お墓のお役立ちコラム

【決定版】娘しかいない場合のお墓選びをケース別に詳しく解説!

子どもに娘しかいない場合、お墓にまつわるさまざまな問題が生じがちです。

すでにお墓をお持ちの方も、これからお墓を建てようか検討している方もどうすればいいのかお困りではないでしょうか。

今回は、お墓の承継問題に関するお悩みに対してケース別に選択肢を提示していきます。

 

娘しかいない家庭が増えているって本当?

近年では少子化の影響で、子どもに娘しかいないという家庭が増えているそうです。

はたして、これは事実なのでしょうか。また、仮に事実だとした場合、どういった問題を想定すればいいのでしょうか。公的な統計データを基に考察していきます。

少子化の進展により娘だけの家庭も増加の傾向に

内閣府男女共同参画局の「結婚と家族をめぐる基礎データ」(14ページを参照)によると、2015年における一人っ子家庭の割合は18.6%に上っています。

このうちの半数が女性だと仮定すれば、実に全家庭の10%弱が娘しかいない家庭だという計算です。

この統計データは結婚持続期間15〜19年の夫婦を対象にしたものですから、夫婦の年齢はおおよそ40代〜50代といったところでしょうか。(厚生労働省「平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると男女とも初婚平均年齢は30歳前後)

もちろん、お子さんが2人以上でも娘しかいないというケースも珍しくありません。

加えて、出生率の低下傾向は先ほどの内閣府のデータを見ても明らかです。したがって、娘しかいない家庭が増えているのは、おおむね事実だといえそうです。

娘しかいない家庭におけるお墓の承継問題が浮き彫りに

では、娘しかいない家庭が増加傾向にあるのは事実だとして、いったいどのような問題が生じつつあり、または予想されるのでしょうか。

これは、日本の伝統的な「家」に対する考え方が関係しています。

日本では、長らくその家の長男が家を継ぎ、二男以降の男子や女子にはその資格を与えられずにきました。

これは、先祖代々のお墓を承継していく「祭祀承継者」に関しても同様です。通常は、その家の長男が継ぐものとされてきました。

こういった状況で「娘しかいない」となれば、いったい誰を祭祀承継者にすればいいのか?

娘は嫁いでしまうと先方の「家」に入ってしまうから、そもそもお墓を承継できない。つまり、娘しかいないとお墓の承継者がいなくなってしまうおそれがあるのです。

この承継者不在問題に関して、さらに詳しく知りたい方は参議院の「少子高齢化時代の墓を考える」(PDFファイル)も合わせてご覧ください。

娘しかいない家庭のお墓の現実的な選択肢は?

では、娘しかいない場合のお墓問題はいったいどうすればいいのでしょうか。ここでは、大きく2つのケースに分けて現実的な選択肢をご提示しますので、参考にしてみてください。

 

すでに先祖代々のお墓が存在し、娘しかいない場合

すでに先祖代々の墓があるにもかかわらず娘しかいない場合は、祭祀承継者が自分たちの代で途切れてしまいかねません。こういう場合は、いったいどのような選択肢を選ぶべきなのでしょうか。

1.娘しかいないがお墓をついでもらう

実は子どもに娘しかいなくても、先祖代々のお墓を継いでもらうことはできます。というのも、祭祀承継者が男性でなければならないとは民法のどこにも記載はないからです。つまり、娘しかいない場合でも法律上は問題なくお墓を継ぐことはできます。

祭祀承継者に関してさらに詳しい情報を知りたいという方は、東京弁護士会の「祭祀承継者」のページをご参照ください。

2.娘しかいないので親族にお墓をゆだねる

子どもに娘しかいない場合、別の親族にお墓の承継者をゆだねるのもひとつの手です。

ここでいう「親族」とは、6親等以内の血族のことをいいます。たとえば、「はとこ」は自分から見て6親等にあたる人です。

そこまで行かなくとも、「いとこ」に当たる人でも4親等に収まります。

「はとこ」なら同じ曽祖父母を持ち、「いとこ」なら同じ祖父母を持つことになるので抵抗感も少ないのではないでしょうか。もちろん、先方にその意志があるかを確認することが必須です。

3.娘しかいないので墓じまい(改葬)を考える

娘しかいないので継承者については考えず、墓じまいを行うというのも手段のひとつです。

墓じまいをした後、通常は改葬もセットで考えます。改葬というのは、新たな墓地に遺骨を埋葬しなおすことです。

ただし、新たに通常のお墓を建て直しても問題の解決には至りません。

問題は、承継者が不在であるからです。ここで永代供養墓を選択すれば娘さんに負担がかかりにくく、無縁仏になる心配もありません。

娘しかいない&先祖代々のお墓を持っていない場合

娘しかいない、かつ、先祖代々のお墓を持っていない場合はどうすればいいのでしょうか。

自分たち夫婦のお墓や両親(娘から見れば祖父母)のお墓をどうすればよいのか、具体的な選択肢を提示していきます。

1.娘しかいないので両家墓を建てる

娘(たち)は他家へ嫁いでしまっているのでお墓を建てても承継者がいない。

そんな場合には「両家墓」と呼ばれるお墓を建てるのもいいでしょう。これは、自分たちの家と娘の嫁ぎ先の家との共同墓といえるものです。

この場合、墓石には両家の名前が並んで刻まれ、2世帯分の遺骨を収納します。もちろん、先方に先祖代々のお墓が既に存在する場合や、両家墓を良しとしないケースもあるので、娘夫婦や嫁ぎ先の両親とよくよく相談する必要が出てくるでしょう。

2.娘しかいないので夫婦墓を建てる

子どもに娘しかおらず、本格的なお墓を建ててしまうと承継者がいなくなってしまうおそれがある。

そんな場合は、一代限りの夫婦墓を建てるのもひとつの手段です。

また、自分たち夫婦に加えて両親の4人で入れるタイプのお墓を検討してもよいでしょう。

後者の場合、納骨堂などがひとつの候補に挙げられます。

いずれにしても、一定の期間が過ぎれば合祀となりますが、永代供養付きのケースも多く無縁仏になる心配がありません。自分たち夫婦のみ、両親も入れた4人のみのお墓で十分といった方におすすめです。

3.娘しかいないのでその他の方法を選択する

ここでいう「その他の方法」とは、お墓自体を建てない選択をするということです。

どういった規模であれ、お墓を建てるのにはある程度まとまった額のお金が求められます。その後も、年忌供養などで僧侶に対するお布施が必要になることでしょう。

「そういった負担はいっさい娘にはかけたくない」と願う方にはぴったりの選択肢かもしれません。

具体的には、生前に樹木葬や海洋葬(海洋散骨)を依頼します。近年では、宇宙葬というサービスを提供している業者もあります。

娘しかいない&改葬する場合のお墓の種類は?

娘しかいないので墓じまいから改葬という選択肢を取った場合、どのような永代供養墓を選べるのでしょうか。代表的なものをご紹介しますので、参考にしてみてください。

娘しかいないので集合墓を選ぶ

娘しかいない、かつ承継者のあてもない場合、集合墓を選ぶのはいかがでしょうか。

集合墓とは、慰霊碑のようなシンボルの周りに納骨スペースを複数設けたお墓のことをいいます。他人の遺骨といっしょにはされない点にも注目です。

ただし、他の永代供養墓に関してもそうですが、一定の期間(12年や32年など)を過ぎると通常は合祀されてしまいます。とはいえ、永代に供養してもらえる寺院や霊園がほとんどですので、その点は安心してもよいでしょう。

娘しかいないので納骨堂を選ぶ

娘しかいない場合、納骨堂も有力な選択肢になりえます。

納骨堂とは屋内型の納骨スペースを指す言葉です。ロッカー式や自動搬送式など、ニーズに合わせてさまざまな種類からご選択いただけます。

もちろん、ご夫婦だけで入ることもできますし、ご両親も含め4人で入れるタイプもご選択可能です。中にはペットといっしょに入れるタイプのものもあります。いずれにしても全館がバリアフリーでお参りしやすい施設が多いのも特徴です。

娘しかないので樹木葬を選ぶ

娘さんしかいないご家庭で、樹木葬を選択される方も近年増えつつあります。

樹木葬とは墓石を建てる代わりに、樹木や草花の周辺に遺骨を埋葬するスタイルのお墓です。墓石を必要としないため、コストが抑えられる点も注目に値します。

「庭園型」と「里山型」の大きく2つのタイプに分けられるのも、樹木葬の特徴です。

庭園型は都心に比較的多く、里山型は郊外に比較的多く見られます。開放的で明るい印象の樹木葬は、地球環境を大切に考える人々にも大変好評です。

 

もっと永代供養墓について知りたいという方は「永代供養墓の種類とは | みんなの永代供養」も合わせてご覧ください。

 

娘しかいない場合のお墓はどうやって決める?

 

では、さまざまな選択肢があると分かったところで、実際に娘しかいない場合のお墓はどうやって決めればいいのでしょうか。現実的に取りうる方策を3つ挙げておきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.もっとも大切なのは娘さん本人の意向

娘さんしかいない場合にいずれの選択肢を取るにしても、娘さん本人の意向がもっとも大切なのは言うまでもありません。

「家」の制度が法律で決まっていたのは明治から昭和時代前半の大日本帝国憲法下での話です。

現在でもその影響がある程度は残っていますが、先祖代々の墓をだれかがかならず受け継がなければならないという時代でもありません。娘さんにはそのようなプレッシャーを与えず、フラットな立場で考えていただくのがよいでしょう。

2.家族・親族でよく話し合うことも大切

娘さんしかいない場合は娘さんの意向がいちばんだとして、次はその他の家族や親族とよく話し合うのがいいでしょう。娘さんからみて祖父母にあたる人、つまり自分の両親はもとより、自分の兄弟姉妹や必要があれば、自分のいとこともよく話し合いましょう。

特に先祖代々のお墓がすでに存在する場合は、自分の家庭だけの問題だけでは済まなくなることも十分想定されます。お墓を残すにしろ墓じまいをするにしろ、大切なのは事前によく話し合っておき、家族や親族の了承を得ておくことです。

3.困ったときには専門家の知恵を借りる

娘しかいないので娘の意向を聞き家族・親族とも相談したが、なかなか結論が出ない。もう少し他の人のアドバイスもほしい。そのような場合は、お墓を専門に扱っている業者に相談してみてください。

お墓の専門家には、これまでに取り扱ってきた経験が何十、何百と積み上がっています。その中には、みなさんのようなお悩みを持った方もきっといたのではないでしょうか。いずれにしても、専門家ならではの解決策を示してもらえるかもしれません。

娘しかいないときのお墓選びも「みんなの永代供養」へお任せ

昭和から平成、令和へと時代は移り変わり、人々のお墓に関する考え方も多種多様になってきました。お墓の承継はかならず男子が行わなければならないことではありませんし、そもそも未来永劫お墓を受け継がなければならないわけでもありません。

もちろん、受け継ぎたいと思う気持ちは大切ですが、それを娘さんしかいない場合でも押し付けたりするのは考えものでしょう。大切なのは、これからを生きるお子さんやお孫さんの世代の気持ちです。

さて、墓じまい(改葬)の選択をしたご家庭でどのお墓を選べばいいか分からない場合は「みんなの永代供養」にご一報ください。

みなさんのお悩みを懇切丁寧にヒアリングさせていただき、ベストだと思える選択肢をご提示いたします。

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