お墓のお役立ちコラム

ペットの遺骨を自宅に置くのは良くない?理由や解決策を解説

大切にしているペットが死んでしまった時、寂しくてずっと手元に置いておきたいと思う方は多いと思います。

近年では、自宅で手元供養するという方法もあり、この供養方法であればペットと離れたくない飼い主の気持ちを満たしてくれることになるでしょう。

しかし、世間にはペットの遺骨を自宅に置くのは良くないと思う方も多数存在しているのが現実です。

手元供養という方法はあるのに「なぜペットの遺骨を自宅に置くのは良くないと言われているのか」「手元供養をしたいと思っているけど、自宅に置くのが良くないなら止めた方が良いのか」と、良くないと言われたことについて悩んでしまいます。

本記事では、ペットの遺骨を自宅に置くのは本当に良くないのか、良くないと言われる理由は何なのかを解説しています。

大切なペットの遺骨をどのように供養しようか悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んで参考にしていただけると幸いです。

ペットの遺骨を自宅に置くのは良くない?

家族の一員として可愛がっていたペットが亡くなると、寂しくてペットの遺骨と離れたくないと考える方も多いでしょう。

世間では「ペットの遺骨を自宅に置くのは良くない」と言われることも多いですが、結論から言うと、ペットの遺骨を自宅に置くことは良くないわけではなく、法律的にも全く問題はありませんのでご安心ください。

ペットの遺骨を自宅などの身近なところで保管・管理し供養する「手元供養」には、保管期限なども存在しません。

飼い主が、ペットの遺骨を「もう手放しても大丈夫」と思うまで、自宅に置くことが可能です。

また、ペットを自宅の庭に埋めて埋葬したい場合も、法律的に問題はありませんので、自宅の庭に埋葬してあげることができます。

人間の場合は、火葬された遺骨を土の中に埋葬・埋蔵する場合、許可を得た場所でしかできない決まりですが、ペットの場合は適用されません。※1

ただし、「ペットが好きだった場所だから」と公園など、自宅以外の公共の場所に埋葬してしまうと法律に反してしまい良くないので、注意しましょう。※2

 

※1参照:厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律の概要」

※2参照:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第四章雑則‐第十六条

ペットの遺骨を自宅に置くのは良くないと言われる理由

ペットの遺骨を自宅に置くのは法律的にも問題はないはずなのに、なぜ「ペットの遺骨を自宅に置くのは良くない」と言われてしまうのでしょうか。

こちらでは「ペットの遺骨を自宅に置くのは良くない」と言われている理由を3つ解説していきます。

 

 

カビが生えるので良くない

ペットの遺骨を自宅に置くのは良くないと言われる理由の1つ目は、ペットの遺骨にカビが生える可能性があるからです。

ペットの遺骨を手元に置く場合、置く場所などの管理をしっかり行っていなければ、骨壺の中のペットの遺骨にカビが生えてしまう可能性があります。

また、大切なペットの遺骨に直接手で触れてしまうことも、遺骨にとって良くない脂や汚れ、たんぱく質等が付着してしまい、カビが生える原因となります。

このように、ペットの遺骨を自宅に置くと、遺骨管理に気を付けることが多いため、ペットの遺骨を自宅に置くのは良くないと言われているようです。

風水的に縁起が悪いので良くない

ペットの遺骨を自宅に置くのは良くないと言われる理由の2つ目は、風水的に縁起が悪いからです。

風水的に、ペットの遺骨を自宅で保管することは「縁起が悪く良くないこと」とされています。

これは、死んだあとに残った遺骨は、負のパワーが非常に強いと言われているためです。

ペットの遺骨を長期間自宅に置くと、ペットの遺骨に引き寄せられるようにマイナスの良くないエネルギーが集まってくるとのこと。

とはいえ、ペットの遺骨を自宅に置いて、良くないことが起きたことなんて1度もないと言う方もいます。

ここで一番大切なのは、飼い主と亡くなったペットが心穏やかに居られるかどうかです。

風水の考え方も様々で、ペットの遺骨を自宅に置いても問題ないと言う風水師の方もいます。

風水的に、ペットの遺骨を自宅に置くのは良くないと言われたとしても、必ず良くないというわけではありませんので、安心しましょう。

自宅に遺骨はなんとなく良くない

ペットの遺骨を自宅に置くのは良くないと言われる理由の3つ目は、遺骨が自宅にあるのがなんとなく良くないからです。

神道では50日目、仏教では49日目に「遺骨は、お墓や納骨堂に納骨するのが一般的」と考えている方が多くいます。

日本にある宗教の信者数は、神道系と仏教系が約半数ずつを締めており、遺骨が自宅にあることに対して、慣例的に納骨していないのはマズいのでは?と思ってしまうのかもしれません。※3

これにより、家族や友人の中には「亡くなって49日(または50日)過ぎたのに、自宅にペットの遺骨があるのはなんとなく良くない」と思う方がいるのではないでしょうか。

 

※3参照:文化庁「令和5年の宗教統計調査の結果を公表します」

「ペットの遺骨を自宅に置くのは良くない」の解決策

「ペットの遺骨を自宅に置くのは良くない」と言われたとしても、ペットの遺骨を自宅に置くことは「良くないわけではない」と、お判りいただけたと思います。

とはいえ、ペットの遺骨を自宅に置くのは良くないと言われてしまうと、気になってスッキリした気持ちになれない方もいるのではないでしょうか。

そこで、こちらでは「ペットの遺骨を自宅に置くのは良くない」を解決する方法を解説していきます。

カビ対策をおこなう

ペットの遺骨にカビが生えるので良くないことへの解決策は、風通しの良い場所に遺骨を置くことです。

湿気の溜まりやすい場所にペットの遺骨を置くと、遺骨にカビが生えやすくなります。

日中、仕事などで窓を開けられない場合などは、サーキュレータ―などを利用して空気を循環させるようにしてあげると良いでしょう。

他にも、遺骨の周りに除湿剤などを置いてあげるのも一つの方法です。

また、素手でペットの遺骨に触れてしまうと、触れたところに付着した脂などを栄養源としてカビが発生しやすくなります。

ペットの遺骨に触れる時は、必ずゴム手袋などをして触れるように対策しましょう。

風水的に良い場所に置く

風水的に縁起が悪いので良くないことについての解決策は、風水的に良い場所に遺骨を置くことです。

風水の考えも様々とはいえ、風水的に自宅に置くのは良くないと1度でも言われてしまうと、「本当に置いて良いのかな」と悩むこともあると思います。

こういった場合は、風水的に仏壇を置くのが良いと言われている「南東の方角」にペットの遺骨を置いてあげると良いでしょう。

法律的に問題がないことを説明する

遺骨が自宅にあるのがなんとなく良くないと言われることについての解決策は、法律的に問題がないことを相手にきちんと説明することです。

自宅でペットの遺骨を保管することは、法律的に全く問題はありません。

しっかりと理由を説明し、問題がないことを伝えることで、理解を示してくれるケースもあるでしょう。

ペットの遺骨を自宅に置くメリット

ペットの遺骨を自宅に置くと良くないと言われますが、ペットの遺骨を自宅に置くことによるメリットもあります。

ペットの遺骨を自宅に置くメリットは以下の3つです。

ペットをいつでも側に感じられる

ペットの遺骨を自宅に置かずにペット霊園などで供養をする場合は、自宅から霊園までの距離があるケースが多く、毎日会いに行こうと思っても難しいものです。

ペットの遺骨を自宅に置いて供養すれば、いつでもペットを側に感じることができます。

自宅でペットの遺骨を手元供養する用の仏壇や仏具など、近年では種類も豊富に販売されているので、簡単に揃えることが可能です。

仏壇や仏具と一緒にペットが好きだったおもちゃやお菓子などを供えてあげると、亡くなったペットはきっと喜んでくれるでしょう。

霊園などで納骨する費用がかからない

ペットの遺骨を埋葬するためだけにある専用の霊園を「ペット霊園」と言いますが、ここで供養する場合、5千〜30万円くらい、プラス管理費が5千〜1万円くらいかかります。

あくまで相場であり、ペットの種類やサイズ、合祀墓にするのか個別に墓を建てるのかによっても大きく変動します。

特に、個別で墓を建てる場合は、墓石代がかかるため高額になりがちです。

その点、ペットの遺骨を自宅で供養すれば、火葬する費用と仏壇・仏具などを購入する程度で済みますので、費用を安く抑えることができます。

ペットが過ごした場所で安心して眠れる

ペットの遺骨を自宅に置くのは良くないとは言われますが、自宅で供養してあげると、ペットはとても落ち着くことができるでしょう。

ペットの遺骨を置いてあげる場所は、ケージを置いていた場所のように、特に長く過ごしていた場所がおすすめです。

いつも過ごし慣れた場所と大好きな飼い主の近くで、ペットは安心感に包まれて安心して眠ることができます。

ペットの遺骨を自宅に置くデメリット

ペットの遺骨を自宅に置くことで起きるデメリットは以下のとおりです。

ペットロスから立ち直りにくい

大切なペットが亡くなってしまうと、ペットが亡くなったことによる悲しみや寂しさから、飼い主の心と体に不調を感じることがあります。

これを「ペットロス」といい、うつや不眠、疲労感などの症状が現れますが、ペットロスが長く続いてしまうのは良くない状態です。

ペットロスは、ペット霊園などでペットの遺骨を供養してもらっている方よりも、自宅でペットの遺骨を供養している方のほうが長く続きやすいと言われています。

ペットロスについては「スピリチュアルな出来事から見るペットの死後の世界ーペットロスに陥った時の考え方ー」でも解説していますので、参考にしてみてください。

 

手元供養に共感されにくいケースがある

仏教では49日までは自宅で遺骨を保管し、それ以降は遺骨を墓地や霊園に埋葬し供養することが一般的です。

そのため、49日を過ぎても手元でペットの遺骨を供養していると「ペット遺骨を自宅に置いておくなんて良くない」と言ってくる方がいるかもしれません。

ペット遺骨を自宅に置いておくことは法律的に何も問題はありませんが、考え方は人それぞれなので、手元供養に共感してもらえないケースもあるでしょう。

飼い主が突然供養できなくなって無縁仏になる

ペットの遺骨を自宅に置く場合に考えておかなければならないことは、飼い主が手元供養をできなくなる可能性です。

将来、飼い主が突然病気になったり、亡くなったりして家に帰れなくなる可能性がないとは言えません。

この場合、ペットの遺骨を引き継いでくれる方が居れば良いですが、誰もいなければペットの遺骨は無縁仏になってしまう可能性も。

将来、飼い主に何かあった時のことも想定して、いつまでもペットが安らかに眠れる環境作りをしてあげるのも選択肢の一つかも知れませんね。

ペットの遺骨を自宅以外で供養する3つの方法

もしも、ペットの遺骨を自宅以外で供養しようと思った場合には、主に以下の3つがあります。

 

それぞれ解説していきます。

飼い主と一緒のお墓で供養

仏教の考えでは、人間と動物の魂は種類が違うため、同じお墓に入ることは良くないとされていました。

しかし、近年ではペットを家族の一員として大切にし、一緒のお墓に入りたいと希望されることも多く、一緒に入ることができるお墓も増えています。

一緒のお墓に入って良いか良くないかは、あくまで霊園などの規約で許可しているかいないか。

昔ながらの古い霊園などでは、比較的ペットと一緒にお墓に入るのは良くないとしているところが多いようです。

ペットと一緒に入ることができるお墓は「ペットとずっと一緒の永代供養」でも紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。

納骨堂で供養

ペットを納骨できる納骨堂には、個別に納骨するものと、他のペットと一緒に納骨するものが一般的ですが、近年では、飼い主と一緒の納骨堂に納骨できるケースもあります。

納骨堂で個別供養する際は、個別供養期間が決まっており、ほとんどの場合は期間が過ぎると他の方の骨と一緒に合祀されます。

飼い主とペットが一緒の納骨堂の場合、ペットの遺骨は人間の遺骨と分けて、他のペットと一緒に合祀されることがあります。

最終的に、遺骨がどのように合祀されるのか気になる方は、納骨堂を決める際に必ず確認しておきましょう。

ペット霊園で供養

ペット霊園はペット専用の霊園なので、多くのペット達が遺骨を納骨をしてもらい安らかに眠っています。

ペット霊園であれば、多くの友達がいて思いっきり遊べるはずなので、ペットが寂しがることなく過ごすことができるでしょう。

また、ペット霊園では、個別墓や合祀墓、納骨堂の中から納骨方法を選択することが可能なので、飼い主の希望に沿ったものを選んで納骨してあげることができます。

まとめ

ペットの遺骨を自宅に置いておくのは良くないと言われていますが、法律的には自宅に置いておいても問題はありません。

しかし、ペットの遺骨を自宅に置いておくと、ペットのことが忘れられずにペットロスが長引いたり、飼い主に何かあって急に自宅で供養ができずに放置されてしまったりする可能性もあります。

もちろん、家族同然の大切なペットに側にいて欲しいという気持ちもわかりますが、将来的なことも考えて、大切なペットが安心して眠れる場所を選んであげることも大切です。

以前は、ペットと一緒に入れるお墓はタブーとされていましたが、時代の流れによって、今ではペットと一緒に入れるお墓もあります。

ペットと人間とお墓のあり方もどんどん変化していますので、飼い主と大切なペットにとって最良な方法を選択できると良いですね。

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