お墓のお役立ちコラム

先祖代々のお墓を、墓じまいしても大丈夫?

 

「田舎に先祖代々のお墓があるけれど、管理ができない」
「先祖代々のお墓が、ほったらかしになってる」
「先祖代々のお墓があるけれど、後を継ぐ人がいない」

先祖代々のお墓について、こういった悩みを持っているけれど、どうしたらいいのかわからないといった方がいるのではないでしょうか。

少子高齢化や核家族化、生活スタイルの多様化などで、先祖代々の墓を守り受け継いでいくことが困難になってきています。そうしたことから、先祖代々のお墓を墓じまいして、永代供養墓に改葬する方が増えてきています。

今ある先祖代々のお墓から遺骨を取りだして、別の場所へ移して供養をすることを「改葬」といいますが、この改葬にはいくつかの方法があります。

今回のコラムでは、先祖代々のお墓を墓じまいして永代供養墓に改葬する方法や、それを行う手順などを詳しく解説していきたいと思います。

 

墓じまいとは

墓じまいとは、今まで使っていた先祖代々のお墓から遺骨を取り出し、墓石や囲いなどを撤去して更地に戻すことです。

お墓の土地は(家の敷地内にあるお墓を除いて)個人で所有しているのではなく、お寺や霊園の土地を借りて建てています。ですから、使用しなくなったときにはもとに戻さなくてななりません。

そしその後「改葬」といいますが、遺骨をあたらしいところで、しっかり供養することが大切です。

先祖代々のお墓を墓じまいしないとどうなるの?

先祖代々のお墓を継承して管理する人がいなくなってしまい、そのまま放置されているお墓のことを「無縁墓」といいます。その無縁墓に安置されている遺骨は「無縁仏」になってしまいます。

無縁墓となってしまったお墓は手入れがされず荒れていってしまいますが、お寺や霊園にあるそういった無縁墓は、一定の手続きと期間が過ぎると強制撤去されてしまうことになります。

撤去された遺骨は無縁仏として、合祀のお墓に移されてしまいます。

最近では改葬も墓じまいもされず、何年もお参 りの形跡のない無縁墓の増加が社会問題となっ ています。 熊本県人吉市では、2013年に市内の全995カ 所の墓地を調査したところ、4割以上のお墓が 無縁化し、中には8割以上が無縁墓になってい る墓地がありました。(参照:国民生活センター記事 https://www.kokusen.go.jp/pdf_dl/wko/wko-202008.pdf

先祖代々のお墓を墓じまいした方がいい方

現在、先祖代々のお墓があって、そこを自分や子どもたちも利用していくから永代供養は関係ないし、先祖代々のお墓を墓じまいしてわざわざ永代供養墓に移す必要はないという方はもちろんいらっしゃいます。

それでは、どういった方が先祖代々のお墓を墓じまいをして永代供養にしたほうがいいのか解説していきます。

先祖代々のお墓を継ぐ人がいない方

子どもがいない、独身といったことで先祖代々のお墓を自分の後、継承していけない場合は墓じまいを考えてもいいでしょう。

墓じまいするためにはいろいろ考えたり相談したり、事務的な手続きなども出てきます。まだ元気なうちに先祖代々のお墓が無縁墓、無縁仏にならないように早めに動いておくことも大事です。

先祖代々のお墓があるところからは、遠く離れたところで生活をしている方

先祖代々のお墓からは離れたところに生活の基盤があり、将来戻る予定がない方は墓じまいをして永代供養墓に改葬した方がいいかも知れません。

現在生活しているところに自分や家族のお墓を建てて、先祖代々のお墓は墓じまいして永代供養することによって、双方の供養がしっかりできることになります。

先祖代々のお墓の供養を続けていくのが難しい方

先祖代々のお墓からは離れたところに生活の基盤がある方は、お墓参りに行くことで体力的だけでなく、行くまでの交通費や宿泊費など、金銭的にも大きな負担がかかることがあります。

そういった場合は先祖代々のお墓を墓じまいして永代供養にして、お寺や霊園にある程度の供養をお願いした方が楽になります。またそうすることによって、安心することができます。

先祖代々のお墓のことで、子どもや子孫に負担をかけたくないと考える方

先祖代々のお墓がある場合、それはその家の子どもが後継ぎをしていくのが当たり前といったことが以前の風潮でした。でも生活スタイルの多様化や少子化などで、そういった考えもだんだん薄れてきています。

先祖代々のお墓を継ぐことによって出てくる様々な負担を、子どもには掛けたくないと思う方もいます。

この場合気をつけていただきたいのは、子どもなどお墓を継ぐ立場の人は負担とは考えず、むしろしっかりと先祖代々のお墓を継いでいきたいと思っていたり、将来自分たちが入るお墓のことを心配する必要がないから、むしろあってよかった、と考えているかもしれないといったことです。

先祖代々のお墓を墓じまいすることを考えた時は、じぶんひとりで決めてしまわずに、必ず周囲の家族や親族に相談しましょう。

今のまま先祖代々のお墓を墓じまいしなくてもいい方

先祖代々のお墓を自分の代で墓じまいして永代供養にするのは、気持ち的に抵抗を感じることがあると思います。

先祖代々のお墓を大事に考え、供養や管理は自分たちでしっかり守っていきたいと思われる方も多いでしょう。これからも無理をすることなく先祖代々のお墓を継承していけるなら、わざわざ墓じまいをすることはありませんね。

永代供養のメリット

先祖代々のお墓を墓じまいして永代供養にすると、どんなメリットがあるのでしょう。

お墓の後継ぎがいなくても安心できる

先祖代々のお墓を墓じまいして永代供養墓にすることで、この先ご先祖様の遺骨は誰がどうやって供養、管理をしていくのだろうという不安がなくなり安心できます。

個別で遺骨を安置するタイプの永代供養のお墓なら、お墓の後を継ぐひとがいなくても、契約期間中は他の方と一緒に合祀されることなく個別で供養やお墓の管理をしてもられます。

お墓にかかる費用が抑えられる

永代供養のばあい、そこにかかる管理費などは初めの契約時にほとんどを支払うため、そういった維持費がほとんどかかりません。購入費用も従来のお墓に比べて、とても安く済ませられることが多いです。

無縁仏にならない

先祖代々のお墓を墓じまいして永代供養墓にすることで、その遺骨は永代に渡って供養されます。だれが管理、供養しているのかもわからない寂しい無縁仏になってしまうことがありません。

宗旨や宗派関係なくお願いできる

先祖代々のお墓は〇〇宗のお寺にあった、という場合。永代供養であれば他の宗派のお寺にある永代供養墓でも、宗派に関係なく利用できることがほとんどです。

 

永代供養のデメリット

それでは先祖代々のお墓を墓じまいして永代供養にすると、どんなメリットがあるのでしょう。
ただ、デメリットといってもしっかり認識することと、手順を踏んだりすることで回避できることがほとんどです。

家族や親族とトラブルになることがある。

家族や親族の中には先祖代々のお墓を大事にしたいと考えている方や、そのお墓を心の拠り所としている方がいるかもしれません。
墓じまいするとき、自分一人だけの考えで行ってしまうと、そういった方とトラブルになってしまうことがあります。

先祖代々のお墓を墓じまいするときには、家族や親族に相談してしっかり了解をとっておくことがとても大事です。

合祀にするとあとで遺骨を取り出せない

先祖代々のお墓を墓じまいした後も、なにかしらのかたちで改葬をしなければなりません。
ここで合祀のお墓を選んで永代供養をすると、後になって新しいお墓を作ったからご先祖様の遺骨も一緒に供養したいと考えても、遺骨を戻すことはできません。合祀する場合はしっかり考えるようにしましょう。

契約期間満了後は合祀のお墓に移される

先祖代々のお墓を墓じまいして、個別の区画に遺骨を安置できる永代供養墓を選んでも、決まった期間が終わると合祀のお墓に移されます。もちろんその後もしっかりと供養はされますが、そこをきちんと認識しておきましょう。

先祖代々のお墓を墓じまいする手順

先祖代々のお墓を墓じまいすると、どんなメリットやデメリットがあるのかをしっかり認識できて、実際に墓じまいに向けて動くときはどんな手順があるでしょう。順をおって解説いたします。

先祖代々のお墓を墓じまいすることを家族や親類など、身内に相談する

先祖代々のお墓を墓じまいをするときは、まず身内に相談しましょう。自分ひとりで決めてしまうと後になってトラブルになることが非常に多いです。

遺骨の改葬先を決める

先祖代々のお墓には複数の遺骨が入っていることが多いです。墓じまいをした後、どういった形で供養を続けていくのか改葬先を決めなければなりません。改葬先としては以下のような方法があります。

新しくお墓を建てる

ご自分の住まいの近くのお寺に檀家として入り、新しくお墓を建ててそこに先祖代々の遺骨を移す方法です。

永代供養のお墓に改葬する

先祖代々のお墓を墓じまいをした後は、永代供養のお墓に改葬するケースが最も多いです。
永代供養には樹木葬、納骨堂などがあります。

先祖代々のお墓を墓じまいして永代供養墓に引っ越しする方法は、こちらのコラムをぜひお読みください。

墓じまいして永代供養墓に引っ越しする方法と費用を徹底解説

先祖代々のお墓があるお寺や霊園に相談する

特にお寺にあった先祖代々のお墓を墓じまいすることを考えた時は注意してください。

まずは今までお世話になってきたことを感謝し、どうして先祖代々のお墓を墓じまいすることを考えたのかを、しっかりと誠意を持って相談しましょう。とつぜんお寺に行き、もう決まったこととして墓じまいすることを伝えるとお寺としても気分のいいことではなく、そのあとトラブルになることもあります。

行政上の各手続き

先祖代々のお墓がある地域の自治体から「改葬許可申請書」を発行してもらい、お寺や霊園にも署名や捺印をもらいます。
その後、改葬先の「受入証明書」と先ほどの「改葬許可申請書」を自治体に提出して
「改葬許可証」を発行してもらいます。

墓じまいの依頼

先祖代々のお墓を墓じまいするには、そこにある墓石等も撤去しなければいけません。
これらの作業は個人ではできませんので、石材業者にお願いすることになります。

お寺や霊園によっては指定の業者がいることがありますので、確認するようにしましょう。
自分で探す場合は2、3の業者に、必ず見積もりを出してもらうようにします。

まとめ

先祖代々のお墓をしっかりと守っていくのはとても大切なことです。しかし、生活の形態や家族の在り方が多様化してきた現代では、それを続けていくのが困難になってきてしまうケースが増えてきているのも確かなことです。

先祖代々をしっかり供養していきたいからこそ、墓じまいするのも決して悪いことではありません。

何にもできないまま先祖代々のお墓を放っておくよりも、墓じまいをするにはいろいろと面倒くさい手続きなどもありますが、少しづつすすめていけば難しいことではありません。後悔する前に考えてみるのはいかがでしょうか。

「みんなの永代供養」では墓じまいについてのご相談や、ご質問を受け付けています。
どうぞ遠慮なく、お問合せください。

また先祖代々のお墓の墓じまいを考えたとき、改葬先はどこがいいのか「みんなの永代供養」がきっとあなたのお役に立てると思います。ご先祖様のために安心できる永代供養墓をぜひこちらから探してみてください。

 

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