永代供養に必要なお布施の内容・相場や渡し方について詳しく解説
永代供養を依頼するときに費用を払ってしまえば、その後は一切費用がかからないとは限りません。それは、年忌法要を行う際に僧侶にお布施を渡すケースが想定されるからです。今回は、永代供養でお布施が必要となるケースや相場、お布施の渡し方について詳しくご案内していきます。
目次
永代供養やお布施の基礎知識について
一度、永代供養を依頼してしまえば、その後は一切費用がかからないと考えている方は意外と多いもの。しかし、お布施というかたちでお金が必要となるケースがあるのも事実です。まずは、永代供養やお布施の基礎知識をしっかり押さえておきましょう。
※本コラムでは特別な記載がないかぎり仏教形式の供養について記述してまいりますので、ご了承ください。
※遺骨の埋葬は許可を受けた墓地以外には認められていませんので、注意が必要です。詳しくは、以下のサイトをご参照ください。
参考:墓地、埋葬等に関する法律の概要(厚生労働省)
まずは永代供養について押さえておこう
お布施について考える前に、まずは永代供養の基礎知識を振り返っておきましょう。そもそも永代供養とはどういったものなのでしょうか。(永代供養について詳しい方は、このセクションは飛ばしてお布施の項目に直接向かっていただいても結構です)
永代供養の概要
永代供養とは、寺院や霊園がご遺族に代わって遺骨を管理・供養を行っていくことをいいます。本来であれば、ご遺族やご子孫が故人のお墓を管理し供養を行っていくのが、望ましいスタイルなのでしょう。
しかしながら、少子高齢化や核家族化が進みつつある現代では、なかなかそうもいってられない状況です。ご遺族やご子孫だけでお墓を管理・供養していくのが非常に困難なケースも珍しくなくなってきました。
このようなとき、寺院や霊園に永代供養を依頼すれば、問題の多くは解消します。ただし、永代といっても、永久に管理・供養をしてもらえるとは限らない点には注意を払っておきましょう。多くの場合、供養は一代限りで、その後は合祀されるケースがほとんどです。
永代供養の種類
永代供養では、以下に挙げる3つの種類の中から故人やご遺族の意向に合ったスタイルを選択することが可能です。ここで、それぞれの特徴を押さえておきましょう。
1.永代供養墓で永代供養を行う
現在、もっともポピュラーな永代供養の方法です。もう少し細かくみていくと、さらに3つの埋葬形態があります。
「個人型」の永代供養墓では、故人ひとり一人について(またはご夫婦一組ごとに)墓石を立て、その下に遺骨を安置します。これは、みなさんがお墓と聞いてまっさきにイメージするものと近いものです。
「集合型」で永代供養を行う場合は、個別の墓石の代わりにモニュメント(慰霊碑)を立て、その周囲に複数の遺骨を納めます。実際にお墓を立てるわけではないので、墓石の費用や維持管理費がかからない点がメリットです。
「合祀型」で永代供養を行うときは遺骨を個別にではなく、まとめてひとつの場所に埋葬します。多くは霊廟と呼ばれる施設に安置されますが、いったん合祀されてしまうと分骨や改葬がとても困難になりますので注意しましょう。
2.納骨堂で永代供養を行う
納骨堂とは、屋外の墓地に遺骨を埋葬するのではなく、屋内で個別に設けられたスペースに遺骨を安置する形式の供養スタイルです。
屋内にあるため天候を問わず供養を行えますし、また施設が郊外にある必要性もありません。納骨堂では、個別の仏壇の前で手を合わせるのが一般的です。
しかし、近年ではいわゆる「ロッカー型」や「自動搬送型」の納骨堂も増えてきました。それぞれのメリットをよく踏まえた上で選択するのがよいでしょう。
3.樹木葬で永代供養を行う
近年、注目を浴びている比較的新しいタイプの永代供養です。永代供養墓の場合とは異なり、墓石や慰霊碑を立てることはありません。
代わりに遺骨の上や周囲に樹木や花々を植えることで、故人の冥福を祈ります。埋葬のスタイルは、永代供養墓の場合と同じく主に3種類です。
その他にも海中への散骨は宇宙葬といった形式などもあるようです。いずれにしても、個人やご遺族の意向に沿った永代供養の形式を選択するのがよいでしょう。
もう少し詳しく永代供養の種類について知りたい方は、こちらのページを参考にしてみてください。(リンク先:永代供養墓の種類とは | みんなの永代供養)
永代供養を依頼するメリット
ここで、寺院や霊園に永代供養を任せた場合のメリットについて大まかに押さえておきましょう。
1.永代供養なら後継者が不在でも安心
何らかの事情で故人や先祖代々のお墓を守っていくことが難しくなった場合でも、永代供養ならば安心です。寺院や霊園がご遺族に代わってお墓の管理や供養を行ってくれます。
どのタイプの永代供養墓を選択してもいずれは合祀となる場合が一般的ですが、供養は続いていくため無縁仏となってしまう心配もご無用です。
2.永代供養なら費用が安く抑えられる
一般的なケースですが、個人でお墓を用意した場合と永代供養を依頼した場合とでは後者の方が費用を安く抑えられることがほとんどです。
故人の供養はきちんと行いたい。だが、資金がそれほど潤沢にあるわけではない場合には永代供養を依頼するのもひとつの手段でしょう。
3.永代供養なら宗旨・宗派を問わない
宗旨とは仏教やキリスト教など、大まかに故人やご家族が信じている宗教を指します。一方、宗派とは仏教ならば「○○宗」や「××派」のようにもっと細かな区分です。
いずれにしても、宗旨・宗派を問わず受け入れてもらえる点も大きなメリットとして見逃せません。むろん、故人が無宗派の方でも永代供養の依頼をするのに問題はありません。
永代供養を依頼する場合のデメリット
一方で、永代供養を選択する場合にはいくつかのデメリットも存在します。寺院や霊園に依頼する際には、きちんと押さえておきたいものです。
1.遺骨の取り出しが不可能なケースも
永代供養でも「合祀型」を選択した場合は、遺骨の取り出しが事実上不可能になります。このため、分骨や改葬を検討されている方は注意が必要です。
2.いずれは他の方との合祀になる
「個人型」や「集合型」の永代供養墓を選択された場合でも、33回忌や50回忌という節目が過ぎれば、合祀となるケースがほとんどです。
3.お参りの方法に制限がかかる場合も
永代供養墓では、お参りの方法に一定の制限がかかる場合もあります。この辺りは管理する寺院や霊園の方針を事前によく確認しておく必要がありそうです。
もう少し詳しく永代供養墓のメリット・デメリットについて知りたいという方は、こちらのページも参考にしてみてください。(リンク先:永代供養墓の特徴 | みんなの永代供養)
法要を依頼する際に必要なお布施とは?
ここでは、僧侶に法要を依頼する際のお布施について解説していきます。そもそもお布施とはどのようなものなのでしょうか。また、お布施の相場や渡し方には一定の決まりはあるのでしょうか。
お布施の概要
お布施とは、葬儀や法要の際に読経や戒名授与などのお礼として僧侶や寺院に渡す金銭のことをいいます。これはあくまでもお礼としての気持ちを金銭のかたちで示したもので、葬儀や法要そのものにかかる費用とお布施は別物です。
本来、お布施とは「六波羅蜜」と呼ばれる仏様の境涯にいたる修業のひとつです。見返りを求めない施しを行うことで貪欲な気持ちを抑えます。また、お布施は物質的なものだけとは限りません。
お布施の金額相場
お布施の金額相場は、それぞれの寺院や地域特性などにより実にさまざまです。また、僧侶に直接お布施の相場を尋ねても「お気持ちで結構でございます」と言われてしまいかねません。そのような場合でも、葬儀会社や寺院の関係者に「お布施はどのぐらいの金額が多いのか」と尋ねてみれば教えていただけるかもしれません。
以下は、とある地域でのお布施の相場です。こちらはほんの一例ですので、あくまでもご参考までにとどめておいてください。
- 葬儀・告別式:10~50万円
- 初七日法要 :3~5万円
- 四十九日法要:3~5万円
- 納骨法要 :1~5万円
- 新盆・初盆 :3~5万円
お布施の他に必要な永代供養の費用について詳しく知りたい方は、こちらのページも参考にしてみてください。(リンク先:費用相場について | みんなの永代供養)
お布施の渡し方
僧侶にお布施を渡す際には、それなりの方法があります。もちろん、宗旨・宗派によって多少の違いはあるかもしれませんが、以下のやり方でほぼ問題ないでしょう。
1.お布施を入れるお布施袋を用意する
基本的には無地の袋であれば、封筒タイプのものでも多折りタイプのものでも構いません。表に「御布施」と印字してない場合は、毛筆や筆ペンで「御布施」と記入しましょう。そして、中央下には「○○家」のように家名を書くのが一般的です。
2.お布施として実際にお金を包む
お布施袋が用意できましたら、次は現金を袋に包みます。この際の金額はいくらであっても構いませんが、その地域の相場といわれる金額のお布施を包むのがよいでしょう。お札は、ピン札であってもそうでなくても特に問題はございません。
3.葬儀・法要の前後にお布施をお渡しする
僧侶にお布施をお渡しするタイミングは、葬儀や法要の始まる前か終わった後がベストです。その際には「本日はお勤めよろしくお願いいたします」「本日はお勤めありがとうございました」などの言葉を添えるとよいでしょう。
4.お布施を乗せる袱紗や切手盆を準備しておく
お布施は読経や戒名授与のお礼なのですから、お布施袋をそのまま手渡しというのはあまり感心できません。きちんと袱紗に包んでおいてお渡しする直前に袱紗を開くかたちにするか、切手盆の上に乗せた状態でお渡しするかのいずれかをおすすめします。
5.お布施と一緒にお菓子を一緒にお渡しする場合
お布施をお渡しする際にお菓子をいっしょにするケースもあることでしょう。その場合はなるべく日持ちのする焼菓子などをチョイスするのがおすすめです。包装紙には「御供」と文字を入れた黒白の水引を添えておきましょう。
お布施をお渡しする場である葬儀や法要は厳粛とした儀式ですので、きちんとマナーにのっとったやり方で行いたいものですね。
永代供養でもお布施が必要となる場合も
永代にわたって寺院や霊園に供養をお願いするのだから、一度まとまった費用を納めてしまえばその後はお布施などは必要ない。そう思っている方もいらっしゃると思います。しかし、場合によってはお布施が必要になる場合があることも事実です。ここでは、そのようなお布施が必要なケースについて詳しく解説していきます。
ケース1:納骨法要を行うときにお布施が必要
永代供養であっても納骨法要を行うときに、僧侶を呼んでお経を呼んでいただきます。そのような場合は、お布施が必要になると考えるのが自然です。
お布施が必要な納骨法要とは?
納骨とは故人の遺骨を骨壺に収め、お墓や霊廟に安置することをいいます。その際、通常は僧侶に依頼してお経をあげてもらい参列者にお焼香をあげてもらうのが一般的です。
お布施はいくらぐらい包むべき?
納骨法要の際に僧侶にお渡しするお布施ですが、1万円から5万円が相場とされています。もちろん、法要の規模や地域特性などもありますから、事前によく調べておくとよいでしょう。
ケース2:年忌法要を行うときにお布施が必要
ふだんの管理や供養は寺院や霊園にお願いするとしても、年忌法要に関しては別だと考える方は多くいらっしゃいます。その際には、もちろん僧侶に読経を依頼しますし、謝礼としてお布施を渡すのが一般的です。
以上の2つがお布施を必要とする代表的なケースですが、その他にも追加で法要を行えばお布施が必要となる場合もあります。また、お布施に相当する部分が永代供養料に含まれているのかどうか、詳しい部分は寺院や霊園に直接尋ねてみるのがいいでしょう。
お布施が必要な年忌法要とは?
年忌法要とは、決まった年の命日に行う追善供養を意味する言葉です。一般的には7回忌(6年目)や13回忌(12年目)がよく知られていますが、3や7の付く年度に行います。そして、33回忌(32年目)に弔い上げとするケースが多いようです。
お布施はいくらぐらい包むべき?
年忌法要の際にお渡しするお布施の金額ですが、3万円から5万円が相場の地域が多いようです。ただし、弔い上げの際は法要の規模が大きくなるのが一般的ですので、金額をもう少しアップさせた方がいいかもしれません。
永代供養のご相談は「みんなの永代供養」へ
今回は、永代供養とお布施の概要をご説明するとともに、永代供養でお布施が必要となるケースについてご説明いたしました。お布施は僧侶に対するお礼の気持ちとして古来より受け継がれてきたものです。これからも、金額の大きさではなく感謝の気持ちとしてお布施を大切にしていきたいものですね。
永代供養についてご相談のある方は、こちらからお問い合わせください。