永代供養料の封筒の書き方は?表書きからお布施との違いまで解説
近年、よく耳にするようになった永代供養。
しかし、永代供養はまだ新しい供養方法のため、従来のお墓と同じ風習で良いのかどうか気になるのではないでしょうか。
特に、「永代供養料の封筒の書き方がよく分からない」という悩みをよくお聞きします。
永代供養料を渡す機会は人生の中でそう多くはありません。
そのため、封筒の書き方に迷ってしまう方も多いのでしょう。
このコラムでは、永代供養料を渡す際の封筒の選び方や書き方について、分かりやすく解説しています。
さらに、永代供養料の封筒を渡すときの注意点や永代供養料の費用相場についてもお伝えしますね。
永代供養料の封筒の書き方についてお悩みの方は、ぜひ本コラムを参考にしてください。
目次
永代供養料の封筒の書き方
それでは、さっそく永代供養料の封筒の書き方について説明します。
封筒の書き方ひとつで印象が変わりますよ。
≪永代供養料の封筒の書き方≫
書き方①~⑦に沿って、順に解説していきますね。
永代供養料の封筒の書き方①選ぶ封筒
まずは封筒選びからです。
間違った封筒を使っては、いくら正しい書き方を知っていても意味がありません。
永代供養料を入れる封筒は以下の条件を満たす封筒を選んでください。
≪永代供養料の封筒の条件≫
- 白無地
- 郵便番号欄が印刷されていない
- 水引がない
永代供養料の封筒は、白無地で郵便番号欄が印刷されていない封筒を用意しましょう。
さらに、基本的には水引きのないものが望ましいです。
しかし、水引のない封筒が用意できない場合は、黒白または黄白の水引であれば構いません。
永代供養料の封筒の書き方②金額の書き方
金額の書き方にも注意が必要です。
金額は算用数字や漢数字ではなく、漢数字の旧字体で書きましょう。
一般的な漢数字でも問題ありませんが、旧字体で書くのが正式なマナーとされています。
下の旧字体を書き方の参考にしてください。
一 |
二 |
三 |
四 |
五 |
六 |
七 |
八 |
九 |
十 |
百 |
千 |
万 |
円 |
|
旧漢字 |
壱 |
弐 |
参 |
四 |
伍 |
六 |
七 |
八 |
九 |
拾 |
百 |
阡または仟 |
萬 |
圓 |
下に金額の書き方の例を示します。
≪書き方の例≫
- 5万円→金 伍萬圓也
- 10万円→金 拾萬圓也
- 30万円→金 参拾萬圓也
永代供養料の封筒の書き方③使う墨
永代供養料の封筒に使う墨は濃い墨です。
お通夜やお葬式で渡す香典は、薄い墨で書くことがマナーとされていますが、永代供養料は濃い墨で書きましょう。
香典と混同しやすいので注意してくださいね。
永代供養料の封筒の書き方④表書きの書き方
宗派や宗旨によって封筒の書き方は異なります。
浄土真宗以外の仏教では「供養料」や「永代供養料」という書き方が一般的です。
「供養料」と印刷された封筒を使っても差し支えありません。
お布施と一緒に永代供養料を渡す場合は「お布施」という書き方でも良いとされています。
表書きの下には施主の名前を書きましょう。
または「○○家」という書き方でもOKです。
浄土真宗では、封筒の表面の書き方が異なるためこちらをご覧ください。
永代供養料の封筒の書き方⑤中袋の書き方
中袋がある場合は、中袋の表に金額を書きましょう。
中袋の裏面には施主の名前、住所、電話番号を記入します。
永代供養料の封筒の書き方⑥裏書きの書き方
裏書きの書き方は、中袋がある場合とない場合で異なります。
中袋がある場合の裏書きの書き方
中袋がある場合は中袋に記入しているため、裏面には何も記入しなくて構いません。
中袋がない場合の裏書きの書き方
中袋がない場合は、裏面の左側に施主の名前、住所、金額を記入します。
永代供養料の封筒の書き方⑦封筒へのお金の入れ方
最後に封筒に入れるお札の向きに注意しましょう。
≪永代供養料の封筒に入れるお札の向き≫
- お札の肖像画が封筒の表にくるように入れる。
- お札の肖像画が封筒の上に来るように入れる。
- お札の向きを揃える。
お札の向きも香典とは異なるため気をつけてください。
永代供養料を渡すときの注意点3つ
封筒の書き方がばっちりだとしても、実際に封筒をお渡しする際に失礼があってはいけません。
次に永代供養料を渡す際の注意点をお伝えします。
封筒を手渡しする場合は、前述した封筒の書き方と併せて、次に説明する注意点②③にも気をつけてくださいね。
≪永代供養料を渡すときの注意点3つ≫
注意点①銀行振り込みか手渡しかを確認する
永代供養料の渡し方は事前に寺院や霊園に確認しましょう。
永代供養料は数十万円という高額になることも十分にありえます。
そのため、直接渡すのではなく銀行振り込みを指定される場合も多いです。
銀行振り込みだと、大金を持ち歩く不安もありませんし、封筒の書き方を気にする必要がないため気が楽ですね。
注意点②手渡しの場合は渡すタイミングを確認する
封筒を手渡しする場合、封筒を渡すタイミングはお寺ごとに異なる場合があるので事前に確認しておきましょう。
特に決まりがない場合は、納骨式などの法要が始まる前または終了した後に渡すのが一般的です。
注意点③手渡しの場合は切手盆か袱紗に乗せて渡す
手渡しの場合、封筒をそのまま渡すのは失礼にあたります。
切手盆に封筒を乗せてお渡しするのが最も丁寧で良い印象を与えるでしょう。
切手盆とは、冠婚葬祭などで金封を差し出すときに使う黒い小さなお盆です。
永代供養料の封筒を袱紗から出し、切手盆に乗せて渡しましょう。
相手から見て表書きが読める向きで渡してくださいね。
しかし、切手盆の用意がないご家庭も最近は多いのではないでしょうか。
もし切手盆が用意できない場合は、代わりに袱紗に乗せて渡しても問題ありません。
永代供養料の封筒の書き方についてよくある質問
それでは、永代供養料の封筒の書き方に関するよくある質問にお答えします。
Q.封筒に書くのは毛筆でないといけないの?
A.毛筆でなくとも黒の筆ペンで書いても問題ありません。
ただし、マジックやボールペンはマナー違反にあたるため避けましょう。
Q.永代供養料の封筒に入れるお金は新札?
A.お通夜やお葬式で渡す香典は、新札ではなくしわのある旧札を入れるのがマナーとされていますよね。
新札を包むと「不幸が起こることを予期して準備していた」との意味になってしまうからです。
対して、永代供養料の封筒に入れるお金は新札が望ましいです。
新札が準備できない場合は旧札でも問題ありませんが、できるだけきれいなお札を使うようにしてください。
香典の封筒の書き方と永代供養料の封筒の書き方は異なる点があるので、混同しないように注意しましょう。
Q.浄土真宗の場合の永代供養料の封筒の書き方は?
A.浄土真宗では、亡くなってすぐに成仏できるため、供養という概念がありません。
そのため、「浄土真宗の場合は永代供養ができないのでは?」と思いがちです。
しかし近年のニーズに合わせ、浄土真宗でも永代供養に対応している寺院が増えてきています。
浄土真宗の場合は、供養の概念がないため永代供養料の封筒の書き方にも注意が必要です。
浄土真宗の封筒の表面の書き方は「供養料」ではなく「永代経懇志(えいたいきょうこんし)」となります。
浄土真宗の永代供養についてはこちらで詳しく解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
永代供養料の費用相場
永代供養料の封筒の書き方や渡し方について知ったところで、永代供養料の費用相場を紹介しますね。
永代供養料の費用相場は供養の方法によって異なります。
合祀墓:10万円〜
合祀墓の永代供養料の費用相場は10万円〜です。
合祀墓とは、他の人の遺骨と一緒に納骨されるお墓です。
他の人の遺骨と混ざってしまうため、合祀墓の永代供養料は安価に設定されています。
永代供養の費用を抑えたい人は合祀墓を選びましょう。
集合墓:20万円〜50万円程度
集合墓の永代供養料の費用相場は20万円〜50万円程度です。
集合墓は遺骨は区別して埋葬されますが、墓標は他の人と共有します。
合祀墓と個人墓の中間の価格帯のお墓です。
個人墓:40万円〜150万円程度
個人墓の永代供養料の費用相場は40万円〜150万円程度です。
永代供養の個人墓は従来のお墓に永代供養のサービスが付いたものです。
永代供養のお墓の中では高額になる傾向があります。
納骨堂:50万円〜200万円程度
納骨堂の永代供養料の費用相場は50万円〜200万円程度です。
納骨堂にはロッカー型、仏壇型、自動搬送型といった様々な種類があり、種類によって費用相場に幅があります。
納骨堂の費用についてはこちらのコラムでも詳しく解説しています。
樹木葬:20万円〜150万円程度
樹木葬の永代供養料の費用相場は20万円〜150万円程度です。
樹木葬とは、墓石の代わりに草花や樹木を墓標とするお墓です。
墓石が不要なため比較的リーズナブルで、自然志向の方に好まれています。
永代供養料とお布施の違い
僧侶やお寺に渡すお金として、お布施がありますよね。
「永代供養料とお布施は違うのか?」
「永代供養料を支払ったうえでお布施もお渡しするのか?」
「お布施の封筒の書き方は?」
様々な疑問が湧いてくるでしょう。
結論、永代供養料とお布施は意味合いの全く異なるお金です。
ここでは永代供養料とお布施の違いやお布施の封筒の書き方について、詳しくお話しします。
永代供養料とは
永代供養料とは、家族に代わって寺院や霊園に遺骨の維持管理をしてもらうために施設に支払う費用です。
永代供養料は契約時にのみ支払うもので、毎年かかる費用ではありません。
お布施とは
お布施はお経をあげてもらったり、戒名をつけていただいたりすることに対するお礼として僧侶やお寺に支払うものです。
お布施は感謝の気持ちとしてお渡しします。
永代供養料は供養の代行サービスに対して支払うお金、お布施はお礼として支払うお金と考えると分かりやすいですね。
永代供養でもお布施は必要?
永代供養でもお布施は必要なのか気になりますよね。
結論、永代供養の場合でもお布施が必要な場面があります。
遺骨を納骨する際に行われる納骨法要と一周忌、三回忌、七回忌などの年忌法要のときです。
ただし、納骨法要の際のお布施は永代供養料に含まれている場合があります。
事前に契約内容をよく確認しておきましょう。
お布施の封筒の書き方は?
お布施を入れる際の封筒の書き方は、基本的に永代供養料の封筒の書き方と同様です。
表書きが「お布施」という書き方になる点だけ注意してください。
お布施の費用相場は約3万円~5万円が一般的です。
永代供養の特徴
最後に永代供養の特徴を簡単にお話しします。
永代供養とは、家族に代わり寺院や霊園に遺骨の維持管理を任せ、永代に渡って供養してもらうことを指します。
「永代」といっても、永遠に個別に管理して供養してもらえるわけではありません。
一定期間が経過すると、合祀墓に移されるのが一般的です。
しかし、合祀墓に移った後も供養は続けてもらえるので安心してください。
永代供養には、以下のようなメリットがあります。
≪永代供養のメリット≫
- 費用が安い
- お墓の跡継ぎが不要
- 宗旨や宗派を問わない
お墓を引き継ぐ人がいない方や、子どもにお墓の維持管理の負担をかけさせたくない方を中心に永代供養は広まりつつあります。
まとめ:永代供養料の封筒の書き方を知って失礼のないようにしよう
本コラムでは、永代供養料の封筒の書き方について解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
- 封筒は白無地で郵便番号の印刷のないものを使う。水引は不要。
- 封筒に書く金額は漢数字の旧字体を使う。
- 濃い墨で書く。
- 表書きは「供養料」や「永代供養料」と書く。
永代供養は供養をお任せできるとはいえ、お寺や僧侶とは長い付き合いになることが予想されます。
大事な故人を供養してくれる僧侶には失礼のないように振る舞いたいですよね。
永代供養料の封筒について正しい書き方や渡し方を知れば、より良い関係性を築く第一歩となるでしょう。
また、気持ちよく永代供養料を渡すには、ご家族みなさんが納得できる永代供養墓を選ぶことが重要です。
「みんなの永代供養」では多くの永代供養墓をご紹介しております。
永代供養についての疑問がある方はぜひご相談ください。