永代供養墓とは?選び方や注意点をわかりやすく解説
永代供養墓とは
永代供養墓とは名前の通り、お寺や霊園が永代にわたってご遺族の代わりにお墓の供養や管理をしてくれるお墓のことです。
近頃ではお墓に対する考え方が、2000年以前、特に昭和の時代以前とはだいぶ変わってきて、多様化もしています。
そんな中、お墓の跡継ぎがいないと悩む方や、子どもにお墓のことで苦労や負担、手間をかけさせたくないと考える方も増えてきました。そもそも子供がいないご夫婦や、結婚をせず身寄りのない方も増加してきています。
他にも大きなお墓はいらない。お墓にかかる費用をできるだけ抑えたいという方もいます。
そういった方に特に選ばれているのが、この永代供養墓です。
自分の親が高齢になってきて、お墓のことなんて考えたくはないけれど少しは考えておいた方がいいと思う方や、実際に家族がお亡くなりになって、お墓をどうしようかと考えている方のほとんどが、一度は見たり聞いたりしたことがあるお墓の名前ではないでしょうか。
永代供養墓は、今までのお墓と何がどう違うのでしょう?
このコラムでは、永代供養墓とは何かわかりやすく解説していきます。
永代供養とは
「永代供養」とはお寺や霊園が、永代にわたってご遺族の代わりにお墓の供養や管理をしてくれる仕組みのことです。
「永代」とは永遠ではなく「ながい年月」という意味です。本当に稀なことですが、火事や天災など、何かしらの理由で供養が続けられなくなることがあるかもしれません。ですが、そこはあまり心配する必要はないでしょう。
永代供養墓の種類
以前の永代供養墓は、亡くなった方のご遺骨を他の方も一緒に埋葬する合祀という形式が主流でした。
最近ではそれに加え、ご遺骨を納骨堂などに骨壷のまま個別に収めるものや、シンボルとなる樹木のもとに個別に骨壷のまま埋葬する樹木葬など、霊園やお寺によって様々な形式、名称があります。
永代供養墓の選び方
永代供養のお墓を決めるときは、まず何人がそのお墓に入ることになるのかを考える必要があります。
永代供養のお墓には、お一人様用、ご夫婦などお二人様用、ご家族様用、ペットも一緒に入れるお墓などの種類があります。
永代供養だからといって、まったくお墓参りもせずに全て霊園やお寺に任せっきりというわけにもいきません。
お一人様でない限り、ご遺族の方はお墓参りに行くことが度々あるかと思います。
高齢になってくると、遠い場所にあって電車やバスを乗り継がないと行けなかったり、急な斜面の上の方にある霊園やお墓だと、行くのがとても大変になってしまいます。
できればお住まいからあまり遠くない、行きやすい場所を選びましょう。
永代供養墓にかかる費用
永代供養墓の費用の内訳としては、永代供養料、埋葬料(納骨料)、維持管理費、墓石代、墓石の彫刻料などがあります。
永代供養墓は、契約時にそういった費用の含んだ費用を支払い、その後は諸費用の心配はしないで済むところが多いようですが、すべての霊園がそうとは限りませんので、契約後に支払う費用があるのか、あるとしたら何の費用なのか良く確認してください。
また、同じ霊園やお寺の個別の永代供養墓でも、契約する期間によって費用が変わってきます。個別のスペースに遺骨を安置しても、ある一定の契約期間が過ぎると合祀のお墓に移して供養を続けることが多いです。
何回忌(何年間)まで個別で供養してもらえるのか、霊園やお寺によって違いがあるので、そこも考慮するといいでしょう。
永代供養墓のメリット
◯ かかる費用が抑えられる
永代供養墓は基本的に、すでにできている墓所を契約することが多いので、個別のお墓でも新規に墓石を購入したりする必要がありません。また合祀の永代供養墓だと他の方との共用になるので、さらに費用が抑えられます。
◯ 子どもに心配や苦労をかけないで済む
仕事などで遠くに引っ越してしまった子どもが、お墓参りやお墓の掃除などにわざわざ帰ってこなくても、霊園やお寺に任せることができて、手間がかからないようにすることができます。
◯ 墓じまいなど、お墓に関する将来の心配をしないで済む
一般のお墓は、いつか後継者がいなくなったときや、お墓の引っ越しをしなければならなくなった時に墓じまいをしなければなりません。それには費用だけでなくたくさんの手続きがあり、子孫に苦労をかけることになってしまうかもしれません。
永代供養墓はそういった、将来あるかもしれない心配をしないですみます。
◯ 無縁仏になることがない
もしお墓の供養や管理をする人がいなくなってしまっても、霊園やお寺が永代にわたって供養をしてくれるので、無縁仏になることがありません。
◯ 宗旨や宗派、国籍など問わない
特に民間の霊園では、宗教をはじめ、宗旨や宗派など関係なく利用することができます。
◯ 生前の契約ができる
特におひとりさまの場合、自分にもしものことがあったときのために、自分の希望でしっかり決めておくことができます。
永代供養墓の注意点
現代の社会事情にあった、とても人気のある永代供養のお墓ですが、注意して考えなければいけない点もあります。
◯ 合祀の永代供養墓だと、後でお骨を取り出せない
たくさんの他の方と共用になる合祀のお墓に埋葬された場合、後でお骨を取り出すことはできなくなります。親族がいる場合、しっかりと相談して決めないと後々トラブルになることがあります。
◯ 個別の永代供養墓でも契約の年数があり、その後は合祀のお墓に移されての供養になります。そこはしっかりと理解しておきましょう。
◯ お墓を継ぐことができません
永代供養墓は、そこに入る方の人数や年数の契約があります。それを過ぎると合祀のお墓に移されて、契約にない方が継承して使用することはできません。
まとめ
お墓に関してはたくさんの方が「後継者がいない」「子どもに苦労をかけたくない」「そんなに費用をかけられない」といったことでお悩みになっています。
永代供養墓は、誰でも100%受け入れられる選択肢とは限りませんが、たくさんの方のお悩みを解決できるスタイルのお墓です。
永代供養墓をお考えの方は、ご希望にあった霊園やお寺としっかりと相談をして、理解を深め、トラブルのないお墓選びをしましょう。