お墓のお役立ちコラム

納骨堂のデメリットとは?後悔しない選び方と注意点を解説します

そもそも納骨堂とは?

   

納骨堂のデメリットを説明する前にそもそも納骨堂とは何かをみていきましょう。あわせて納骨堂の種類やメリット・デメリットも紹介します。

遺骨を納める屋内施設のこと

納骨堂とは、個別に墓を建てず、個人や夫婦などの単位で遺骨を収蔵できる「納骨スペース」のこと。屋内の施設にあることが多く、お参りの際、天候に左右されません。

 

近年、お墓の承継者がいない、あるいは子孫に負担をかけたくないというご家族に手入れが簡単な納骨堂が注目されています。

 

納骨堂の種類とメリット・デメリット

納骨堂にはロッカー式や仏壇式、自動搬送式などの種類があります。種類別にメリット・デメリットを紹介します。

 

納骨堂の種類

特徴

メリット

デメリット

ロッカー式

扉が付いた棚に骨壺を安置



・限られたスペースに複数の遺骨を納められるため、料金を抑えられる

・料金によりロッカーの大きさを選べる

・スペースが狭く、納骨の数にも限りがある

・お供えするスペースがない

仏壇式

個別棚の上に仏壇、下に骨壺を収納

・納骨壇にご本尊(仏様)が安置され、その場で手を合わせられる

・複数の遺骨を納められ、世代を超えて利用できる

ロッカー式より料金が高め

自動搬送式

参拝ブースまで遺骨の入った厨子や収納棚が自動搬送

省スペースで多くの遺骨を保管できるため、都心部で普及しつつある

・料金は高め

参拝ブースが限られているため、お盆などの時期は混雑する

 

納骨堂と永代供養との違い、費用やメリット、デメリットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。


永代供養墓と納骨堂、どっちがいい?費用やメリット、デメリットを検証

 

納骨堂のデメリットとは?

納骨堂が何かがわかったところで、納骨堂全体のデメリットを説明します。

デメリット1. 一定期間後、合葬されることが多い

多くの納骨堂では、遺骨を個別に安置される期間(契約期間)が決められているのは大きなデメリットです。13回忌や33回忌までなど一定期間が経過したら、他の多くの遺骨と一緒に合祀されます。一度合祀されると、個別の遺骨は取り出せません。

 

納骨堂の中には、個別安置期間の期限を設けずに永代にわたって使用できる施設もあります。合祀を望まない場合は、個別安置期間に制限のない納骨堂をお選びください。

 

デメリット2. 納骨できる遺骨に制限がある

納骨堂は使用スペースに限りがあり、納骨できる遺骨の数に制限があるのもデメリットです。

 

従来のお墓(一般墓)の場合、遺骨を納めるカロートは骨壺を並べることにも遺骨を土に還すことにも対応でき、先祖や家族の遺骨を代々納めるのが通例です。一方、納骨堂の場合、遺骨は納骨壇の中に骨壷のまま納めます。個人や夫婦2人など、少人数の納骨が基本です。

 

継承を目的としている仏壇式の納骨堂以外では、納骨堂を継承できないことが多く、デメリットになるでしょう。先祖代々の遺骨を納めたり、納骨数が増えたりするご家庭には納骨堂は不向きです。

 

デメリット3. お供え物に制限がある

多くの納骨堂は屋内にあるため、お供え物が制限されるというデメリットもあります。例えば、火災を防ぐために線香やローソクが禁止されていたり、腐敗や悪臭を防ぐために生花や食べ物が制限されていたりすることも。

 

一般墓では当たり前にできるお供えができず、違和感を覚える人もいるかもしれません。

 

デメリット4. 建物の老朽化や災害の影響を受ける

屋内にあるデメリットは他にもあります。納骨堂がある建物の老朽化や災害があった際など、納骨堂が使用できなくなる恐れがあります。また建て替えや改修工事がされる場合でも、利用者に費用負担を求められる場合があるのもデメリットです。

 

どのように建物を修繕し、納骨堂を継続するかは施設の方針により異なります。火災や地震などの万が一のことが起こった場合、運営元がどのように対応してくれるのかを必ず確認し、デメリットを把握しておきましょう。

 

デメリット5. 家族や親族の理解を得られない可能性がある

納骨堂は納骨方法やお墓参り、お供えなど、一般的なお墓とは違う部分もデメリットになります。家族や親族の中には伝統的なお墓やお墓参りを大切に思い、納骨堂に反対する人もいるかもしれません。

 

もともと納骨堂は、一般墓を建てるまでの間、一時的に遺骨をお寺で預かる場所でした。年配者の中には、一時預かりのイメージが強い人もいるでしょう。

 

現在では永代供養つきの納骨堂も増えています。供養のかたちについて家族や親族とよく相談した上で納骨堂と契約しましょう。十分な話し合いをせずに、独断で決めてしまうと、後々のトラブルになることがあります。

 

納骨堂のデメリットを踏まえた選び方

ここからは納骨堂を選ぶ際に意識したいポイントを5つ紹介します。納骨堂のデメリットを踏まえ、後悔しないために確認しておきましょう。

1. 立地とアクセスで選ぶ

まずは納骨堂の立地や自宅からのアクセスを確認しましょう。納骨堂が車以外では行きにくい場所にあると、お参りが辛くなり、大きなデメリットになります。年齢を重ねて車を運転しなくても行けるよう、公共交通機関や最寄駅からの距離、送迎バスの有無なども確認しておくと安心です。現地を見学する際は、お参りに行くときと同じ交通手段で行くことをおすすめします。

 

2. 施設や設備で選ぶ

納骨堂の施設や設備がどのようなものであるかも大切です。加齢とともに足が弱くなりやすいので、段差の多い施設はデメリットになります。冷暖房が完備されていたり、ユニバーサルデザインに配慮されていたりするとより快適にお参りできるでしょう。また施設内に休憩できる場所や法要施設、会食施設が併設されたところもあります。法要からお参りまでを一カ所でできるので便利です。

 

3. 納骨できる人数で選ぶ

納骨堂の種類や規模、供養方法により納骨できる人数は異なります。一般墓とは違い、納骨堂では納骨する人数が多ければ費用も高くなるデメリットがあります。将来的に何体納骨するのかを契約前に決めておき、人数に合ったプランを選びましょう。

 

4. 宗旨宗派で選ぶ

納骨堂を選ぶときは、宗教・宗派・入檀などの条件の確認も大切です。基本的に納骨堂は、宗教・宗派を問わない場合がほとんどですが、なかには宗教・宗派の制限があったり、檀家にならないと納骨できなかったりするところもあります。

 

宗旨宗派を問わない、もしくは自分の宗派と同じところを選んでください。きちんと選択すれば、宗旨宗派はデメリットではありません。

 

5. 費用で選ぶ

費用感を確認し、予算にあった納骨堂を選びましょう。納骨堂の相場は地域や条件によって異なります。希望に近い納骨堂を複数比較して、相場感を把握しましょう。

 

納骨堂によっては年間の管理費がかかる施設もあります。購入価格以外に必要になる費用も必ず確認してください。

 

納骨堂のデメリットを避けるための注意点

納骨堂のデメリットを避けるためには、個別安置期間を確認し、現地を見学してアクセスのしやすさや施設の雰囲気を確認しましょう。また家族や親族と話し合うことも大切です。最後に納骨堂を選ぶ際の注意点を紹介します。

個別安置期間を確認する

納骨堂は、多くの場合、遺骨を個別で安置する個別安置期間が設けられています。納骨堂やプランによって期間は異なりますが、期間が終了した後は他の人の遺骨と一緒に埋葬(合祀)されます。一度合祀されると、不特定多数の遺骨と混ざってしまうので、特定の遺骨を取り出すことはできません。

 

個別安置期間を把握せずに納骨堂を契約した結果、気が付かないうちに合祀され、後から遺骨が取り出せずに後悔する人もいます。納骨堂の契約をする前に、必ず個別安置期間を確認してください。

 

現地見学に行く

納骨堂を選ぶ際は、インターネットのホームページや資料だけで判断せず、必ず現地見学しましょう。

 

実際に現地を訪れることで、アクセスのしやすさや施設内の清潔感、スタッフの対応といった、紙面ではわからない点を確認できます。イメージだけで契約すると「思っていた雰囲気と違った」と後悔することも。後悔を防ぐためにも、現地の空気を自分の目で確かめることが大切です。

 

家族や親族と話し合う

納骨堂を選ぶことは、家族や親族にとっても大切な決断なので、事前に話し合っておきましょう。

 

特に生前契約をする場合、契約内容を家族と共有しておかないと、遺族が知らずに別の場所に納骨してしまうといったトラブルにつながる可能性も。また墓じまいを検討しているなら、従来のお墓を大切に思っている親族からは理解が得られずに反発や混乱が起こることもあるかもしれません。

 

トラブルを避けるためにも家族や親族と話し合う場を設け、納骨堂の仕組み、メリットやデメリットを共有し、それぞれの意見や希望に耳を傾けることが大切です。最終的に納骨堂を選ぶとしても、合祀の時期や参拝の方法など、家族や親族の気持ちに配慮して検討することで理解を得やすくなり、後悔やトラブルを防ぐことにつながります。

 

先祖代々のお墓を墓じまいする手順やデメリットについては、以下の記事を参照にしてください。

【保存版】墓じまいマニュアルー墓じまいをするならこれで完璧ー

デメリットも確認し、納得できる納骨堂選びを

納骨堂にはメリットがある一方で、デメリットもあります。納骨堂を検討する際には、デメリットや注意点を確認し、家族や親族と話し合って納得できる施設をお選びください。


「みんなの永代供養」では、お墓や永代供養に関する情報を広く提供しています。デメリットを避け、納得のできる納骨堂を選びたい方は「お墓をさがす|みんなの永代供養」からご希望の都道府県を選び、条件の中から「納骨堂」をチェックして探してみてください。お選びの都道府県にある納骨堂の運用方法や費用目安も確認できますので、一度チェックしてみるのがおすすめです。

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