お墓のお役立ちコラム

お墓の引っ越しをお考えの方へ、引っ越しの仕方を徹底解説

お墓は家と同じように引っ越しができることをご存知でしたか?

実家に先祖代々のお墓はあるけれど、今は離れたところで生活をしていて将来、田舎に帰る予定もない。お墓参りに行くのも大変だし、維持するのも大変でこの先どうしたらいいだろう。
そう考える方が最近増えて、お墓の引っ越しをされる方も増えてきています。

気をつけていただきたいのは、遺骨を勝手に移動することは法律的にやってはいけません。お墓の引っ越しには「改葬」という行政的な手続きが必要になります。

ここでは、お墓の引っ越しを考えている方へ、お墓の引っ越しに必要な手続きや、かかる費用などを徹底解説していきます。

お墓の引っ越し=改装

お墓の引っ越しのことを「改葬」といいます。墓地に埋蔵、または納骨堂に収蔵したお骨を、他の墓所または納骨堂に移すことです。

私たちはよく「墓地、納骨堂に埋葬する」といいますが、墓地、埋葬等に関する法律では

埋蔵=焼骨(お骨)を墳墓(お墓)に収めること
収蔵=焼骨(お骨)を納骨堂に収めること

と使い分けます。

お墓の引っ越し(改装)が必要な例

お墓が山の中などにあり、土砂崩れなどの心配がある

お墓が山の中や河岸などにあり、崩れたりする可能性があるけれど、補修等の工事をしてもその工事費やその後の維持管理費がかかるケース。
山中にあるお墓にお墓参りに行くのに身体的、体力的に難しくなってきたケース。

実家などから離れている

先祖代々のお墓はあるけれど、離れた場所に定住していてお墓参りにもなかなか行けないし、管理も滞ってしまっているケース。

改宗のため、お寺の檀家をやめる

仏教から神道やキリスト教などへ、宗教を変えるケース。

お墓を継ぐ子どもがいない

少子高齢化という社会背景のなか、お墓の後継者となる子どもがいない。
子どもがいても遠く離れて生活しているため、お墓を継がせる負担をかけたくないといったケース。

墓じまいをしたい

様々な理由で墓じまいをして、永代供養のお墓に移動したいと考えているケース。

 

お墓の引っ越し(改装)手続き〜その1:引っ越し先の選定

お墓の引っ越しには様々な理由があります。そして引っ越し先も様々です。

最近の傾向としては、引っ越しをする先は新しいお寺の檀家になるのではなく、お寺や霊園が管理する永代供養のお墓や納骨堂が選ばれることが多いようです。

かかる費用や立地条件などをしっかりと考えて決めるようにしましょう。
また、家族や親族にもしっかりと相談をしておくことが大切です。

お墓の引っ越し(改装)手続き〜その2:お寺や霊園に相談して承諾をもらう

お墓の引っ越しを決めたら、そのことをお墓のあるお寺や霊園に伝え承諾してもらわなければなりません。

お寺に相談する場合は、ただ引っ越しするからと一方的に伝えたりすると、お寺としても気分が悪く、多額の離檀料の支払いを求められるなどのトラブルに発展することがあります。
なぜ引っ越しをしたいのか、そう考えた経緯や事情をしっかりと伝えて話を進めるようにしましょう。

お墓の引っ越し(改装)手続き〜その3:改装許可証の発行

お墓の引っ越し先が決まり、お寺や霊園に承諾をしていただいた後は、行政的な手続きになります。

「受入証明書」の発行

新しく決まった先の墓所や霊園に「受入証明書」を発行してもらいます。
これは「永」代使用許可書」(写し)で代用できる場合もあります。

「改葬許可申請書」をもらう

現在、遺骨が埋蔵されているお墓や霊園がある市町村役場(戸籍課、住民課等)で「改葬許可申請書」をもらってきます。

「改葬許可申請書」へ記入、埋葬の証明

「改葬許可申請書」には遺族の方のお名前や、埋葬または火葬の場所を記入する欄があります。その欄に記入をした後、引っ越しする遺骨が埋蔵されているお寺や霊園にお願いして、遺骨が埋蔵されていることの証明欄に署名、捺印をしていただきます。

「改装許可証」の発行

上の「受入証明書」と遺骨が埋蔵されていることの証明をされた「改葬許可申請書」を、もう一度、現在遺骨が埋蔵されているお墓や霊園がある市町村役場(戸籍課、住民課等)に提出し「改葬許可証」を発行してもらいます。

この「改葬許可証」を受領してはじめて、お骨をお墓から取り出すことができます。

行政手続きが終わったら実際に遺骨を取り出して、新しいお墓や納骨堂などへの移動になります。

閉眼供養

この閉眼供養は「魂抜き」とも呼ばれます。
墓石に宿っていた個人の魂を別のところへ移動させるための儀式になります。

お墓を清めた後、お寺のお坊さんに(仏式の場合)墓前で読経をしていただきます。

遺骨の取り出し

地域によって違いはありますが、お墓の遺骨を収めているところは重い石で塞がれています。
自分で開けることは不可能ではありませんが、墓石に傷をつけたり、割ってしまったり、思わぬ大怪我をする可能性があります。無理をせず石材屋さんに頼んで遺骨を取り出してもらいましょう。

取り出した遺骨は、引っ越し先に移すまで自宅に安置して管理するか、納骨堂などに一時的に預けておきましょう。
すでに新しいお墓ができているなら、すぐに移すことも可能です。

開眼供養

引っ越し先の新しいお墓は「魂入れ」とも呼ばれる、開眼供養の儀式を行いましょう。
新しい引っ越し先のお墓の墓石に、魂を宿らせるための儀式となります。

閉眼供養のように、お寺のお坊さんをお呼びして(仏式の場合)墓前で読経をしていただきます。

納骨

引っ越し先の新しいお墓に遺骨を安置します。
これもできるだけ石材屋さんに頼んで執り行いましょう。

この納骨と上の開眼供養は、ほとんどの場合、同時に行うことが多いです。

古いお墓の解体、返却

今まで使っていたお墓を解体し撤去して管理者に返還します。
石材屋さんにお願いします。

お墓の引っ越しにかかる費用

お墓の引っ越しは、引っ越しする先のお墓の規模や種類にもよるので一概にはいえません。

引っ越し先に新しい、今までと同じような大きな墓石を立てるお墓にした場合は300万円ほどの費用がかかることが多いでしょう。
費用の大半を占めるのは、新しいお墓の購入と今までのお墓の撤去費用です。

他にも今までお世話になっていたのがお寺の墓所だった場合、今までお世話になっていたお礼の意味でのお布施を用意した方がいいでしょう。お寺によってはある程度の離檀料がかかることがあります。
これらの目安は、法事などで支払っていたお布施の2〜3倍程度と考えておくといいかも知れません。

最近多いのが永代供養墓や納骨堂への引っ越し

生活スタイルの多様化や、家を継ぐといった意識が薄れつつある現代では、先祖代々のお墓を守っていくより、お寺や霊園にある永代供養のついたお墓や納骨堂に引っ越すという選択をする方が増えてきています。

将来、もし誰もお墓を管理してくれる人がいなくなっても、お寺や霊園が永代に渡って供養してくれるという安心感があります。
また遠方にあっても、供養や管理を任せることができます。

こちらは最近よく耳にする樹木葬などがあり、大きなお墓を建てるのではなく、樹木等を墓標としてその周りに遺骨を埋蔵するものや、小さなスペースに小さな墓石で個別のスペースに遺骨を安置するもの、合同のお墓で遺骨を他の方と一緒に合祀するものなど様々なスタイルがあります。

この「みんなの永代供養」では日本全国、各地の永代供養のお墓や納骨堂を紹介していますので、ぜひ場所や条件を指定して検索してみて下さい。
きっと気に入っていただける永代供養のお墓が見つかるはずです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

お墓の引っ越しをすると一言でいっても、それには様々な手続きや普通の家や部屋の引っ越しのように、それなりの費用がかかってきます。
お墓の引っ越しをするメリットやデメリットをしっかりと考え、経済的にも決して無理のないようにしましょう。

また先祖代々のお墓の引っ越しを考える場合は、そこにお墓参りに来る家族や親族にもしっかりと相談して伝えることがとても重要です。

今回のコラムが、お墓の引っ越しを考える際の知識としてお役に立てることを願っています。そして「みんなの永代供養」で安心できる永代供養のお墓が見つかることを、心をから願っています。

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