される場合でも、跡継ぎがいない場合には、いずれ永代供養にするかお墓でお焚き上げをしてもらうことになるでしょう。

【跡継ぎがいないお墓】墓じまいをする手順

跡継ぎがいない仏壇と一緒に、跡継ぎがいないお墓を墓じまいする手順は以下の通りです。

 

  1. お寺や霊園に相談
  2. 遺骨を移す先を探す
  3. 石材店で見積をする
  4. 役所で改葬許可をもらう
  5. 閉眼供養をしてもらう
  6. 遺骨の移動をする
  7. 墓石を撤去してもらう

 

墓じまいについての詳しい内容は【保存版】墓じまいマニュアルー墓じまいをするならこれで完璧ーの記事で解説していますので、合わせてご覧ください。

跡継ぎがいないために墓じまいをするときも、跡継ぎがいなくて仏壇じまいをするときと同様に、必ず親族と相談し、同意を得てから手続きに取り掛かりましょう。

墓じまいは手順が多く大変だと感じる方は代行業者にお任せすることもできます。

代行業者について詳しくは、「墓じまいを代行業者に依頼する流れとは?選ぶポイントも説明します!」の記事で解説していますので合わせてご覧ください。

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まとめ

跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいしたり、跡継ぎがいない墓を墓じまいしたりするのは、代々守ってきたご先祖様に申し訳ないと思う気持ちがあるかもしれません。

しかし、今後、跡継ぎがいない仏壇やお墓を放置してしまうことで、誰からも供養されることなく処分されてしまう可能性もあります。

仏壇やお墓の跡継ぎがいないとわかった時点で、早めに仏壇やお墓のことについて親族や家族と話し合っておくと、いざ仏壇じまいや墓じまいをすることになったときも、スムーズに手続きを進めることができるでしょう。

魂の依り代でもあり、残されたものの心の拠り所でもある大切な仏壇ですから、跡継ぎがいないとはいえ、納得のいく方法で処分できると良いですよね。

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