お墓のお役立ちコラム

浄土真宗の門徒でも依頼できる永代供養とは?基礎から詳しく解説

浄土真宗では教義上、永代供養はお願いできないという話を耳にしたことはありませんか?今回は、浄土真宗の門徒の方でも安心して依頼できる永代供養について解説していきます。先祖の霊をしっかりと祀り後世に受け継いでいくためにはどうすればよいのか、ぜひ参考にしてください。

目次

そもそも永代供養とは何をするの?

浄土真宗と永代供養についてより理解しやすくするために、まずは永代供養とは何かについて簡単におさらいしておきましょう。

永代供養とは永年にわたり供養してもらうこと

永代供養とは、永代(=長年)にわたり死者を弔うことをいいます。また、供養とは法要を行い供物を捧げ、故人の冥福を祈ることです。三回忌や十三回忌などの追善供養は、耳にした方も多いのではないでしょうか。

ここでポイントとなるのは「永代」という言葉。これは、永久や永遠という言葉とよく似ていますが、表す意味はやや異なります。大半の場合は、未来永劫という意味ではなく数十年という意味で使われるのが一般的です。

少子高齢化や限界集落の問題を抱える現代日本ですが、それは同時に先祖代々のお墓を守っていく方が少なくなりつつあることを意味します。祖先の霊が「無縁仏」になってしまうことを防ぐ意味でも、永代供養の持つ使命はけっして小さくないといえるでしょう。

永代供養墓の主な種類とは?代表的なものをご紹介

永代供養を依頼する際に選ぶお墓には、いくつかの種類があります。ここではその中でも代表的なものをご紹介しますので、参考にしてみてください。

永代供養墓その1・合祀墓

合祀墓は「ごうしぼ」と読みます。合祀とは「合わせてお祀りする」という意味です。その名のとおり他の方の遺骨といっしょにして、定期的に供養を行います。いったん合祀されてしまうと、特定のお骨だけを取り出すのは事実上不可能な点には注意が必要です。

その点がクリアできてしまえば、合祀墓は永代供養墓の中でももっともリーズナブルな価格帯で依頼できます。祖先の遺骨は十分に弔ってあげたいが金銭的にはなかなか大変だという方にはおすすめです。

永代供養墓その2・集合墓

ある決められたエリアに納骨する点は合祀墓と似ていますが、けっして遺骨をいっしょにはしないという点が合祀墓と異なります。ただし、永代供養とはいえど一定の期間が過ぎれば合祀になるケースもあるので注意が必要です。

永代供養墓その3・個人墓

専用の区画を購入し個別に墓石を建てるという点で、従来のお墓にもっとも近いのが個人墓です。とはいえ、管理や供養は寺院や霊園サイドでしっかりと行ってもらえるので、遺族の負担はぐんと減ることでしょう。こちらも、最終的には合祀になるケースが大半です。

永代供養墓その4・納骨堂

納骨堂とは、屋内に家族や個人単位で遺骨を納めることのできるスペースです。納骨堂にはロッカータイプや仏壇タイプなどさまざまな種類があります。屋内にあるため、天候に左右されることなくお参りできるのが大きな特長です。

永代供養墓その5・樹木葬

樹木葬とは、墓石の代わりに遺骨のうえや周辺に草花を植えることで故人を弔うスタイルのものです。さらに、農村部に多い「里山型」と都市部に多い「庭園型」の2つに大別されます。環境に優しいことでも注目を集めている永代供養墓です。

いずれにしても、遺骨はきちんと認可を受けたしかるべき寺院や霊園に埋葬することが義務付けられています。詳しくは、厚生労働省の「墓地、埋葬等に関する法律の概要」をご覧いただけますと幸いです。

引用:厚生労働省墓地、埋葬等に関する法律の概要

また、永代供養墓の特徴や種類についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの「永代供養墓の種類とは」のページも合わせてご覧ください。

永代供養を依頼するメリット・デメリットとは?

永代供養を依頼する際のメリットやデメリットについてよく理解しておくことは、浄土真宗の門徒の方にも十分役立つはずです。それでは、代表的なものをご覧ください。

永代供養墓のメリットとは

まずは、永代供養墓を選択するメリットからチェックしていきましょう。

1.宗旨・宗派を問われない

永代供養墓を選択する大きなメリットのひとつが、宗旨・宗派を問われないという点です。これならば、浄土真宗の門徒の方であっても何ら問題はありません。

2.無縁仏になるおそれがない

無縁仏になるおそれがないというのも、大きなメリットのひとつです。だれもお墓を管理する人がいなくなり、荒れるに任せるがままという最悪の事態を避けることができます。

3.比較的安価な場合が多い

細かな条件次第ではありますが、一般的なお墓を新たに購入するよりも安く済んでしまう傾向にあります。これは、墓石の設置費用がかからないためです。

永代供養墓のデメリットとは

もちろん、永代供養にはデメリットもありますので、よく押さえておきましょう。

1.他の方のお骨と一緒になってしまう

初めから合祀墓を選択した場合はもちろん、個人墓を選択した場合でもいずれ遺骨は合祀になるケースがほとんどです。その際に遺骨は他の方のものと一緒に祀られてしまいます。

2.お墓の継承は事実上困難になる

永代供養といえど、ほとんどのケースで「永代=永遠」ではありません。つまり、三十三回忌などの節目で合祀となり、事実上お墓の継承は難しくなります。

3.親族の理解が得にくい場合も

1や2のこともあり、永代供養墓に対して親族の理解が得にくい場合も想定されます。この場合、必要性とメリットを粘り強く説いていく必要が生じるかもしれません。

永代供養墓のメリット・デメリットについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの「永代供養墓の特徴」も合わせてご一読ください。

そもそも浄土真宗とはどんな宗派なの?

永代供養の概要について理解を深めたら、次は浄土真宗の特徴についてもおさらいしておきましょう。他の宗派にはないいくつかの特徴があるようですよ。

浄土真宗は親鸞を宗祖とする他力念仏が特徴

浄土真宗は、鎌倉時代に親鸞(しんらん)聖人を宗祖として生まれました。「南無阿弥陀仏」と唱えればどのような悪人でも極楽浄土へ行ける。そんな話を学校の授業で教わったという方も多いのではないでしょうか。

浄土真宗には本願寺派と大谷派の二派がある

浄土真宗には「真宗十派」と呼ばれる10の宗派があるとされます。それらの中でも大きな2つの勢力が「本願寺派」と「大谷派」です。本願寺派は別名を「お西さん」、大谷派は「お東さん」ともいいます。

浄土真宗の他宗派には見られない特徴をご紹介

浄土真宗には、他宗派ではけっして見られない特徴があります。代表的なものをいくつかチェックしておきましょう。

浄土真宗の僧侶は肉食妻帯がOKとは?

かつてのお坊さんのイメージといえば、鳥獣の肉は食べず妻もめとらないというのが一般的でした。むろん、現代の日本では他宗派の方でも戒律を厳格に守っているケースばかりではありませんが、浄土真宗のお坊さんは昔から肉食妻帯が許されていました。

これは、阿弥陀仏の本願によって救われることを説く「他力本願」の考えによるものです。宗教者だろうがそうでなかろうが、どんな生活を送っていようがすべての人々が平等に救われるということを親鸞聖人みずからが実践したともいえます。

浄土真宗の御本尊は阿弥陀如来のみとは?

浄土真宗の本尊は、阿弥陀如来の一仏のみとされているのも注目すべき特徴です。他宗派では、一般的に大日如来や釈迦如来、観世音菩薩などさまざまな本尊が存在します。そんな中で親鸞聖人は「南無阿弥陀仏」を唱えることで極楽浄土へ行けると説いてきたのです。

浄土真宗では解脱や悟りといった自力による本願ではなく、阿弥陀仏の無限の慈悲と本願の力に身を委ねることを説いています。他の多くの仏に対する敬意は保ちつつも、実践と信仰の中心に阿弥陀仏を据えているというわけですね。

浄土真宗のお寺で御朱印をいただけないとは?

近年ではお寺さんを訪れ、お祈りしたりお経を納めたりした証に御朱印を拝領する方も増えてきました。しかしながら、浄土真宗の場合は追善供養を行わない教えのため、御朱印を発行してもらえないのが一般的です。

一般的に御朱印とは、経典を納めたりお経を上げたりしたことの証に「納経帳」にいただくもの。浄土真宗では故人の供養のためにお経を上げることがないので、その証も存在しないというわけです。

浄土真宗における永代供養の位置づけとは?

浄土真宗の門徒にとって永代供養とはどのような位置付けなのでしょうか。また、永代供養を依頼するのは可能なのでしょうか。この辺りについて詳しく掘り下げていきます。

浄土真宗に供養という概念はない

これを初めて聞く方はたいてい驚かれますが、浄土真宗にはそもそも供養という概念そのものがありません。それは、浄土真宗の門徒は死の直後に悟りを開いて仏になるとされているからです。これを即徳往生といいます。

他の宗派と異なり供養を必要としていないわけですから、むろん永代供養も必要ないわけです。ただし、供養自体はそうであっても故人の遺骨やお墓を管理し守っていくという意味では、永代供養も選択肢のひとつになりえます。

永代供養ではなく永代経とは?

永代供養と似た響きの言葉に永代経というものがあります。永代読経ともいいますが、似ているのは響きだけで性質は随分と異なるものです。永代経はあくまでも、先祖から受け継いできた教えを次世代へと受け継いでいくためのもの。故人の供養のためではありません。

永代経では懇志(こんし)と呼ばれるお布施を納めることで、お経をあげていただきます。故人やご遺骨を大切なご縁として感謝し、み仏の教えを未来永劫に伝承していこうという性質である点に注目するとよいでしょう。

浄土真宗でも永代供養は可能とは?

結論から申し上げれば、浄土真宗の門徒の方でも永代供養の依頼は可能です。先に紹介したように、そもそも宗旨・宗派を問われないのが永代供養の良さです。現在の菩提寺がそのまま引き受けてくれればいいのですが、そう都合よく物事が進むとはかぎりません。

むしろ、浄土真宗の教義を理由に永代供養を引き受けてくれないケースも十分に想定されます。そうなると、永代供養を引き受けてもらえる別の寺院や霊園をイチから探さなければなりません。可能だが難しい場合もあるというのが実際のところではないでしょうか。

浄土真宗で永代供養を依頼する際の注意点とは?

浄土真宗の門徒の方がさまざまな背景を理由に永代供養を依頼するとき、どのような点に注意するべきなのでしょうか。主なものをまとめてみました。

永代供養の依頼先をどこにするか

永代供養の依頼を検討することは、同時に今あるお墓を「墓じまい」することにもつながります。むろん、今お世話になっているお寺さんからは離檀しなければなりません。そうなると、信頼できる寺院や霊園を新たに探す必要が生じます。

まずは、今お世話になっている浄土真宗の寺院に相談を持ちかけてください。なぜなら、墓じまいや改葬に必要な書類をお願いしなければならないからです。そして、できれば同時に「みんなの永代供養」のような信頼できる相手を探しましょう。

浄土真宗にこだわるかどうか

ご先祖様の遺骨は守っていきたいが、浄土真宗への信仰も変わらず続けたい。そう願う方もいれば、信仰には特にこだわらないという方もいるはずです。正直なところ、どちらのスタンスを取るかによってアドバイスも変わってきます。

真宗にこだわる場合は、大谷祖廟(そびょう)や大谷本廟(ほんびょう)と呼ばれる場所に分骨するのもひとつの手段です。また、真宗のお寺さんでも永代供養墓を提供している場合もあります。まずは、信頼できる業者に色々とご相談ください。

新しい永代供養も選択肢のひとつ

浄土真宗の門徒の方が永代供養を検討するときは、新しいタイプの供養を検討するのもひとつの手段です。永代供養のあり方は、先ほど紹介した種類の他にもいくつか斬新なタイプのものが現れています。

たとえば、海洋散骨というものをご存知でしょうか。これは、遺骨や遺灰を海に撒くことで故人を弔います。また、近年ではネットの仮想空間上にお墓を設けるデジタル葬なるものも現れました。こういった新しい葬送手段も注目を集めつつあります。

浄土真宗の門徒の方でも永代供養のご相談は「みんなの永代供養」まで

浄土真宗には供養という概念が存在しないため、現在お世話になっている菩提寺では永代供養をお願いするのが難しいケースもあります。そんな方でも「みんなの永代供養」ならば寺院・霊園探しのご相談を承ることが可能です。浄土真宗の門徒であるかどうかに関わらず、祖先の遺骨やお墓を守っていきたいという思いはみなさん共通のもの。まずは、お気軽に「お問い合わせ」のページから相談を持ちかけてみてはいかがでしょうか。

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