お墓のお役立ちコラム

墓じまいの費用が払えないとお悩みの方に現実的な解決策を伝授!

後継者不足などの理由で現在あるお墓を維持していくのが難しく、墓じまいをしようか検討している。かといって、改葬のためのまとまった費用などとうてい払えない。そんなお悩みを抱えた方のために、現実的な解決策と費用の詳細を解説いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

そもそも墓じまいとは何をすることなの?

墓じまいの費用についてお話する前に、そもそも墓じまいとは何なのかを軽くおさらいしておきましょう。そうすれば、墓じまいの何に費用がかかるのか、墓じまいの費用を払えないときはどうすればよいのかを理解する手助けになります。

墓じまいとはお墓の撤去をすること

端的に言えば、墓じまいとは先祖代々のお墓を撤去してしまうことです。

なぜ?どうして?と疑問の湧く方もいらっしゃると思いますが、背景にはさまざな事情が存在します。そのうちのいくつかをご紹介しましょう。

墓じまいを検討する理由・3選

1.後継者不足で墓じまいせざるをえない

まずはじめに挙げられるのが、後継者不足の問題です。お墓はご先祖様が代々管理してきたことで現在に受け継がれています。昨今の少子高齢化や人口が首都圏へ集中した結果、地方を中心に後継者が不足しているのが現状です。

2.経済的な理由でお墓の維持が困難

また、お墓には管理するための費用が必要で、これが払えないというのも墓じまいの決意にいたる理由のひとつです。埋葬されたご先祖様の年忌供養に必要な費用やお布施はもちろん、ときには寺院そのものの維持に必要な寄付を求められることもあります。

3.距離があるためお墓の管理が大変

さらに、跡継ぎ候補の方が実家から遠方に暮らしている場合も、墓じまいを考えるきっかけのひとつとなりえます。こうなると、何か法要があるたびに故郷に帰ってこなければなりません。交通網の比較的発達した現代でさえ、これはなかなか大変なことです。

 

このように、墓じまいにいたる背景やきっかけにはさまざまなケースがあります。後継者がいない・費用が払えない・居住地が遠い、いずれの問題にしても、一気に解決させるのはなかなか至難の業です。「それよりはいっそのこと墓じまいを……」と考えても、何ら不思議ではありません。

墓じまいのあとは改葬が必要になる

お墓を撤去して埋葬された遺骨の魂抜きを行ったら、次は新しい納骨先を手配しなければなりません。むろん、手元供養(=自宅に遺骨を置いて供養すること)という手段もとれますが、これはあくまでも一時的な措置だと考えておくのがいいでしょう。

改葬先を見つけるにはそれなりの時間と労力を要しますし、そちらでも墓石代や管理費などの費用が発生すると考えるのが一般的です。またお金がかかるのなら、いっそのこと実家の庭先に埋葬してしまえばいいのでは?と考える人も出てくるかもしれませんね。

ところが、これは違法行為なので十分に気をつける必要があります。厚生労働省の「墓地、埋葬等に関する法律」のページにあるように、遺骨は墓地に埋葬されなければなりません。ここでいう墓地とは、都道府県知事の許可をうけた区域を指します。

墓じまいのあとは改葬もセットで行うと覚えておきましょう。

墓じまい後は永代供養の依頼が定番

無事に墓じまいを終え手元に遺骨が戻ってきたら、新しい受け入れ先として寺院・霊園に改葬を依頼するのが一般的です。その際は、新しい墓地を購入し墓石を立て直すのではなく、永代供養を選択することになるでしょう。

なぜならば、費用が払えないことや跡継ぎが存在しないことなどが墓じまいの理由だったはずだからです。永代供養は、一般的な墓地・墓石を購入するよりも廉価で遺骨を埋葬できます。加えて、契約期間の17年・33年等の期間が過ぎた後でも永代にわたり供養してもらえます。

費用は、選択する永代供養のかたちに応じてさまざまです。

個別の区画に墓石が必須となればそれなりの費用(100万円~300万円)は覚悟しなければなりません。こうなると、払える方よりも払えないという方の方が増えてくるでしょう。

反対に、樹木葬などで合祀でもよければ数万円程度の費用で済むケースさえあります。これならば、払えない方よりも払えるよという方の方が多いのではないでしょうか。

永代供養墓の種類や費用相場についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの「永代供養墓とは」のページも合わせてご覧ください。

墓じまいの費用は払えないほどかかるの?

墓じまいから改葬まで行った場合、いったいどのぐらいの費用を見込んでおけばいいのでしょうか。

おおよその総額が分かっていれば、いざというとき「払えない」と慌てなくても済みますし、余裕をもって費用を工面できるのではないでしょうか。

【払える?払えない?】墓じまいの費用その1:お墓の撤去にかかるもの

ここでは、墓じまいに必要な費用のうちお墓の撤去に関係するものをまとめてみました。代表的な3つをご紹介しますので、参考にしてみてください。

墓じまいにともなう墓石の撤去費用【10~30万円】

墓じまいは、まず墓石を解体・撤去することから始まります。この作業を一個人レベルで行うのは非常に困難です。そこで、専門の業者に依頼するわけですが、このとき作業費用として10〜30万円程度のお金がかかります。

墓じまいにともなう離檀料(りだんりょう)【5~30万円】

菩提寺の墓地から遺骨を引き取ることは、同時にその寺院の檀家から籍を抜くことを意味します。その際、寺院に対してそれまでの謝礼の意味で支払う金銭が離檀料です。離檀料は、お寺さんとの付き合い方にもよりますが、5〜30万円程度の支出を見込むとよいでしょう。

墓じまいにともなう寺院へのお布施【3~10万円】

墓じまいの際には、寺院へ納めるお布施も必要になるケースも考えられます。これは、先ほどご説明した離檀料とは異なるものです。閉眼供養(へいげんくよう)や魂抜きと呼ばれる儀式の際に、僧侶への謝礼として3〜10万円ほど包みます。

【払える?払えない?】墓じまいの費用その2:改葬先にかかるもの

墓じまいの費用には、改葬先にかかるものもあります。ここでは、大きく分けて2つの費用についてしっかりと押さえておきましょう。いざというとき、払えないとならないようしっかり準備を進めておきましょう。

墓じまい後の新しい納骨先に納める費用【数万~100万円超】

墓じまいをして祖先の遺骨を無事に取り出したなら、次は改葬先に遺骨を納める番です。ここで必要になる費用は、選ぶ改葬先によって実にさまざま。数万〜10数万円程度で済む場合もあれば、100万円を超える場合もあります。

墓じまい後の改葬にともなう寺院へのお布施【3~10万円】

改葬にともない僧侶に開眼供養(魂入れ)の儀式を依頼したなら、寺院へのお布施も忘れてはいけません。こちらも閉眼供養(魂抜き)の場合と同じで、地域性や納める遺骨の数などにより相場は上下するのが一般的です。

【払える?払えない?】墓じまいの費用その3:各種書類の準備にかかるもの

墓じまいや改葬で必要な書類の準備にも、少額ではありますが費用がかかる場合があります。払えないということは少ないと思いますが、念のために押さえておきましょう。

墓じまいに必要な埋蔵証明書の発行費用【300円~1500円】

火葬した遺骨がお墓にあることを証明する書類です。発行は遺骨を納めている寺院や霊園に依頼します。依頼の際に300円〜1500円程度の手数料がかかるのが一般的です。また、納められている遺骨の数だけ必要になるので、複数の遺骨がある場合は注意しましょう。

収蔵証明書【300円~1500円】

火葬した遺骨が納骨堂にあることを証明する書類です。名前はやや異なりますが、埋蔵証明書と同等のはたらきをするものだと考えてよいでしょう。

埋葬証明書【300円~1500円】

遺体を火葬ではなく土葬にしてある場合の書類です。現在では火葬にするケースが一般的ですが、かつての日本では土葬にする場合もありました。

改葬に必要な受入証明書の発行費用【無料~1000円】

墓じまい後の改葬先に発行してもらう書類です。遺骨を引き取った後にも、新たな埋葬先があることを証明します。こちらも寺院や霊園に依頼しますが、費用は無料から1000円程度までと、こちらもややバラつきがあるようです。

墓じまいに必要な改葬許可証の発行費用【300円程度】

新しいお墓に入るためには改葬許可証の存在が欠かせません。他のすべての書類は、この許可証を発行してもらうために必要なものです。発行にかかる費用は、お住まいの地域にもよりますが300円程度を見込んでおきましょう。

改葬許可申請書【300円程度】

上記の改葬許可証を発行してもらうのに必要な書類のひとつで、埋蔵証明書や受入証明書とともに、自治体の窓口に提出します。改葬を行う遺骨1体分につき手数料が300円程度かかるケースが多いようです。払えないということは少ないでしょうが、注意しておきましょう。

墓じまいの費用が払えないとどうなってしまうの?

墓じまいの必要性を感じてはいるが、かといって費用が工面できず払えそうにない。このような状態をずっと続けてしまうとどうなってしまうのでしょうか。主な問題点を3つに絞って考察してみます。

墓じまいの費用が払えないと代々の墓が荒れ放題になる

墓じまいの費用を用立て出来ずになかば放置したままだと、先祖代々のお墓が荒れるに任せ放題になってしまいます。清掃や草取りもできず、溜まった落ち葉や伸びっぱなしの雑草で墓地が埋め尽くされてしまうかもしれません。

こうなってしまうと、ここまで命をつないでくれたご先祖様方に気持ちよく眠り続けていただくのは難しくなります。遠くて頻繁にお手入れができない、かといって墓じまいの費用を払えないと、このような悲惨な事態すら招きかねないのです。

墓じまいの費用が払えないと無縁仏が出来てしまう

墓じまいや改葬の費用が払えないままでいると、いずれ先祖代々のお墓を継承する方がひとりもいらっしゃらなくなるかもしれません。そうなると、遺骨の供養をする方がいなくなり、ひいてはご先祖様が無縁仏になってしまうおそれが出てきます。

それでは、ここまで命をつないでくれたご先祖様に申し訳がたたないことに。墓じまいの費用が払えないと、このような事態も十分に想定できます。

墓じまいの費用が払えないと子孫に負担がのしかかる

墓じまいの費用が払えない、つまり改葬できずにいると、次の世代に課題を残してしまうことにつながります。もう少し端的にいえば、費用や手間といった負担を子孫に押しつけてしまうことになりかねないということです。

墓じまいの費用が払えないときの解決策は?

墓じまいから改葬までにそれなりの費用がかかることはご理解いただけたと思います。しかしながら、まとまった費用をすぐに用意するのは難しいときがありますよね。

このような場合、まずは誰がその費用を払うのかといったトラブルが少なからず起きてしまうことがあります。そういったトラブルに備えるために、代表的な相談相手をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。

1.墓じまいの費用が払えないときは家族・親族に相談する

墓じまいや改葬すること自体も含め、費用のことはまず家族や親族に相談するのがおすすめです。その場合、何にどれくらいかかるのか、費用の詳細をまとめた上で「だれが」「どれだけ」払うのか、負担の割合をよく相談しておきましょう。

2.墓じまいの費用が払えないときは菩提寺の住職に相談する

墓じまいの際に墓石を撤去することを含め、事前に菩提寺の住職とよく相談しておくことも大切です。特に離檀料はその地域の特性や慣習などが大きく影響するため、墓じまいをする決断をしたらすぐにでも相談を持ちかけ、払えない事態になるのを避けましょう。

3.墓じまいの費用が払えないときは銀行等の金融機関に相談する

たとえば、地方銀行のひとつである千葉銀行には「ちばぎんメモリアルローン」という金融商品があります。これは、お墓や仏具、葬儀といった用途に限定して融資を行ってくれるものです。こういう使途限定ローンで払えない事態を回避することもできます。

4.墓じまいの費用が払えないときは国民生活センターに相談する

墓じまいにかかる費用が払えないというお悩みは、国民生活センターに相談するのもひとつの手段です。特に法外だと思える離檀料を請求された場合などは、ひとりで悩まずに第三者にかならず相談するようにしましょう。

5.墓じまいの費用が払えないときはお住まいの自治体に相談する

墓じまいの費用が払えずに悩んだら、お住まいの自治体で補助金が申請できないか調べてみるのもいいでしょう。たとえば、千葉県市川市で行っているのが「市川市霊園一般墓地返還促進事業」という取組みです。今後もこのような自治体も増えてくることでしょう。

墓じまいの費用が払えないとお悩みの方は「みんなの永代供養」までご連絡を!

今回は墓じまいの流れを中心に、どのような費用がかかるのかや費用が払えない場合について解説させていただきました。墓じまいや改葬の費用が払えないという事態を避けるために、日頃から情報を集めよく相談しておくことが大切ですね。


墓じまいから改葬のことまで、そして何よりも一番の関心事である費用のことも「みんなの永代供養」にまずはご相談ください。墓じまいの費用が払えないという事態が避けられるよう、親身になってご相談に応じさせていただきます。

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