次男がお墓を継ぐ場合の継承と手続きのポイントを詳しく解説
「お墓を継ぐのは長男」だと思っていませんか?
しかし時代の変化と共に次男が実家のお墓を継ぐことになったというケースが近年増えています。
高齢の親から「できれば家のお墓を守ってほしい」と言われたり、兄弟で「誰が継ぐのか」を話し合ったり、地域ごとの決まりがあったりとさまざまな事情が絡むなかで、「次男が継いでもいいのか」「どんな手続きが必要なのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、次男がお墓を継ぐ際の法律的な根拠や親族間の合意、手続きの流れ、さらに墓じまいや永代供養といった新しい選択肢までをわかりやすく解説します。
目次
次男がお墓を継ぐことはできる?
昔から日本では長男がお墓を継ぐ風習が根強く、次男は分家して別にお墓を用意することが一般的でした。しかし、現在の民法では性別や生まれた順番に関係なく誰でも承継者になることができ、次男でも問題なく先祖代々のお墓を継ぐことができます。
墓地や霊園によっては「長男のみ」「親等制限あり」など規定がある場合もあるので、事前確認が必要です。
次男が承継者となるケースとは
実際に長男が遠方に住んでいたり、様々な事情でお墓を継ぐことが難しい場合や、承継を放棄する場合は次男が代わってお墓を継ぐことも増えています。本人や家族の意思、墓主の了承が得られていれば、次男でも問題なくお墓を継承できます。
こちらの記事でも解説していますので詳しく知りたい方は合わせてご覧ください。
「墓じまい」後は長男であってもお墓を継がなくていいは本当?
お墓継承順位と祭祀承継者の決め方
お墓継承順位とは
法律上の祭祀承継者順位は、故人の指定や慣習、家庭裁判所の判断に沿って決まります。つまり、長男が優先されるわけではなく後継者の指定がある場合や、家族間での合意が優先されます。
民法第897条では、祭祀承継者について「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、慣習に従って承継する。ただし、被相続人の指定があれば、その者が承継する。慣習が明らかでないときは、家庭裁判所が承継者を定める。」と定められています。
(参考:民法第897条|e‑Gov法令検索)
つまり、法律上は「長男が必ず継ぐ」と規定されているわけではなく、優先されるのは
- 故人が遺言や生前の意思表示で承継者を指定している場合
- その指定がない場合は地域や家の慣習
- 慣習も明らかでない場合は家庭裁判所が指定
という順番になります。
このため、長男が遠方や高齢で継承が難しい場合でも、次男が祭祀承継者になることは法律上可能です。
次男がお墓を継ぐ際に親族間でのトラブルを防ぐために
次男がお墓を継ぐことに本人が納得していても、「長男がお墓を継ぐべき」という考えを持っている方はまだまだ多いのが現状です。後々のトラブルを防ぐためにもまず親族間で誰が承継するかを話し合い、口頭だけでなく書面や遺言書に残しておくと安心です。
お墓の継承手続きの具体的流れ
名義変更に必要な書類と申請
お墓の承継には、戸籍謄本・住民票・承継使用申請書・墓地使用許可証などが必要です。書類は自治体によって異なる場合があるため、事前に墓地や霊園の管理者に問い合わせるとスムーズです。また、提出書類には印鑑証明や本人確認書類が必要になることもあるので、不備があると手続きが長引く可能性があります。特に改葬と並行して行う場合は、申請の順序にも注意が必要なのでしっかりと確認しましょう。
墓地の規約確認と管理責任
墓地によっては承継者の制限や様々な規約が定められている霊園もあるため、個別のルールがないか確認しておくことが重要です。また、名義人と実際の管理者が異なるとトラブルの原因にもなるので、名義と実務管理は一貫させるのがおすすめです。
例えば、長男が海外赴任や遠方に住んでいるけれど、年末年始や法要の際に地元に残る次男が自然とお墓の掃除や供養を担うという方もいらっしゃるでしょう。このように「事実上の管理者」が次男であるケースは珍しくなく、そのまま正式な承継者になるパターンも増えています。
次男がお墓を継ぐ際に気をつけたいポイント
維持費と将来の継承者問題
お墓の管理や維持には費用や時間がかかります。次の世代まで誰が継ぐかを考慮し、家族と共有しておくのが安心です。また、管理費の負担配分や責任の所在を文書化しておくとトラブルを避けやすくなるでしょう。
墓地の年間管理費は一般的に5,000円~15,000円程度ですが、都市部の民間霊園ではそれ以上になるケースもあります。
また地震や風化による墓石の補修など、管理費以外の金銭的負担や雑草の除去、清掃維持など費用面以外での負担もあります。自分の代だけでなく「その次をどうするか」まで見据えて話し合っておくと安心です。
継承拒否や墓じまいの選択肢
本人や次世代が継ぎたくない場合でも、祭祀承継者になった以上は原則として継承自体の放棄はできませんが、将来的に墓じまいや永代供養を選ぶことはできます。お墓の継承が難しい場合、墓じまいをして永代供養を選ぶことで継承者の負担を軽くすることも選択肢の一つとして考えておくと良いでしょう。
お墓を継がない場合の選択肢【墓じまいと永代供養】
お墓を継ぐことが難しい、または将来的に継承者がいない場合には「墓じまい」をして「永代供養」をするという選択肢があります。ここからは墓じまいをして永代供養をする際の具体的な手順や選択肢を紹介していきます。
墓じまいとは
墓じまいとは、現在のお墓を撤去し、更地にして墓地の使用契約を終了することを指します。遺骨は新たな納骨先に移動する必要があり、これを改葬と呼び、改葬先としては永代供養墓、納骨堂、樹木葬などがあります。
墓じまいの一般的な流れは以下の通りです。
- 親族間で合意形成を行う
- 墓地管理者(寺院や霊園)に相談
- 改葬許可申請を役所に提出
- 墓石の撤去・遺骨の取り出し
- 新たな納骨先への移送・納骨
費用は30万~100万円程度かかることが多く、墓石撤去費用や改葬先の契約費用などによって変わります。
墓じまいについて詳しくはこちらの記事もご覧ください。
永代供養とは
永代供養とは寺院や霊園が契約者に代わって永代に渡り遺骨の管理と供養を行う方法です。継承者がいない場合や、子供への負担を減らしたい場合に選ばれることが増えています。
永代供養の特徴は以下の通りです。
- 契約時に管理費や供養料を一括で納めることが多く、後の費用負担が少ない
- 合同墓や納骨堂、樹木葬など形式が多様でライフスタイルに合わせて選べる
- 33回忌や50回忌など、一定期間の供養後に合祀される場合が多い
永代供養墓の種類や特徴について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
永代供養墓を知ろう! 「永代供養」の意味やさまざまな永代供養墓の特徴をわかりやすく解説
選択肢を検討するタイミング
次男がお墓を継ぐ場合でも将来的に継承者がいなくなる可能性がある場合は、早めに墓じまいや永代供養を検討しておくことを視野に入れておきましょう。特に、維持費や管理の負担が大きい場合は元気なうちに手続きを進めることで、家族や親族の負担を大幅に減らすことができます。
もちろん費用面だけでなく、供養のスタイルや管理体制、宗教的な配慮も含めて比較するようにしましょう。
まとめ
次男がお墓を継ぐことは現代では十分可能ですが、慣習や墓地のルール、親族との合意が大切になります。祭祀承継者の順位や手続き、トラブル防止策を理解し、話し合いや書面での意思表示を行えば、安心して継承を進められます。
また、お墓を継承していくのが難しい場合は墓じまいをして永代供養をするという選択肢もあります。ライフスタイルが多様化した現代では、昔ながらの慣習のまま「長男がお墓を継ぐ」ことが難しくなっている方も多くいらっしゃいます。
次男がお墓を継ぐ場合やその後の供養に悩んだ際はぜひ参考にしてみてください。






