ペットと一緒に入れるお墓と永代供養方法をわかりやすく解説
「大好きなペットと同じお墓に入りたい!」
「そもそもペットと同じお墓に入れるの?」
「今もこれからも、そして亡くなってからも一緒にいたい」
そんな愛するペットとずっと一緒にいたいという思いを受け入れてもらえる「ペットと入れるお墓」について今回は詳しく解説していきます。
ペットの永代供養について詳しく知りたい人はこの記事を最後まで見て、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ペットと一緒に入れるお墓はあるの?
そもそも人とペットが一緒にお墓に入れるかどうかわからない人も多いと思います。
結論からいうとペットと一緒にお墓に入ることは可能で、さらに永代供養も行えます。
しかし注意しなければいけない点がいくつかあるので、きちんと注意点を理解してからペットと一緒に入れるお墓を検討しましょう。
法律上は問題がない
ペットと一緒にお墓に入ることは法律上問題ありません。
法律では人間の埋葬に関して「墓地、埋葬等に関する法律の概要」の中に細かく書かれていますが、人間のお墓の中にペットの遺骨を入れることを禁止する文はありません。
参考:厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律の概要」
家族にとっては大切なペットですが、ペットの遺骨は法律上ではモノとして扱われるので、お墓の中に故人の思い出の品や写真などの副葬品として納骨されます。
なのでペット専用の霊園に人間の遺骨を入れることは困難ですが、人間の霊園や墓地であればペットとともに埋葬できます。
ペットの法律について詳しく知りたい方はこちらも合わせてご覧ください。
環境省「動物愛護管理法」
宗教・仏教的にはグレーソーン
実はペットと一緒にお墓に入れるお墓は仏教の観点から見るとグレーゾーンの扱いになります。
仏教には六道という思想があり、生き物が業の結果として輪廻転生する6つの世界(天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道)があると考えられています。
この考え方で生き物を分類すると人間は人間道、ペットは畜生道になります。
仏教の中で信徒が多い浄土真宗では「南無阿弥陀仏」を唱えることで人間道である人間は成仏され浄土に行けるとされているのですが、畜生道である犬や猫などのペットは「南無阿弥陀仏」と唱えても浄土に行けない卑しい存在であるといわれています。
この考えから寺院の宗派によっては人間とペットと一緒にお墓に入ることを良しとしない傾向があります。
しかし、同じ浄土真宗でも、遺族が亡くなったペットに「南無阿弥陀仏」と唱えて極楽に行けるように回向(えこう)をすれば、ペットでも浄土に行くことができるという考え方もあり、ペットと一緒にお墓に入れる墓地や霊園もあります。
墓地や霊園とのトラブルを防ぐためにもペットと一緒にお墓に入れるかどうか確かめてから、お墓を検討しましょう。
墓地や霊園の管理規約を確認して従う
前述の通り最終的には墓地を管理する寺院や霊園の管理規約に委ねられるので、ペットと一緒にお墓に入る場合は許可がおりている墓地や霊園を探して管理規約に従いましょう。
もしもペットの遺骨を無断で納骨した場合契約違反となり、お墓を撤去することになる可能性があります。
また、すでにお墓を持っておりペットの遺骨を入れる場合も、墓地の管理者に確認する必要があるので注意しましょう。
一緒にお墓に入る人と周囲の理解を得る必要がある
ペットをお墓に納骨する場合は、お墓の管理をする祭祀承継者(お墓の名義人)から許可を得る必要があります。
例えば、自分とペット以外にお墓に入る人がいる場合、その人たちにもペットと一緒に入ることを承諾してもらわなければいけません。
ペットも家族の一員として考えることも多くなりましたが、まだ人間と動物が一緒にお墓に入ることに抵抗を持つ人も多いです。
また永代供養の中でも合祀墓や樹木葬の場合は人間とペットの遺骨がともに合祀されるため、遺骨を取り出したり移動させることがほぼ不可能です。
永代供養は遺族の負担を軽くしますが、ペットも入れるかどうかも家族と相談を重ねた上で納骨の仕方を決めていく必要があります。
ペットは永代供養できる?
ペットと一緒に入れるお墓かどうかは仏教の考え方の理解や、周囲の人の同意が必要であることがわかりました。
近年、お墓の継承者が必要なく、お墓の維持管理を寺院や霊園に任せられる永代供養という埋葬方法があります。
永代供養は人間だけでなくペットでもできるのでしょうか?
こちらで解説していきます。
そもそも永代供養とは?
永代供養は遺族の代わりに墓地の管理者が供養を代行するサービスです。
永代供養が付いた個別墓の場合は永代供養墓と呼ばれ、お墓の管理と供養を墓地管理者が行うためお墓の後継者を決める必要がありません。
永代供養墓は合祀墓や、樹木葬など様々な様式に対応しており、継承者も必要がないお墓として注目されています。
ですが、一定期間が過ぎると合祀墓に埋葬されることが多いので、合祀されるタイミングについては施設や永代供養の方法によって異なるので事前に確認しておく必要があります。
永代供養に関してはこちらの記事も合わせてご覧ください。
お墓を持たない選択肢の一つ永代供養とは?わかりやすく解説!
ペットのみが入れる永代供養をする場合
ペットのみの永代供養の場合は、火葬から納骨までを行い、他のペットの遺骨と合祀される合同納骨の形式で埋葬されることが多いです。
中には個別で石碑などのモニュメントを建てる場合もあり、永代供養では人間と同じように納骨や別途金額を払うことでお経を僧侶に呼んでもらうこともできます。
また永代供養は納骨後も寺院や霊園の管理者によって管理されるので安心して任せられます。
飼い主がペットと一緒に入れる永代供養をする場合
ペットと一緒のお墓に入りたい場合、ペットと一緒に入れる永代供養のお墓もあるのですが、現状一緒に永代供養を行う寺院や霊園は多くありません。
先にも述べたように仏教の考えによってペットと一緒に入って永代供養をすることを良しとしない傾向が残っていることが理由として挙げられます。
ですが、徐々にペットと一緒に永代供養をしてくれる寺院や霊園も増えてきています。
宗教的制約が少ない民間の霊園や、動物嫌いの人たちに配慮して区画を分けて永代供養を行う霊園など条件はありますが対応してくれる場合もあるので施設ごとに聞いてみることをおすすめします。
ペットと一緒に入れるお墓の種類
ここからはペットと一緒に入れるお墓の種類とその特徴を紹介します。
ペットと一緒に入れるお墓の種類は以下の4つです。
一つずつ特徴が異なるので順番に見ていきましょう。
ペットと入れる一般墓
ペットと入れる一般墓の場合は、人間用のお墓に副葬品として埋葬する形になります。
墓石も従来の形だけでなく、洋風の形やペットにちなんだ形(イヌ型、ネコ型など)をしたものなど自由に選択できるのも特徴です。
また霊園によっては従来のお墓とペットと一緒に入れるお墓を区画ごとに分けていることが多いので、気になる場合は契約する前に確認しましょう。
ペットと入れる永代供養墓
ペットと入れる永代供養墓は、自分の死後にお墓を維持・管理してくれる人がいない場合に寺院や霊園に任せて供養を続けてくれるのが特徴です。
ペットがいるけど継承する人がいない場合、永代供養墓はペットと一緒に入れるお墓としておすすめです。
また形式によって変化しますが、一般墓と比べて永代供養をする場合は費用を抑えて供養できます。
ペットと一緒に入れる永代供養墓は主に「樹木葬」と「納骨堂」の2つが多く、同じ永代供養墓でも特徴が異なるので自分に合ったものを選択しましょう。
ペットと一緒に入れる樹木葬
永代供養墓の一つ目である樹木葬は遺骨を埋葬した場所の上に墓石の代わりに樹木や草花を墓標としており、自然への回帰を目指した永代供養墓です。
樹木葬は他の人と共用で使用することが多いのでお墓の作成や維持費などのコスト、永代供養の特徴である費用の安さが特徴です。
ネームプレートや石板などを設置できる樹木葬もあるので、希望する場合は確認しましょう。
しかし、永代供養の特徴を持つ樹木葬は、一定期間が経つと他の遺骨と合祀されて特定の遺骨を取り出せなくなるので樹木葬を選ぶ場合は遺族と話し合った上で決めましょう。
ペットと永代供養してもらえる樹木葬に興味がある方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
今注目のペットと一緒に永代供養してもらえる樹木葬とは?
ペットと一緒に入れる納骨堂
永代供養墓の二つ目である納骨堂は寺院や霊園の屋内に安置して供養するための施設です。
他のお墓と比べると数は多くはありませんが、樹木葬とともに宗教問わず納骨堂に入れる場合が多く、墓地でのペットの納骨は認めていなくても納骨堂はペットも納骨が可能な施設もあります。
一般的には多数の遺骨を個別に収容して入れる永代供養墓なので遺骨の移動も容易で、一般墓に比べると費用を抑えられます。
ペットと一緒にお墓に入れることのメリット・デメリット
次にペットと一緒に入れるお墓のメリットとデメリットを解説します。
それぞれいい点や注意すべき点があるので事前に把握して、万が一のトラブルを防ぎましょう。
ペットと一緒にお墓に入れることのメリット
まずはペットと一緒に入れるお墓のメリットを紹介します。
メリットはこちらの4つです。
順番に説明します。
無縁仏にならない
永代供養の形式では、ペットも共に永代供養を行うため無縁仏になる心配がありません。
家族がペットしかいない人でも安心して供養することが可能です。
精神的に安心できる
ペットが家族同然だという人にとっては、亡くなったあとでもペットと一緒にいられるという安心感があります。
仮にペットが先に亡くなった場合、ペットと一緒に入れるお墓に入ることが決まっていれば、同じお墓に入って永代供養ができるのでペットがいない寂しさも軽減されるでしょう。
お墓参りを集約できる
もし別々のお墓に入ることになるとお墓の分だけ費用が高くなるだけでなく、お墓参りも複数回に分けていくことになります。
しかしペットと一緒に入れるお墓の場合は一箇所に集約し永代供養されるため、費用とお墓参りの負担を軽く抑えることが可能です。
気持ちの整理ができる
ペットへの思いが強い人ほど失ってしまったことによるペットロスが大きいです。
永代供養することによって気持ちの整理をつけて、ペットのことを思い続けることもできます。
ペットと一緒にお墓に入れることのデメリット
次にペットと一緒に入れるお墓のデメリットを紹介します。
デメリットはこちらの4つです。
こちらも順番に説明していきます。
先祖代々のお墓がある場合、一緒に入れない&費用もかかる
先祖代々のお墓がある場合はそのお墓に入れない可能性が高いと言われています。
先祖代々のお墓にペットの遺骨が入れられるかどうかは管理規定によって異なるため確認しておくことが大切です。
もし先祖代々のお墓にペットの遺骨を入れられない場合、新しいお墓を建てることになるので費用も大きくなります。
入れる墓地・霊園が限られる
一般墓に比べるとまだペットと一緒に入れるお墓や永代供養は少ないです。
なのでペットと一緒に入れるお墓がある墓地・霊園を探し出す労力が必要です。
この記事ではペットと一緒に入れるお墓の探し方についても解説しますので参考にしてください。
親族の理解が必要
親族の中にはペットの遺骨と一緒になることに否定的な人もいるかもしれません。
ペットと一緒に入ることを認めている墓地・霊園でも親族が反対する場合は一緒に入ることが難しいでしょう。
生前に話し合った上でペットの遺骨をお墓に入れて永代供養をするかどうか必ず決めましょう。
一度入れたら遺骨の移動はできない
永代供養の場合、一定期間が経つと合祀され他人や他のペットの骨と一緒になってしまいます。
そのため、あとから個別に遺骨を取り出せないので、遺骨の取り扱いも必ず話し合った上で検討しましょう。
合祀についてはこちらの記事も合わせてご覧ください。
合祀墓の特徴とデメリット(注意点)について徹底解説
ペットと入れる永代供養墓の費用
ペットを永代供養する場合の費用は埋葬方法によって変動します。
おおよその金額はこのようになります。
- ペットのみの永代供養:3万円〜10万円程度
- ペットと一緒に入れるお墓の永代供養の場合:10万円〜100万円以上
であると言われています。
ペットと入れる永代供養墓の費用の内訳
ペットの永代供養にかかる費用の内訳は「永代供養費」と「管理費」および「火葬費」になります。
「永代供養費」と「管理費」は合わせて3万円ぐらいが相場なのですが、墓地や霊園によっては管理料が毎年かかる場合もあるので注意が必要です。
また火葬費は火葬方法によって大きく異なります。
火葬を合同か個別で行うかの違いがあり、合同の場合費用は安いですが、他の遺骨も混ざるため返骨ができません。
個別の場合、合同で行うよりも費用がかかりますが他の遺骨と交わることなく火葬するため返骨が可能です。
ペットと一緒に入れるお墓を探すコツ
現在、ペットと一緒に入れるお墓はそれほど多くありませんが、近年、ペットと一緒に入れるお墓がある墓地や霊園は確実に増えています。
各施設によって別れるのですがペット専用区画を設けている場所や、全区画ペットと一緒に入れる施設も増えてきています。
また、民営墓地は宗教的な制約が厳しくないことも多く、他の墓地と比較するとペットと一緒に入れるお墓を見つけやすいでしょう。
寺院でも管理するご住職の考え方によっても大きく異なるので、気になる場合は寺院に相談することをおすすめします。
なお、自治体が運営する公営霊園では、そもそもペットの遺骨を埋葬できないので注意しましょう。
ペットと一緒に入れるお墓を徹底解説 まとめ
いかがでしたか?
ペットと一緒に入れるお墓について解説していきました。
ペットと一緒に入れるお墓や永代供養方法はまだ多くはありませんが、ペットと一緒にお墓に入りたいと考えている人も増えてきています。
ペットと一緒に入れるお墓を検討する際に確認すべきことは以下の点です。
- 墓地や霊園の管理規約と考え方
- ペットの遺骨が入れるかどうか(親族の同意が得られるか)
- 永代供養の方法
- 人間とペットの遺骨の取り扱い
- ペットと一緒に永代供養を行う際の費用
これらの点に注意してペットと一緒に入れるお墓を検討し、トラブルを未然に防ぐことが重要になります。
予算や親族への合意など一人では解決できないことも多いため話し合いを重ねて納得した上で、安心してペットと一緒に入れるお墓や永代供養方法を探してみましょう。