合祀されない永代供養とは?樹木葬、納骨堂、個人墓について解説!
最近耳にすることが多くなってきた永代供養ですが、一言に永代供養といってもいろいろな種類があります。また永代供養というと合祀のイメージですが、合祀されない永代供養を選ぶこともできます。この記事では合祀されない永代供養の種類と特徴について説明していきます。合祀されない永代供養のメリットやデメリットについてもお話するので、参考にしてみてください。
合祀されない永代供養とは
合祀とは「合わせて祀る」という意味で、他のご遺骨と一緒に埋葬することです。永代供養と聞くと、合祀のイメージを持っている方が多いですが、合祀されない永代供養もあります。具体的に合祀されない永代供養ついて説明していきますね。
合祀されない永代供養は3つあります。
どの永代供養も合祀されない方法とする方法があります。それぞれの合祀されない永代供養についてみていきましょう。
合祀されない樹木葬
樹木葬は最近注目されている永代供養のひとつです。そもそも樹木葬とは、シンボルとなる樹木や草花を墓標として、周辺の土の中に埋葬することをいいます。合祀されない樹木葬とは、個別の区画に埋葬されることです。
合祀されない樹木葬の埋葬方法
樹木葬の埋葬方法は3つあります。
個別埋葬 |
個別の区画に納骨する埋葬方法 |
集合埋葬 |
シンボルとなる樹木のまわりに個々に埋葬する方法 |
合祀埋葬 |
シンボルとなる樹木の周りに埋葬する方法 |
この中で合祀されない樹木葬は、個別埋葬と集合埋葬になります。
個別埋葬は個別のスペースを設けたり、1本のシンボルツリーを墓標としたり、合祀されない埋葬方法になります。樹木葬の個別埋葬は、夫婦や家族みんなで利用することが可能です。合祀されない永代供養がいいけど、やっぱり一人は寂しい…と考える人に合っているでしょう。
ただし、個別埋葬であっても、墓地によっては一定期間を過ぎると合祀されるケースもあります。永年にわたって合祀されない永代供養を希望する場合は、よく確認しておきましょう。
集合埋葬は、シンボルとなる樹木の周りで、ご遺骨を個々に分けて埋葬します。その方法はさまざまで、個別の区画にご遺骨を埋葬したり、個別の骨袋に納めたりして、埋葬します。
ただし一般的に骨袋は土に還る素材が使われており、いずれは他のご遺骨と一緒になってしまう可能性があります。合祀されない永代供養にはなりますが、注意が必要です。
合祀されない樹木葬のタイプ
樹木葬は全て自然を感じることができますが、見た目や雰囲気によって3つのタイプに分けられます。
庭園タイプ |
庭園のように整備された霊園に埋葬する樹木葬 |
公園タイプ |
公園のように整備されている霊園に埋葬する樹木葬 |
里山タイプ |
墓地として使用許可を受けた里山に埋葬する樹木葬 |
どのタイプでも合祀されない樹木葬を選択することができます。
庭園タイプは手入れの行き届いたお庭を彷彿させ、通常の霊園やお寺の一角に設置されていることが多いです。
公園タイプは芝生が広がっているなど、整備された公園をイメージする施設です。広々としていて、美しい景観を楽しむことができるでしょう。
里山タイプは最も自然を感じることができる樹木葬といえます。墓地として使用許可を得た、自然の里山に埋葬することができます。
合祀されない樹木葬の注意点
合祀されない樹木葬を選ぶ際におさえておくべきポイントを説明します。
- 利便性や立地
- 費用の内訳
- 設備や環境
利便性や立地
庭園タイプと公園タイプは都市部やその近郊に多いですが、里山タイプは都心から離れた場所がほとんどです。定期的にお墓参りに行く場合、自宅からのアクセスや所要時間について考えておきましょう。車で行く場合は駐車場の有無も調べておくことをおすすめします。
費用の内訳
永代供養の中でも樹木葬は費用を抑えやすいです。ただし、合祀されない樹木葬は合祀する場合よりも費用が高くなります。目安ですが、合祀型の樹木葬は3〜20万円程度、合祀されない樹木葬は20〜150万円程度になるでしょう。
樹木葬のタイプによっても費用は変わります。合祀されない樹木葬で費用を抑えたい場合は、里山タイプを選択するといいでしょう。
上記の霊園使用料に加えて、管理費、埋葬料、彫刻料がかかります。霊園によっては管理費がかからない場合や、埋葬料や彫刻料が基本の費用に含まれている場合もありますよ。
樹木葬の詳しい費用についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
樹木葬の費用相場は?タイプ別の相場や内訳、費用を抑える方法をご紹介
設備や環境
樹木葬は美しい自然に囲まれて、故人の供養をできる点が魅力です。そのため、墓地の環境は重要になります。また、管理についても家族がお墓参りをするときに、公共スペースが清潔にされていると気持ち良いですよね。丁寧に掃除がなされているか、管理人はいるのかなど、事前に確認しておくといいでしょう。
合祀されない納骨堂
永代供養の中でも、納骨堂は新たなお墓の形として注目を浴びています。納骨堂は施設内に個別のスペースを設けて、ご遺骨を安置することができます。納骨堂はお墓の代わりとして利用されることが多いですが、合祀されない永代供養も可能です。
合祀されない納骨堂のタイプ
合祀されない納骨堂には3つのタイプがあります。
ロッカー型の納骨堂 |
コインロッカーのように、扉付きの納骨スペースがたくさん並んでいるタイプ |
仏壇型の納骨堂 |
仏壇が並んでおり、仏壇の下の部分にご遺骨を収蔵することができるタイプ |
マンション型の納骨堂 |
ICカードをかざすことで、個別の参拝スペースにご遺骨が自動で搬送されるタイプ |
ロッカー型はシンプルなシステムで費用を抑えることができます。個別のスペース内にはご遺骨以外にも個人の写真や思い出の品などを収蔵することができますよ。
仏壇型はロッカー型に比べてスペースが広いことが多く、家族で共有することができます。費用は装飾やスペースの広さによって変わり、少し高めになることが多いです。
マンション型は新しいタイプの納骨堂になります。お香やお花が常にお供えされている施設もあり、少ない荷物でお墓参りができますよ。
合祀されない納骨堂の注意点
合祀されない納骨堂を選ぶ際に押さえておくべきポイントを説明します。
- 設備や雰囲気
- 費用や内訳
- 一定期間後に合祀されることがある
- 大人数の納骨は難しい
設備や雰囲気
納骨堂は都心部や駅から近いことが多いですが、電車で行く場合は乗り換えの便利さや、車で行く場合は駐車場の有無なども考えておきましょう。ご高齢の方とお墓参りに通う場合、バリアフリーなども視野に入れておくといいですね。
納骨堂は施設によってシンプルで清潔感のあるところや、高級感溢れるところなど雰囲気が違います。実際の雰囲気を見て、故人やご家族さまに合った納骨堂を選ぶといいでしょう。
費用や内訳
永代供養の中でも納骨堂は種類によって費用が大きく変わります。目安として、ロッカー型は20〜80万円程、仏壇型は50〜150万円程、マンション型は50〜150万円程度になります。
費用の内訳としては、永代供養料、管理費、法要料、彫刻料などがあります。納骨堂にかかる費用のほとんどは永代供養料です。施設によってはその他の費用が永代供養料に含まれているケースもあります。
納骨堂の詳しい費用についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
一定期間後に合祀されることがある
合祀されない納骨堂といっても、一定期間が経過すると、合祀墓にうつされることがあります。一定期間とは契約内容やお寺や施設によって違いますが、三十三回忌などの節目が多いようです。
もちろん永代にわたって合祀されない納骨堂もあります。一度合祀されてしまうと、ご遺骨を取り出すことはできないので、契約前に必ず確認しておきましょう。
大人数の納骨は難しい
納骨堂の納骨スペースは一般的なお墓に比べると狭くなっています。そのため、大人数のご遺骨を収蔵することは難しいでしょう。また、広いスペースの納骨堂は、その分管理費が高くなるため、先祖代々のご遺骨をまとめて供養したいと考えている場合は注意が必要です。
合祀されない永代供養つき個人墓
合祀されない永代供養つきの個人墓とは、個人墓に永代供養のサービスをつけたものになります。お寺や霊園がご遺族の代わりにお墓の管理をしてくれます。
合祀されない永代供養つき個人墓の注意点
- 一定期間後は合祀されることが多い
- 費用が高額になりやすい
一定期間後は合祀されることが多い
合祀されない永代供養つきの個人墓といっても、永年にわたって合祀されないわけではありません。一定期間が経過すると合祀されることがほとんどです。合祀後も供養は続けられるので、いずれは合祀も考えている場合、何回忌が節目になるのか確認しておきましょう。
お寺や墓地によっては、一定の管理料を生前に支払うことで永年に合祀されない永代供養をおこなってくれることろもあります。永年にわたって合祀されない永代供養を希望される場合は、お寺の住職や墓地の管理者とよく相談しましょう。
費用が高額になりやすい
一般的に永代供養は費用が抑えられるといわれています。ただし、合祀されない永代供養つき個人墓は個別にご遺骨を供養するため、高額になりやすいです。目安としては50〜150万程度といわれています。永年にわたって合祀されない永代供養を希望する場合、さらに費用が高額になるでしょう。
具体的な内訳としては、永代供養料、管理費、納骨料(お布施)、刻字料になります。納骨料(お布施)は永代供養料に含まれているケースもあるので、確認しておきましょう。
こちらの記事には永代供養墓にかかる費用について分かりやすく記載されているので、参考にしてみてください。
永代供養でも毎年の費用は必要?永代供養にかかる料金を徹底解説
よく耳にするのが永代供養つきの一般墓と納骨堂のどちらにしようかという悩みです。そんな方にはこちらの記事がおすすめです。
永代供養墓と納骨堂、どっちがいい?費用やメリット、デメリットを検証
合祀されない永代供養のメリットとデメリット
合祀されない永代供養にはメリットもあればデメリットもあります。順にみていきましょう。
合祀されない永代供養のメリット
- 他のご遺骨と混ざらない
- お墓の管理をしなくていい
- 費用を抑えることができる
- 跡継ぎの心配がいらない
合祀されない永代供養は基本的に個別でご遺骨を埋葬します。亡くなったあと、他のご遺骨と一緒になるのはちょっと…と考えている人に合っているでしょう。
費用については、合祀されない永代供養の方法によりますが、一般的なお墓を建てて管理するよりも抑えることができるでしょう。また予算に合わせて、合祀されない永代供養の種類を考えるのもひとつです。
合祀されない永代供養は、基本的にはお墓の管理や跡継ぎについての心配はいりません。一般的なお墓の場合、お墓を拭いたり、草むしりをしたり、定期的な管理が必要になります。合祀されない永代供養では、跡継ぎの心配もいりません。
合祀されない永代供養のデメリット
- お寺や霊園が経営困難になる場合がある
- 納骨できる人数は決まっている
お寺や霊園が経営難になったり、納骨堂の老朽化がすすんだり、そういった場合は、永代供養が困難になる可能性もあります。こういった可能性も頭に入れておきましょう。
合祀されない永代供養では納骨できる人数が決まっています。普通のお墓よりも納骨できるスペースが小さいことが多いです。また、契約後は追加で納骨ができないところもあります。契約前に確認しておきましょう。
まとめ
合祀されない永代供養といっても、いろいろな種類や特徴、注意点があります。そういったことを理解したうえで、合祀されない永代供養について考えましょう。
最後に、合祀されない永代供養についてまとめておきます。
- 合祀されない永代供養は「樹木葬」「納骨堂」「永代供養つき一般墓」の3つ
- 合祀されない永代供養の費用は、樹木葬で20~150万円、納骨堂で20~150万円、永代供養つき一般墓で50~150万円程度
- 合祀されない永代供養のメリットは「他のご遺骨と混ざらない」「お墓の管理をしなくていい」「費用を抑えることができる」「跡継ぎの心配がいらない」の4つ
- 合祀されない永代供養のデメリットは「お寺や霊園の経営難で永代供養が困難になる」「納骨できる人数が決まっている」の2つ
合祀されない永代供養を希望される方の理由や背景はさまざまです。ご家族とよく話し合って、みんなが納得できるかたちを探せるといいですね。
「みんなの永代供養」では永代供養についての情報が充実しています。ぜひ参考にしてみてください。