お墓のお役立ちコラム

お墓を移すとよくないって本当なの?そのデメリットとメリット

 

「お墓を移すのは良くないよ」
「お墓を移すとバチが当たるから、よくないよ」

家のお墓がある場所から遠くへ引っ越しをしなければならなくなったり、お墓をつぐ子どもや親族がいないから、今あるお墓を墓じまいして永代供養のお墓へ遺骨を移すことを考えている方は多くいます。

そんな時に思い出されるのが、お墓を移すことに対する良くないネガティブな意見。
家族や親族からもお墓を移すことに反対されるかも知れません。

今回のコラムでは、お墓を移すのは本当に良くないことなのか、そのデメリットとメリット。実際にお墓を移すにはどうすればいいのかなどを解説していきます。ぜひ参考にしてください。

 

目次

お墓を移すのは良くないことなの?

お墓を移すのは良くないことではありません。

お墓を移すことは、文化や宗教によって異なる価値観や信念に影響されます。そして、そこからうまれる迷信のようなことも多々言われているようです。

不幸や祟りがあったりする?

お墓を移すことに関する「不幸」や「祟り」といった考えは、文化や信念によるもので、もちろん科学的な証拠に基づいているわけではありません。一部の文化や信仰では、お墓を移すことは神や亡くなった方の霊に対する冒涜と見なされ、不幸や祟りが生じると信じられています。

お墓を移すこと自体は不幸や祟りを引き起こす原因ではありません。そういった不幸や祟りと呼ばれるような良くない出来事は、お墓を移す際の手続きが煩雑だったり、家族や親族にしっかり説明をしなかったことが原因で起こる単なるトラブルです。

お墓を移す場合には焦らず、余裕を持って家族や親族の考えや感情を尊重してコミュニケーションを大切にすることが重要です。

お寺とトラブルになることがある

お寺にあるお墓を移すということは、檀家をやめる=離檀ということになる場合がほとんどです。

その際、離檀料というのをお渡しすることがありますが、ご自分の収入によって支払える範囲でお渡しするのが良いと思います。

稀に離檀されることをよく思わないお寺から高額な離檀料を請求され、トラブルになることがあります。実際、離檀されるということはお寺にとっても、修繕などに使われる収入が減ることになるので嬉しいことでないのは確かなところです。

ただ、この離檀料は強制的なものではなく、すべてのお寺が離檀料を請求するわけではありません。もし請求されても金額は法事などで収めるお布施の2~3倍、5~20万円くらいが相場のようです。

お寺とトラブルにならないよう、お墓を移すことをいきなり一方的に伝えるのではなく、どうしてお墓を移すことを考えたのか、誠意を持ってその経緯や理由を話し、今までの感謝を込めて相談することから始めましょう。

お墓を移すのは良くないことではありません

お墓を移すための手続きや、周りとの相談やコミュニケーションで時間がかかってしまうことはありますが、トラブルになることを避け、お墓を移した後もしっかり供養が続けられていくのであれば、お墓を移すのは決して良くないことではありません。

お墓を移すのは良くないと反対されたら

家族や親族にしっかりと説明をする

お墓を移すのは宗教的、法律的にも問題があることではなく、お墓を移すことがなければ、お墓参りやお墓の掃除などの管理もできなくなり、かえって先祖に申し訳ないことになってしまうこと、これからもしっかりと先祖を供養していくための手段であることを説明しましょう。

不幸や祟りがあると反対された場合は、お墓を移す際にはしっかりと住職にお経をあげてもらい魂抜きをして、そういったことが起こらないようにすることも伝えましょう。

お墓を移すのはどんな時?

お墓を今ある場所から他の場所に移す理由としては、特に最近では特に都会に移り住む方が多くなってきて、先祖代々のお墓は田舎にあるけれど自分の住まいからは遠くにあり、お墓参りやお墓の掃除などの管理が難しくなってきたという方が多いようです。

また高齢になればなるほど、特に子どもがいない場合などはお墓の管理、この先のお墓の維持に関する苦労や心配が多くなってきます。いつか放置されることになってしまうようなことにならないうちに、お墓を移すことを考えてもいいかも知れません。

お墓を移すデメリット

それでは、お墓を移すときにあるデメリットは、どんなことがあるでしょうか?

お墓を移すと家族や親族とトラブルになることがある

お墓を移すことを考えたときには、周りの家族や親族にしっかり相談をして了解をとっておくことが大事です。

古くからのしきたりや伝統を守りたい方は、「不幸が訪れる」「ご先祖様のバチがあたる」などと、お墓を移すことに大きな抵抗を感じるかも知れません。

そういった方には、先祖のことを思うからのお墓の移動であることや、移す際にはしっかりとお寺の住職に読経をしていただき魂抜きなど、先祖に失礼のないように手順をしっかり踏んで移すことを説明して、了承していただきましょう。

お墓を移すとお墓のあったお寺とトラブルになることも

お寺にあるお墓を移すことを考えたら、そのお寺にもしっかりとお話をしましょう。

その際には今まで先祖を供養していただいた感謝の気持ちをしっかりと伝え、自分が遠方に住んでいてお墓参りやお墓の維持管理が大変であることや、子どもがいなくて跡を継ぐ人がいないことなど、お墓を移すことを考えた経緯を話して相談するようにしましょう。

一方的にもう決めたこととして伝えたりすると、お寺としても気持ちがいいことではなく、そこから高額な離檀料を請求されたり、埋蔵証明書といった書類を発行してもらえないなどのトラブルに発展することもあります。

お墓を移すとお金がかかる

お墓を移すということは、今まであったお墓を墓じまいする工費、新しい移転先の購入や契約にかかる費用、各書類の発行手数料などの費用がかかります。またお寺にお渡しする離檀料としてのお布施も必要になるでしょう。

 

お墓を移すメリット

お墓参りに行きやすくなる

自宅の近くにお墓を移すと、それだけお墓参りにも行きやすくなります。時間や手間が減るだけでなく、遠方にあるお墓に行く交通費なども大幅に負担が減るかも知れません。

無縁仏になりにくくなる

無縁仏とは、お墓を管理する人がいなくなってしまったしまったお墓のことです。こういったお墓はお寺や霊園が定まった規定のもと、ある程度の期間が過ぎると無縁仏として処分されてしまうことがあります。

お墓が遠くにあるとお墓参りに行くのに大きな手間や負担がかかるだけでなく、管理費などの支払いが滞ってしまうこともあります。お墓を継いでいく人がいないという理由だけでなく、こういったことから無縁仏になってしまうケースもあります。

お墓の管理や維持に何する手間や経済的負担が減る

お墓を近くに移すことによってお墓参りに行きやすくなると、交通費などの負担が減ります。また、永代供養のお墓に移した場合、維持管理費などの年間にかかる費用も不要なことが多く、経済的な負担が減ることも考えられます。

お墓を移すのはどこがいい?

お墓を移すとき考えるのは、やはり自宅から近いところがいいと考える方が多いようです。自分の親だけの遺骨だった場合は、親が生まれ育った土地や好きだった場所なども選ぶ対象になることもあります。

近くのお寺に新しく檀家としてお墓を建立して移す

お近くのお寺に新しくお墓を建てたい場合は、そのお寺に相談しましょう。

永代供養のお墓に移す

永代供養のお墓には樹木葬や納骨堂など様々なタイプがあります。最近ではお墓を移す場合、この永代供養付きのお墓を選ぶ方が多いようです。

合祀の永代供養墓に移した場合、遺骨は取り出すことができなくなります。そのことをしっかり認識してから行いましょう。

手元供養する

遺骨の一部を小さな骨壷に移して自宅で供養したり、ペンダントのようなアクセサリーにして供養する方法です。

散骨する

遺骨をパウダー状に粉骨してから、野山や海に撒く方法です。これはどこに撒いてもいいわけではありません。行政機関に確認したり、散骨専門の業者に依頼するようにしましょう。

散骨はしてしまうと二度と遺骨は手元に戻りません。そのことをしっかり認識してから行いましょう。

お墓を移すときの手順

お墓を移すには様々な手順があります。焦ることのないよう、しっかり余裕を持って行うことが大切です。

お墓を移すときの手順と費用についての詳しい解説は、こちらのコラムをぜひお読みください。

墓じまいして永代供養墓に引っ越しする方法と費用を徹底解説

手順1:家族や親族に相談

まずはお墓を移したい考えを家族や親族としっかり話して相談しましょう。お墓を移すことに抵抗を感じている人がいると、後々トラブルに発展することもあります。
どうしてお墓を移したいのか、移した後はどうしていくのかをしっかり伝え、了承してもらってから行動するようにします。

手順2:遺骨を移す先と供養方法を決める(受入証明書の発行)

お墓を移すことを「改葬」と呼びますが、新しいお墓を移す先の霊園やお寺に「受入証明書」という書類を発行してもらいます。

手順3:今のお墓がある霊園やお寺に相談をして同意してもらう

特にお寺にあるお墓を移す場合、そうしたいことを相談しましょう。その際、今までお世話になっていた感謝の気持ちを伝えてから、どうしてお墓を移したいのかを伝えて相談することが大切です。

手順4:行政の手続き

今のお墓がある地域の市町村役場で「改葬許可申請書」をもらいます。ホームページなどからダウンロードができることも多いようです。
この「改葬許可申請書」に記入してから、「埋葬証明」をするために遺骨があるお寺や霊園に署名と捺印をしていただきます。

その後今のお墓がある地域の市町村役場に提出して「改葬許可証」を発行してもらいます。

手順5:墓じまいの石材店を決める

お墓を移す場合、今まであったお墓の墓石を撤去して更地にしないといけません。そういった実際の作業は石材店に依頼することになります。
霊園やお寺によっては、業者が決まっていることもありますが、そうでない場合は2~3の石材店に見積もりをしてもらい、内容や費用を比べて決めます。

手順6:閉眼供養から遺骨の取り出し

お寺の住職に依頼をしてお墓の閉眼供養(魂抜き)の法要をします。法要後に遺骨を取り出す作業は、お墓の解体作業をしてくれる石材店などの業者にお願いできます。
取り出した遺骨は、ご自宅や納骨堂などに一時安置します。

手順7お墓の解体、撤去

遺骨の取り出し後、石材店にお墓の解体・撤去をし、更地にして管理者に返却します。

手順8:移すに改装許可証を提出

お墓を移す先の霊園やお寺に改葬許可証を提出します。

手順9:開眼供養をして納骨

お寺の住職にお墓の開眼供養(魂入れ)法要をしていただき、納骨します。
納骨の作業も石材店にお願いします。

 

お墓を移すときの費用

お墓を移すときにかかる費用を解説していきます。

各証書の発行費用

自治体によって異なりますが、概ね300円前後です。お墓を移すための改葬許可証は遺骨1体につき一枚必要になるので、先祖代々の遺骨がある場合、何体の遺骨があるのか確認してから、すべての改葬許可証を用意します。

離檀料

今までお世話になっていた感謝の気持ちとしてお渡しします。普段の法要などで払うお布施の2〜3倍程度の金額が相場です。

お墓の解体・撤去作業費

お墓の広さや、お墓がある場所などによって差はありますが、平均すると10万円~20万くらいかかることが多いようです。金額だけで安い業者を選ばず、できるだけ信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

閉眼・開眼供養のお布施

法要をしていただく住職にお渡しするお布施です。3万円~5万円くらいが相場です。

納骨手数料

新しいお墓へ納骨するとき、納骨していただく石材店にお支払いする手数料です。一体2万円程度です。

まとめ

お墓を移すことは決して良くないことではありません。

ただ昔の風習やその土地の文化などを大事にして、お墓を移すことを良くないこととして考えている方もいます。どちらがいいとか悪いとかではなく、先祖の遺骨をしっかり供養していくにはどうしたらいいかを思い、考えることが大事です。

生活スタイルや家族のあり方が多様化している現代社会で、お墓に対する意識も多様化しています。そうした中で無縁仏になることなく、安心してずっと供養ができる永代供養のお墓に遺骨を移す選択をする方は増えています。

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ご先祖様の供養ために、ぜひご活用ください。

 

お墓を移すことを考えているあなたには、こちらの記事も参考になると思います。

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