子どもがいない・跡継ぎがいないお墓はどうする?今から考えたい供養の方法
跡継ぎがいないからといって、今すぐお墓や仏壇を処分する必要はありません。
しかし何も決めないまま放置すると、無縁墓になる可能性や、ご家族に大きな負担を残すことがあります。
跡継ぎがいない場合は、
・墓じまい
・仏壇じまい
・永代供養
を早めに検討することが、ご先祖様にもご家族にも安心につながります。
「生涯独身で、自分の後に仏壇やお墓を守れる跡継ぎがいない」
「実家に仏壇やお墓があるけど、遠方に住んでいて管理できる人がいない」
「子どもがいない」
「子どもはいるけれど遠方で継げない」
こういった悩みを持つ方は、近年とても増えています。
私は住職として約40年、数多くの墓じまいや永代供養の相談を受けていますが、実際に私たちのもとにも、
「跡継ぎがいないので墓じまいを考えています」
「仏壇をどうしたらいいかわかりません」
という相談が数多く寄せられます。
跡継ぎがいないことは決して珍しいことではありません。
以前は、先祖代々の仏壇やお墓を、子どもが跡継ぎとなって承継していました。しかし、生涯独身率が増加し続けている近年、仏壇やお墓の跡継ぎがいないことは非常に大きな問題となっています。※1
跡継ぎがいないからといって、すぐに仏壇やお墓を処分しなければならないわけではありません。ですが、何も決めないまま年月が過ぎると、お墓の管理ができなくなったり、ご家族や親族が困ってしまったりするケースも少なくありません。
私たちがお寺で相談を受ける中でも、「もっと早く相談してみればよかった」という声をよく耳にします。
だからこそ、元気なうちに供養の形を考えておくことが、ご先祖様への感謝にもつながります。
仏壇やお墓は開眼供養により、大切なご先祖様をお祀りする場所となります。
しかし跡継ぎがいないために、仏壇やお墓を何の手入れもしないで放置すると、ご先祖様を安心して供養できる環境ではなくなってしまいます。
そのため、跡継ぎがいない仏壇やお墓は、正しい方法で仏壇じまいや墓じまいをするのが望ましいのです。
大切なのは安易に処分したり放置したりせず、ご先祖様に感謝を伝えながら、今の時代に合った供養の形を選ぶことです。
この記事では、
・跡継ぎがいないお墓を放置するとどうなるのか
・墓じまい・仏壇じまいの手順
・永代供養という選択肢
・費用や注意点
をお寺の住職である私が、現場で実際に相談を受けてきた経験も交えながら分かりやすく解説します。
※1参照 厚生労働省「年齢階級別未婚割合の推移」
目次
- 1 跡継ぎがいないお墓はどうなる?放置するリスクを住職が解説
- 2 住職からお伝えしたいこと
- 3 私がお寺で印象に残っている相談があります
- 4 【跡継ぎがいない】仏壇じまい・墓じまいとは?
- 5 跡継ぎがいない方が選ぶ3つの供養方法
- 6 跡継ぎがいない方が永代供養を選ぶメリット
- 7 【跡継ぎがいない】仏壇じまいと墓じまいはどちらを先にする?
- 8 【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをするタイミングはいつ?
- 9 【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをする手順
- 10 【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをする4つの方法と費用
- 11 【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをするときの注意点
- 12 【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをしたあとの位牌はどうするの?
- 13 【跡継ぎがいないお墓】墓じまいをする手順
- 14 よくある質問 Q&A
- 15 お寺で実際にあった相談
- 16 まとめ
跡継ぎがいないお墓はどうなる?放置するリスクを住職が解説
「まだ元気だから大丈夫」「子どもたちが何とかしてくれるだろう」と思い、お墓や仏壇のことを後回しにしてしまう方は少なくありません。しかし、跡継ぎが決まらないまま何年も経ってしまうと、お墓を守る人がいなくなり、ご先祖様にも残されたご家族にも負担をかけてしまうことがあります。
ここでは、実際に起こりやすいケースをご紹介します。
無縁墓になってしまう可能性がある
お墓を管理する人がいなくなると、お墓は次第に荒れてしまいます。雑草が生い茂り、お墓参りをする人もいなくなれば、最終的には「無縁墓」と判断され、一定の手続きを経て撤去される場合があります。長年ご先祖様をお守りしてきたお墓が、そのような形になってしまうのは、多くの方にとって本意ではないでしょう。
お墓の管理費を払う人がいなくなるとどうなる?
寺院墓地や霊園では、年間の管理費が必要な場合があります。管理費を支払う人がいなくなると、お寺や霊園から親族へ連絡が入ることも。
その結果、「誰が支払うのか」「誰がお墓を管理するのか」で親族間のトラブルにつながることも少なくありません。
残された家族が困ってしまう
ご自身は「自分が亡くなった後のことだから」と思っていても、実際に手続きをするのは残されたご家族です。墓じまいや改葬には、お寺や霊園との相談、行政手続き、石材店との打ち合わせなど、多くの時間と手間がかかります。何も決めないままにしてしまうと、その負担を家族に残してしまうことになります。
行政によって撤去される場合もある
無縁墓となり長期間管理されない状態が続くと、墓地管理者が法律に基づいた手続きを行いお墓が撤去されるケースもあります。
これは非常にまれなケースではありますが、「誰も管理する人がいない」という状態が長く続けば起こり得ることです。
住職からお伝えしたいこと
元気なうちに考えることが、何よりの供養
墓じまいという言葉に、後ろめたさを感じる方もいらっしゃいます。しかし、墓じまいはご先祖様を粗末にすることではありません。
これから先も安心して供養が続けられるように、ご遺骨を永代供養墓や納骨堂などへお移しし、供養の形を整えるための前向きな選択です。
お寺でご相談を受けていると、「ご先祖様に申し訳ないから墓じまいはできない」と涙を流される方がいらっしゃいます。
しかし実際には、ご先祖様を大切に思うからこそ、これからも安心して供養が続いていく方法を選ばれる方がほとんどです。
墓じまいは「終わり」ではなく、新しい供養の始まりなのです。
私がお寺で印象に残っている相談があります
あるご夫婦が、「私たちには子どもがいないので、お墓をどうしたらいいでしょうか。」と相談に来られました。
話し合いをした結果、「子どもがいないから墓じまいをする」のではなく、「自分たちの代で責任を持って供養の形を整えておこう。そのために墓じまいをしましょう。」という結論になりました。
墓じまいをして、永代供養のお墓に先祖の遺骨を納骨し終えたあと、「これで安心して暮らせます」と笑顔で帰られた姿が今でも印象に残っています。
【跡継ぎがいない】仏壇じまい・墓じまいとは?
仏壇やお墓を引き継ぐ跡継ぎがいない場合や、子どもはいても、遠方に住んでいるなどで仏壇やお墓の跡継ぎになれない場合、仏壇じまいや墓じまいをするのが現実的です。
昨今、跡継ぎがいない仏壇やお墓について耳にする「墓じまいや仏壇じまい」とはどういうものなのか、
以上の2つに分けて解説していきます。
仏壇じまいとは
仏壇じまいは、これまで代々引き継がれてきた仏壇を、撤去・処分することです。
跡継ぎがいれば代々引き継がれていくものですが、跡継ぎがいない仏壇は将来的に放置されてしまうことになりますので、正しい方法で処分をする方が良いでしょう。
跡継ぎがいない方が選ぶ3つの供養方法
①墓じまい+永代供養
今あるお墓を墓じまいして、ご遺骨を永代供養のお墓に移します。
永代供養のお墓は1ヶ所に他の人のご遺骨をまとめて一緒に埋葬する合祀といったタイプと、樹木葬や納骨堂など個別の区画があり、そこに納骨するタイプがあります。
②納骨堂
屋内、あるいは屋外にロッカー形式であったり、仏壇のような形式の場所に遺骨を安置するタイプです。
屋内の場合、雨の時にでもお墓参りしやすいといったメリットもあります。
③樹木葬
以前は墓標としてシンボルとなる、大きな木の周りに遺骨を埋葬する方法を樹木葬と呼んでいましたが、現在では様々なタイプがありガーデニングを施した霊園の中にある永代供養墓をまとめて樹木葬と呼ぶようになってきている傾向があります。
基本的には期間契約で個別の場所に納骨することができ、契約の期間後は合祀のお墓に移されて供養が続くケースが多いです。
金額的に比較的負担の軽いものが多く、とても人気があります。
樹木葬についてはこちらもご覧ください【3万円からできる「樹木葬」」】
墓じまいとは
墓じまいとは、これまで跡継ぎが守ってきたお墓を撤去・解体して、お墓を建てていた区画の永代使用権をお寺や霊園に返還することです。
墓じまいをするとき、お墓の中に安置されていた先祖の遺骨は、別の場所に移動したり別の方法で供養したりします。
このように、現在のお墓から別のお墓や納骨堂に遺骨を移動させることは、「改葬」と言います。
墓じまいは、子どもがいない場合や子どもがいても遠方に住んでいる場合など、お墓の跡継ぎがいないために、維持・管理をすることが困難な場合におこなわれます。
墓じまいをした後、多くの方が選ばれているのが「永代供養墓」です。
永代供養であれば、お寺や霊園が将来にわたって供養を続けてくれるため、跡継ぎがいない方でも安心してお墓を任せることができます。
お住まいの地域から永代供養墓を探したい方は、こちらをご覧ください。
跡継ぎがいない方が永代供養を選ぶメリット
管理の負担が大幅に軽減される
一般的な墓の場合、お墓参りや清掃やメンテナンスなどがかかせません。永代供養にすれば、先祖代々の墓の維持・管理の手間がかからないのも大きなメリットです。
先祖代々の墓のある土地から遠方に生活している方、高齢の方やお体の健康がすぐれない方など墓参りに行くのが大変な場合もあるでしょう。
先祖代々の墓を墓じまいして永代供養にすることで、供養だけではなくお墓の清掃や管理も寺院や霊園側が行ってくれるので安心です。
無縁墓にならない
先祖代々の墓を永代供養にすると後継ぎがいなくても安心できます。
独身の方や子どもがいない夫婦、また子どもがいても他家に嫁いでしまった場合など、先祖代々の墓の後を継ぐ者がおらず、悩んでいる家は多いでしょう。
子どもに負担をかけない
一般的なお墓の場合、先祖代々からの檀家として菩提寺に年間管理料や護寺会費、寄付金など費用を払う必要があります。
先祖代々の墓を墓じまいすれば、今後、菩提寺に関する費用はかかりません。
永代供養にした場合、最初の契約時に管理費など必要な費用を払うため、その後、維持費といった費用はほとんど不要です。
お寺や霊園が供養してくれる
先祖代々の墓を永代供養にすることで、お墓の後継ぎがいなくてもお寺や霊園が永代にわたって供養と管理をしてくれます。
先祖代々の墓が無縁仏になる心配がなく、安心できるでしょう。
【跡継ぎがいない】仏壇じまいと墓じまいはどちらを先にする?
跡継ぎがいないためにおこなう仏壇じまいと墓じまいは、どちらを先におこなっても問題はありません。しかし、菩提寺がある場合は、どちらを先にするか菩提寺に相談した方が良いでしょう。
菩提寺とは、先祖代々のお墓があり、長くに渡り葬儀や法要をずっとお願いしてきたお寺のことです。
菩提寺に相談をせずに勝手に墓じまいや仏壇じまいをしてしまうと、礼を欠いたと思われ、心証を悪くしてしまいますので注意してください。
一般的には、仏壇じまいよりは墓じまいの方が時間や手間がかかると言われています。
跡継ぎがいないために同時期に仏壇じまいと墓じまいをおこないたい場合は、先に墓じまいをおこなった方がスムーズに手続きができるでしょう。
【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをするタイミングはいつ?
跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいするタイミングは、以下のようなときです。
- 実家じまいをするとき
- 墓じまいをするとき
- 仏壇の跡継ぎがいないとわかったとき
どのタイミングが最適かどうかは人によって違いますが、跡継ぎがいない仏壇をずっとお参りすることもなく放置するのは良いとは言えません。
跡継ぎがいないとわかった場合、適切な方法で早めに処分する方が良いでしょう。
【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをする手順
跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいする際の手順は以下のとおりです。
-
親族へ相談する
-
菩提寺に相談する
-
お寺で閉眼供養をする
- 仏壇を処分する
それぞれ解説していきます。
親族へ相談する
まずは兄弟姉妹や親族に相談しましょう。
仏壇はご先祖様をお祀りする大切な場所です。自分だけの判断で仏壇じまいを進めると、後から親族とのトラブルになることもあります。
「なぜ仏壇じまいを考えているのか」「今後どのように供養していくのか」を丁寧に説明し、理解を得ることが大切です。
菩提寺に相談する
菩提寺がある場合、跡継ぎがいないために仏壇じまいをしようと思っていることを相談しましょう。
墓じまいも考えている場合、同じタイミングで相談してみてください。
菩提寺に相談もせずに跡継ぎがいないからといって仏壇を処分してしまうと、思わぬトラブルに発展することもあると言われていますので、注意しましょう。
国民生活センターには、墓じまいや仏壇じまいで離檀するときに、高額な離檀料を請求されるトラブルも報告されています。※2
これまでお世話になった菩提寺ですから、トラブルにならないように、はじめは相談するといったカタチで話しを進めることが大切です。
突然仏壇を処分するのではなく、「跡継ぎがいないため仏壇じまいを考えています」と相談することで、閉眼供養の日程や今後の供養についてアドバイスをいただけます。
※2参照:独立行政法人国民生活センター「墓じまい 離檀料に関するトラブルに注意」
お寺で閉眼供養をする
仏壇は、本来、ご本尊様を祀る台のことを言います。毎日お寺のご本尊様にお参りすることが困難なために、仏壇を家の中に設置して、小さなお寺を作っているのです。
しかし、近年では、仏壇といえば「位牌を供養する場所」という認識を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
亡くなって仏様となった故人の位牌をご本尊様の横に並べて置いてあることも多くみられます。
仏教では、仏壇を購入した際に「開眼供養」をおこない、ご本尊様に魂入れをします。そのため、跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいする場合には、ご本尊様の魂を抜いて、魂がいない状態にする「閉眼供養」をお寺にお願いする必要があります。
跡継ぎのいない仏壇を処分する場合、引き取り業者によっては閉眼供養がおこなわれていないと引き取ってもらえない可能性もあります。
これまでの日常生活を見守っていただいたり、亡くなった先祖の成仏の手助けをしていただいたりした感謝の気持ちもこめて、最後にご本尊様に手を合わせてしっかりと閉眼供養をおこないましょう。
閉眼供養の場合にお供えする基本的な物は、「水・食べ物・生花・ろうそく・線香」です。
食べ物は、生ものは避け、生花はトゲのあるものや毒のあるものは避けましょう。
位牌の閉眼供養をおこなう費用は、約3〜10万円です。その他、家までのお車代として5,000〜1万円程度を包んでお渡しします。
なお、浄土真宗では開眼供養はおこないませんので閉眼供養をする必要はありませんが、代わりに遷仏法要をおこないます。
仏壇を処分する
跡継ぎがいない仏壇の開眼供養が終わったら、仏壇の中を整理して、次の章で解説する4つの方法のいずれかで処分することになると思います。
閉眼供養が終わった仏壇には魂はいないのですが、処分する前にはこれまでの感謝の気持ちをこめて、できる限り綺麗に掃除しましょう。
仏壇には、細かい引き出しがたくさん付いているものもあり、誰にも気付かれていない状態で引き出しの中に大切な書類や通帳などがしまわれている可能性があります。
必ずすべての引き出しを開けて、残ったものがないか確認して処分するように注意しましょう。
処分方法はお寺でお焚き上げとして引き取っていただけることもありますが、仏具店に相談したり、自治体の粗大ゴミとして出す場合はお住まいになっている自治体にご相談ください。
費用やサービス内容は異なるため、事前に確認しておくと安心です。
【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをする4つの方法と費用
跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいして処分する方法は以下の4つです。
【跡継ぎがいない仏壇】お寺で処分してもらう
跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいで処分する方法の1つ目は、「お寺で処分してもらう」です。
お寺で処分してもらう場合は、閉眼供養のあとそのまま引き取ってもらい、お焚き上げをお寺にお願いすることができます。
基本的にお寺に処分を依頼する場合は、菩提寺があれば菩提寺にお願いしますが、なければ檀家でなくても処分をしてくれるお寺にお願いすることになります。
お寺で処分してもらう場合はお布施というかたちで費用をお渡しすることになり、明確な金額がありませんが、相場としては約1万〜10万円となっています。
菩提寺がある場合、他の方法で処分してしまうと、トラブルになる可能性がありますので注意しましょう。
【跡継ぎがいない仏壇】仏壇・仏具店で処分してもらう
跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいで処分する方法の2つ目は、「仏壇・仏具店で処分してもらう」です。仏壇・仏具店では仏壇の処分に関する問い合わせも多く、ほとんどの仏壇・仏具店で引き取りをしてくれます。
仏壇の大きさによっても料金は変わりますが、費用相場は約1万5,000〜8万円です。多くの仏壇・仏具を取り扱っているということもあり、スムーズに手続きをしてもらえますが、買い替えなどでない場合は、費用が高くなりがちと言われています。
【跡継ぎがいない仏壇】専門業者に処分してもらう
跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいで処分する方法の3つ目は、「専門業者に処分してもらう」です。
遺品整理サービス業者や不用品回収業者など、仏壇を処分してくれる業者はあります。業者によって、サービス内容や料金は異なりますので、どんなサービスがあるかの確認や見積の確認はいくつかの会社を比較して決めましょう。見積とは大幅に違う料金を請求されてしまうトラブルなどが起きる可能性もありますので、見積額を超えて請求される場合はどんなときなのかについても、しっかりと確認しておくことが大切です。※3
※3参照国民生活センター「遺品整理をたのむときは、複数の事業者から見積を」
【跡継ぎがいない仏壇】自分で粗大ごみとして処分する
跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいで処分する方法の4つ目は、「自分で粗大ごみとして処分する」です。
閉眼供養をおこなったあとの跡継ぎがいない仏壇は、魂が抜けて、ただのモノになっていますので、自分で粗大ごみとして捨てることが可能です。粗大ごみを収集場所に出す場合は、仏壇を粗大ごみで捨てていることが人目に付きやすいので気になる場合は、直前に出すなど工夫してみると良いでしょう。
跡継ぎがいない場合にかかる費用の目安
| 内容 | 費用 |
|---|---|
| 仏壇じまい | 1〜10万円程度 |
| 墓じまい工事 | 20〜100万円程度 |
| 離檀料 | 3〜20万円程度 |
| 永代供養 | 5〜100万円程度 |
仏壇じまい
お寺に閉眼供養をお願いしたときのお布施と、お寺や業者に支払う費用。
墓じまい工事
お墓の大きさによっても異なってきます。墓地にあるなどを撤去して更地にする工事の費用です。
離檀料
今までお世話になっていたお寺へお渡しするお布施になります。
離檀料は必要ないとおっしゃられるお寺も多々あります。
永代供養
合祀のお墓に移したり、個別の区画がある永代供養墓に移すなど墓じまいをしたあとの遺骨の供養方法で異なってきます。
【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをするときの注意点
跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいする場合は、必ず親族に相談・確認をするようにしましょう。
仏壇は、親族にとっても大切な兄弟・姉妹やご先祖様をお参りする場所でもあります。
跡継ぎがいないとはいえ、何も相談せずに仏壇じまいをしてしまうと、親族の心の中にぽっかりと穴を開けてしまい、仲違いをしてしまう可能性も。
跡継ぎがいない場合の仏壇がどうなるのかしっかりと親族に説明し、同意を得て、スッキリとした気持ちで仏壇じまいをおこないたいですね。
【跡継ぎがいない仏壇】仏壇じまいをしたあとの位牌はどうするの?
位牌は「開眼供養」をおこなって呼び寄せた、故人の魂の依り代です。
跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいしたあとの位牌は、以下のような方法で処分または安置しましょう。
それぞれ解説していきます。
永代供養をしてもらう
跡継ぎがいなくて仏壇じまいをしたあとのご位牌は、お寺の位牌堂で永代供養をしてもらうという方法があります。
位牌堂とは、納骨堂のように遺骨を収蔵して供養する場所とは異なり、位牌だけを供養する場所のことです。位牌堂で安置された位牌は、跡継ぎがいない場合でも、あらかじめ決められている期間が終了したあとにお焚き上げされるのが一般的です。
跡継ぎがいないために仏壇じまいしたものの「もうしばらくは故人やご先祖様の位牌をお参りしたい」「位牌をお参りしたいけれど家には置いておけない」という場合は、位牌の永代供養がおすすめです。
お寺でお焚き上げをしてもらう
跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいしたあとの位牌は、お寺でお焚き上げしてもらうという方法もあります。
お寺でお焚き上げをしてもらう場合、閉眼供養をおこなったあとそのままお焚き上げしてもらうことになります。お焚き上げは、大切なものを火で清め、供養する儀式です。
もしも、跡継ぎがいないために、ご位牌を処分することに対してなんらかの罪悪感などを持たれている場合などは、お焚き上げで清められることで、気持ちも緩和されるのではないでしょうか。
自宅で安置する
跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいしたあとの位牌は、自宅で安置するという方法もあります。
ご自宅に位牌を置くスペースがあれば、自宅で安置してお参りすることで、ご先祖様も喜ばれることでしょう。しかし、自宅で安置する場合、跡継ぎがいない状態でご自身になにかあったとき、他の方法で位牌を供養することが難しくなる可能性も考えられます。
自宅で位牌を安置される場合でも、跡継ぎがいない場合には、いずれ永代供養にするかお墓でお焚き上げをしてもらうことになるでしょう。
【跡継ぎがいないお墓】墓じまいをする手順
跡継ぎがいない仏壇と一緒に、跡継ぎがいないお墓を墓じまいする手順は以下の通りです。
手順1:お寺や霊園に相談
手順2:遺骨を移す先を探す
手順3:石材店で見積をする
手順4:役所で改葬許可をもらう
手順5:閉眼供養をしてもらう
手順6:遺骨の移動をする
手順7:墓石を撤去してもらう
墓じまいについての詳しい内容は【保存版】墓じまいマニュアルー墓じまいをするならこれで完璧ーの記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
跡継ぎがいないために墓じまいをするときも、跡継ぎがいなくて仏壇じまいをするときと同様に、必ず親族と相談し、同意を得てから手続きに取り掛かりましょう。
墓じまいは手順が多く大変だと感じる方は代行業者にお任せすることもできます。
代行業者について詳しくは、「墓じまいを代行業者に依頼する流れとは?選ぶポイントも説明します!」の記事で解説していますので合わせてご覧ください。
跡継ぎがいない方が今すぐやるべき3つのこと
①親族と話し合う
②菩提寺へ相談する
③永代供養を比較する
よくある質問 Q&A
Q: 子どもは娘だけなのですが、墓じまいはした方がいいのでしょうか?
A: お子さんが娘さんだけというご家族はたくさんあると思います。それだけの理由で墓じまいを考える必要はありません。
女性がお墓を継ぐことには何の問題もありません。宗教的にももちろん法律的にも。
将来を考えてお子様の負担になるのを避けたいと思うのであれば、墓じまいは考えの一つとしてあげることができます。
Q: 跡継ぎがいなくても永代供養なら安心ですか?
A: 今あるお墓を墓じまいするのは時間や費用もかかり、簡単なことではありません。
ですが後継がいなくなってしまうお墓を永代供養にしておくことで無縁仏になることがなく、お寺や霊園が供養を続けてくれるので基本的には安心していただいていいと思います。
Q: 墓じまいしないと罰が当たりますか?
A: 仏様が罰を当てることなどありません。
ただあなたが存在しているのは、ご両親はもとよりご先祖さまがいたからこそです。
そういったご先祖様をしっかり供養することで、あなた自身の心も平穏が保てるのではないでしょうか。
Q: 墓じまいをしないとどうなりますか?
A:墓じまいをせずにお墓を管理する人もなく放置されていたお墓は「無縁墓」となります。霊園や寺院墓地ではなく、共同墓地などにある無縁墓は手入れされることなく荒れていきます。
無縁墓は所定の条件(一定期間の管理料の未納や官報への公示)を満たすことで管理者によって強制的にお墓を撤去することができるようになります。
この撤去にかかった費用は墓地の名義人やその相続人に対して請求されることもあります。また取り出された遺骨は引き取りを要求されるか合祀墓に移され、他の方と合葬されてしまいます。
Q: 墓じまいをする予定ですが、仏壇だけ残してもいいのでしょうか?
A: もちろん残して構いません。お墓はなくなっても位牌の置いてある仏壇にお線香をあげ手を合わせることは、とてもいい供養になります。
Q: 墓じまいにかかる費用はどのくらいですか?
A: 一概にどのくらいということはできません。
まずお墓の撤去にかかる工事費、お寺へのお布施や離檀料、遺骨を移す先にかかる費用などが主にかかってくる費用です。
詳しい情報はこちらの記事にもまとめています。ぜひご参考になさってください。
【まるわかり】永代供養と墓じまいの違い。かかる費用内訳も解説
Q: 永代供養と納骨堂の違いは何ですか?
A: 永代供養とは、お寺や霊園が永代にわたって供養を続けてくれる供養の方法のことで、納骨堂とは遺骨を収める、ある意味「お墓」の種類のことです。
なのでこの二つの言葉は違いというよりも、お互いが比べる対象ではありません。
納骨堂は永代供養のお墓であることが多くなっています。
納骨堂の詳しい解説はこちらをご覧ください
Q: 墓じまいをした後もお墓参りはできますか?
A: 墓じまいをしても、もとのお墓にあったご遺骨が埋葬されている場所があればお墓参りできます。
合祀のお墓の場合は納骨されている場所に立っている仏様や塔に向かい手を合わせます。個別の区画がある永代供養墓であれば、そこに花を手向けたりお線香を供えることができたりすることもあります。
もちろんですが、海洋散骨などで撒いてしまった場合はお墓がないので、お墓参りはできません。
Q: 独身でも永代供養は申し込めますか?
A: もちろん申し込めます。両親のお墓があり、ご自分にもしものことがあったらお墓をどうしようかとお悩みの方はたくさんいらっしゃいます。
生前でも申し込むことができることがほとんどです。ぜひ相談してみてください。
Q: 墓じまいは生前でもできますか?
A: できます。自分が亡くなったあと後継がいない場合、ご先祖様の供養をしっかり続けていくために、生きているうちに墓じまいをして永代供養墓に移る選択をする方は増えています。
Q: お墓の後継は親族でなくてもできますか?
A: 法律上は何ら問題なく、親族以外の方が継いでも構いませんが、お寺や霊園によっては親族に限ると規定を設けているところがあります。
親族以外の方の場合、信頼できる方とはいえやはり他人ですので、トラブルになるとご自分のご先祖様の供養ができなくなってしまうこともあるので慎重に考えることをお勧めします。
お寺で実際にあった相談
「子どもに負担をかけたくない」というご夫婦の決断
「子どもがいないから」ではなく、「息子に負担を残したくないから」と、ご夫婦で何度も話し合い、墓じまいと永代供養を選ばれた方がいました。
息子さんはご両親に対して、「大丈夫だよ、ずっとやってきたんだし、好きだったお爺ちゃんとお婆ちゃんの遺骨もあるんだし。」と言ってくれていたそうです。
でも自分たちが苦労とは思わずにやってきたけれど、それなりの金額的負担など考えると、申し訳ないとおっしゃっていました。
手続きが終わり永代供養墓に納骨が済んだ後、「これで肩の荷が下りました。本当に安心しました」と涙ぐみながら話された姿が、今でも忘れられません。
「娘しかいないので申し訳ないと思っていました」というご夫婦
子どもは娘さんが二人。どちらも結婚をして姓も変わっています。一人は比較的近いけれど、もう一人は車で3時間かかる距離。
旦那さんのお父さんからのお墓がありました。
娘さんに継いでもらうことができるとは知ってはいるけれど、嫁いだ先のこともあるし、継がせるのは申し訳ないと考えていたそうです。
どうしようかご夫婦で話していた時に、奥様から「永代供養にするのはどう?」と相談されて、そのあとインターネットで少し調べた後にお寺に相談に来られました。
各家庭にそれぞれの事情があり、お墓を継ぐことができない状況になるのは全く珍しいことでも、悪いことでもありません。
ご先祖様のこと、そして自分たちの供養をどういった形で続けていけるのか考えた時に、永代供養という選択をするのに何の引け目を感じることはありません。
まとめ
跡継ぎがいない仏壇を仏壇じまいしたり、跡継ぎがいない墓を墓じまいしたりするのは、代々守ってきたご先祖様に申し訳ないと思う気持ちがあるかもしれません。
しかし、今後、跡継ぎがいない仏壇やお墓を放置してしまうことで、誰からも供養されることなく処分されてしまう可能性もあります。
仏壇やお墓の跡継ぎがいないとわかった時点で、早めに仏壇やお墓のことについて親族や家族と話し合っておくと、いざ仏壇じまいや墓じまいをすることになったときも、スムーズに手続きを進めることができるでしょう。
魂の依り代でもあり、残されたものの心の拠り所でもある大切な仏壇ですから、跡継ぎがいないとはいえ、納得のいく方法で処分できると良いですよね。
また跡継ぎがいないからといって、ご先祖様への想いまでなくなるわけではありません。むしろ、これから先も安心して供養が続くように、ご自身の代で仏壇じまいや墓じまいを考えることは、ご先祖様への大切な責任ともいえるでしょう。
一人で悩まず、ご家族や親族、お寺と相談しながら、ご自身に合った供養の方法を選んでください。
みんなの永代供養スタッフ、吉田より
「跡継ぎがいないのでどうしたらいいかわからない」
「自分の場合は墓じまいが必要なのだろうか」
そんな方は、一人で悩まず、お近くのお寺や霊園へ相談してみてください。
「みんなの永代供養」では、全国の永代供養墓を地域別に探すことができます。ご自身に合った供養の形を見つけるために、ぜひご活用ください。
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