永代供養墓を知ろう! 「永代供養」の意味やさまざまな永代供養墓の特徴をわかりやすく解説
近年、少子高齢化や家族のライフスタイルの変化によって、従来の先祖代々のお墓を継承しつづけていくのが難しくなってきました。
そんな中、お墓の選択肢としてよく挙げられるのが「永代供養墓」です。
永代供養墓は、現代の家族のカタチに合ったお墓のスタイルとして、いま注目を浴びています。
この記事では、永代供養墓ということばを知らない方でもどんなお墓なのか理解できるよう、永代供養墓の意味や種類、特徴について、わかりやすく解説していきます!
目次
永代供養墓ってなに?
「永代供養墓(えいたいくようぼ)」とは、お墓の継承者に代わって、お墓のあるお寺や霊園が供養・管理を行ってくれるお墓のことです。
身寄りがなく、お墓の継承者がいない場合や、お墓を継承したご家族がさまざまな理由でお墓参りや管理ができない場合でも、供養の行事やお墓の清掃・メンテナンスなどの心配がなく、たいへん便利なお墓の形だといえるでしょう。
永代供養墓はなぜ必要?
永代供養墓は、とくにこのような方々から注目を集めています。
- 配偶者がいない、子孫がいないなどの理由で、お墓を継承できる人がいない。
- 家族・親戚と疎遠で、お墓の継承を任せられない。
- お墓を継承できる子孫はいるが、遠方に住んでいて、定期的にお墓参りや管理を行うのが難しい。
- 家庭の事情で、一族のお墓には入りたくない。または、自分たち夫婦だけのお墓がほしい。
- 子どもにお墓の管理のことで、心配や負担をかけたくない。
- 立派なお墓を建てるより、子孫にその分お金を残してあげたい。
- 大切なペットの近くで眠りたい。
永代供養墓の特徴
遺骨安置方法
永代供養墓には、まず期限を決めて個別にご遺骨を安置し、使用期間が過ぎたあとに合祀墓に移されるタイプと、最初からほかの方のご遺骨と一緒に合同墓に納骨する、合祀専用タイプがあります。
個別安置型の場合、合祀までの使用期間は契約によってさまざまです。
数年で合祀と短いものもありますが、通常は33回忌までのところが多いです。
他にも17回忌、50回忌までというお墓もあります。
霊園によっては、延長使用料を支払えば、使用期間が過ぎたあとも個別安置の延長ができるところもあります。
また、施設によっては、ペットの遺骨といっしょに納骨できるお墓や、同じ敷地内にペット専用の供養墓があるところもあります。
ペットは今や、大切な家族の一員。愛するペットの近くで眠りたいと考える人が増えていることがうかがえます。
永代供養墓の費用
永代供養墓にかかる費用の例には、次のようなものが挙げられます。
- 納骨料 …… ご遺骨を納骨する際に、お経をあげてもらうための費用。
- 永代供養料 …… お墓の供養や維持管理をしてもらうための費用。
- 墓誌代・刻字料 ……
故人様の戒名や本名、没年月日などを彫刻する墓誌や石碑の購入費用と、そこに彫刻を施してもらうための費用。
合計費用の目安は、合祀専用型であれば10~30万円、屋内の納骨堂や集合型の永代供養墓であれば10~100万円、一般墓と同じような通常のお墓であれば100万円~といったところです。
永代供養墓の由来
永代供養墓がいつから歴史に登場したのかは、はっきりわかっていませんが、その原型は江戸時代から存在していたようです。
ただ、江戸時代のお墓のシステムは「檀家制」をとっていました。
お寺の近くに住む人々がお寺の檀家になり、そのお寺にお墓を建てます。
その後は毎年お布施を支払って、供養・管理をしてもらうという形です。
したがって、離檀(=檀家をやめる)してしまえば、お墓は維持してもらえなくなり、現代主流になっている合祀墓に移す形とは異なっていたようです。
現代の永代供養墓の始まりは、1985年に比叡山延暦寺が管理している霊園に作られた「久遠墓(くおんぼ)」だといわれています。
こちらは合祀ではなく、お墓ごとにご遺骨を個別安置する個別墓です。
その後、1999年に墓地、埋葬等に関する法律が改正され、一度納骨したご遺骨を別のお墓に移す「改葬」の手続きが簡略化されたことから、お墓を永代供養墓へ切り替える方が増えていきました。
「永代供養」と「永代使用」の違い
お墓を探していると、よく見かける言葉に「永代使用」がありますが、これは永代供養とはまったく意味が異なります。
永代使用とは、「そのお墓がある土地を永代にわたって使用すること」を指します。
永代使用料、つまり墓地の使用料を支払って手続きをすれば、そこにお墓を建て、一族で継承していくことができます。
一方、「永代供養」は土地の使用に関する意味は含まれず、お寺や霊園にお墓や遺骨の供養をお願いすることですから、混同しないように気をつけましょう。
永代供養墓と一般墓との比較
今や、お墓や故人様の供養の仕方は、本当にさまざまです。
永代供養墓と、先祖代々継承していく一般のお墓を比べた場合、どのようなメリット・デメリットがあるかをご紹介します。
ご自分やご家族の状況をかんがみて、どんなお墓がふさわしいかを考えるときの参考にしてくださいね。
メリット
- 管理費用が抑えられる
個別墓として使用中は年間管理費を支払う必要がありますが、合祀されたあとは基本的に管理費がいらないところが多いです。
そのため、一般墓のように継承した子孫の方が管理費を払い続ける必要がなく、金銭的な負担を減らすことができます。
- お墓参りやお墓の維持管理のための体力的負担が減る
永代供養墓はお寺や霊園がお墓の供養・管理を行ってくれますので、定期的にお墓参りをして清掃などを行う必要がなく、行きたいと思ったときのみお墓参りに行けばよいです。
ご家族が遠方に住んでいるなどの場合は、この点はとくに大きな魅力になるでしょう。
- お墓の建設必要が不要
新しくお墓を建てるとなると、墓地の使用料(永代使用料)や墓石代などがかかり、かなり高額になります。100万円~500万円以上するお墓もあります。
合祀型の永代供養墓を選べば、建設費用はかからず、納骨の費用だけですみます。10~30万円程度になるところが多く、費用をかなり抑えられます。
- 継承問題でトラブルが起きることがない
代々お墓を継承していく上で、家族間でトラブルが起きることもよくあります。
永代供養墓であれば、供養・管理の心配がないので、誰がお墓を継承するかで子孫がもめることもありません。
- 宗旨・宗派を問わないお墓が多い
永代供養墓のある霊園では、特定の宗旨・宗派をもたないところや、寺院墓地であってもお寺の宗派と異なる方のご遺骨も受け入れているところも多いです。
また、国籍や宗教を問わず納骨できる施設もあります。
自分の家族の宗教や宗派にこだわらず、広い選択肢から選ぶことができるのが魅力です。
デメリット
- ご家族の理解を得られないことがある
お墓の継承に関しては、さまざまな考えをもった方がおられます。
ご家族が先祖代々受け継いでいくお墓のスタイルを重んじる方の場合は、反対されてしまったり、いざ納骨する段になってからトラブルに発展する場合もあるでしょう。
これを防ぐためには、事前によく話し合い、ご家族の理解を得ておくことが肝要です。
- 合祀された後はご遺骨を取り出せない
合祀型の永代供養墓でない限り、最初は納骨から何年と使用期間を決めて、個別安置することになります。
この使用期間が過ぎると、ご遺骨はほかの方の遺骨とまとめて合祀されてしまいますので、あとでご家族が別のお墓に移したいと希望されても、取り出すことができません。
- お墓参りの際にプライベートな時間を持つのが難しい
ご遺骨が合祀された後にお墓参りに行く場合、ほかの方と同じ合祀墓に手を合わせることになります。
家族水入らずのプライベートな時間は、一般のお墓より持ちにくくなるかもしれません。
永代供養墓の種類
永代供養墓には、さまざまな種類があります。
大きく分けて、屋外にあるお墓と、屋内にあるお墓があります。それぞれ、以下のような種類が含まれます。
屋外の永代供養墓
- 一般墓と同じ形のお墓
- 納骨壇 …… 石で作られた大きな棚にご遺骨を安置する、集合型のお墓。
- 納骨塔・合祀墓 ……
石で作られた仏像やモニュメントの内部にご遺骨を安置するタイプ。合祀専用型であることが多いです。
屋内の永代供養墓(納骨堂)
- 仏壇型(霊廟型) ……
区画ごとに備えられた小型の仏壇の下部にご遺骨を安置。スペースが広くとられていて、ご夫婦やご家族で使用することも可能なところが多いです。 - ロッカー型 ……
ロッカーのような収容棚の中にご遺骨を安置します。お参りの際は、ロッカーの前か、共同スペースで行うことが多いです。 - 位牌型 ……
ひな壇などに、戒名を記した位牌のみを並べるタイプです。スペースが少ない分、費用が抑えられます。
ご遺骨は別の場所に安置することが多く、お参りの際は位牌に向かって手を合わせます。 - 自動搬送型 ……
コンピューター制御された近代的な納骨堂で、専用のICカードをかざすと、故人様のご遺骨が参拝者の前に運ばれてくる仕組みです。
お参りのためにプライベート区画が用意されていることも多く、落ち着いてお参りできます。
また、セキュリティ性が高いことも魅力の1つです。 - 神棚型 …… 神道式の納骨堂。
永代供養墓を選ぶ際のポイント
永代供養墓を選ぶ際には、以下のような点が重要なポイントになります。
これらを考慮して、ご自分に合ったお墓を選びましょう。
- 納骨予定人数
お一人ごとにご遺骨を納める場合は、合祀墓や、ロッカー型、位牌型などが適しています。
ご夫婦、ご家族といっしょに個別安置を希望する場合は、2人以上納骨可能なお墓を選ぶ必要があります。
- 立地とアクセスのしやすさ
お墓参りの際に重要となるのが立地です。
公共交通機関を使う場合はどの駅から徒歩何分で行けるか、お車の場合は駐車場があるかなどを必ず確認しておきましょう。
- 費用
納骨時の費用が合計いくらになるのか、資料請求をして確認しましょう。
また、年間管理費やお布施、付け届けなど、納骨後に必要となる費用についてもしっかり見ておくことが大切です。中には合祀された後もこれらの費用が必要となる施設もあります。
「みんなの永代供養」では、永代供養墓のある施設を検索すると、そのまま各施設へ資料請求ができますよ。
- お寺・霊園の宗派や考え方
気に入った施設があっても、宗教や宗旨・宗派の制限で納骨できないといったことがないよう、事前に情報収集しておきましょう。
また、お墓を契約すると、ご本人はもちろん、ご家族もそのお寺や霊園と長きにわたってお付き合いしていくことになります。
その施設がどんな思いで運営されているのか、自分は共感できるかなども、永代供養墓を選ぶ際の重要なポイントになります。
まとめ
現代では、少子高齢化や、それにともなう家族のライフスタイルの変化によって、後継者を必要とせず、また子孫の金銭的・体力的負担をおおきく減らせる永代供養墓の人気は、どんどん高まっています。
この記事で解説した、永代供養墓の特徴や、メリット・デメリットをよく理解して、最適なお墓を選びましょう!
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こちらの記事も参考になります。ぜひご覧ください!
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