樹木葬は管理費なしで供養できる？後悔しないための注意点も解説
近年人気の樹木葬は、一般的なお墓や納骨堂よりも比較的安い費用で購入できることが魅力です。
とはいえ、樹木葬を購入する費用以外に管理費などがかかる場合、想定よりも多くのお金がかかってしまうことになるでしょう。
そのため、管理費について以下のことを知りたいと思う人も多いと思います。
- 樹木葬は管理費なしで供養してもらえるのか
- 管理費なしで樹木葬を利用できるケースはどのような場合か
- 樹木葬の管理費をなしにする方法はあるのか
管理費なしの樹木葬を購入したいと考えている場合、この記事を読んで樹木葬選びの参考にしてみてください。
目次
樹木葬は管理費なしで供養できる？
樹木葬は「管理費なし」でも供養してもらえることが多いです。しかし、寺院や霊園によっては年間5,000〜2万円程度の管理費がかかるケースもあります。
管理費なしではない場合、費用は以下のような項目に利用されます。
- 墓地や樹木の維持管理
- 僧侶による供養の費用
- 墓地内共有スペースの整備
管理費を適切に使用することで、美しい景観の樹木葬の維持・管理ができます。
とはいえ、管理費なしだからといって、樹木葬が雑に扱われるというわけではありません。
樹木葬の手入れなどにどれくらいの人件費が必要かなど、さまざまな条件によって、管理費なしのケースと管理費なしではないケースに分かれます。
そもそも樹木葬とは？
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や花を墓標としたお墓のことです。
遺骨を骨壺から出して土に直接埋葬することも多く、亡くなった後は自然に還りたいと考えている人に人気があります。
また、樹木葬には「永代供養」が付いているのが一般的です。
永代供養には、寺院や霊園がある限り、永代に渡り管理・供養してもらえるというメリットがあります。
そのため、樹木葬の購入者には、生涯独身の人や、子どものいない夫婦、子供はいても迷惑をかけたくない夫婦などが多いです。
この他にも、動物と一緒に埋葬できるケースもあり、ペットと一緒のお墓で眠りたい人にも支持されています。
これらの理由により、近年では、お墓を購入する人の半数近くが樹木葬を検討していることもわかっています。
永代供養についてのより詳しい記事はこちらをご覧ください。
永代供養墓を知ろう！ 「永代供養」の意味やさまざまな永代供養墓の特徴をわかりやすく解説
樹木葬には3つの種類がある
樹木葬には以下3つの種類があります。
- 公園型
- 庭園型
- 里山型
それぞれ解説していきます。
1.公園型
公園型の樹木葬は、寺院や霊園の一部区画を人工的に加工して、公園を再現したものです。
歩道やトイレの整備がされており、参拝しやすいというメリットがあります。
しかし、公園型の樹木葬を設置するには広い面積が必要となるため、都心部よりも少し離れた郊外にあることが多いです。
人工的に作られた自然環境のため、なかには理想としている「自然に還る」とのズレを感じる人もいます。
2.庭園型
庭園型の樹木葬は、洋風に作られたガーデニングスペースに、春夏秋冬それぞれの季節に合わせた美しい草花が植えられるのが特徴です。
公園型よりも狭い面積に設置できるため、都心部などアクセスしやすい場所にあります。
敷地面積が狭いため、大きなシンボルツリーを植えることは難しい傾向です。
景観の美しさを保つために、こまめに草花を植え替えるなどの手間がかかるため、管理費なしではないことが多い傾向にあります。
3.里山型
里山型の樹木葬は、自然な景観を損なわないように、人の手がほとんど入らない場合が多いです。
そのため「自然に還りたい」と考えている人の理想に最も近い樹木葬といえるのではないでしょうか。
しかし、そのぶん歩道の整備などがされておらず、参拝者にとっては歩きにくさを感じるかもしれません。
里山型の樹木葬では、過剰な管理をしない代わりに、管理費なし、または管理費なしではないものの低額になる場合が多いです。
樹木葬｜3つの埋葬方法
樹木葬での埋葬方法は以下の3つです。
- 遺骨をまとめて埋葬する合祀型
- 専用スペースに埋葬する個別型
- 共有スペースに埋葬する集合型（共同型）
それぞれ確認していきましょう。
1.遺骨をまとめて埋葬する合祀型
合祀（ごうし）には、合わせて祀る（まつる）という意味があります。
樹木葬の合祀は、骨壺から遺骨を取り出し、他人の遺骨とまとめて埋葬する方法です。
一度合祀すると、それぞれの遺骨が混ざるため、あとから取り出すことはできません。
しかし、個人の専用スペースがなく管理の手間がかからないため、管理費なしの場合が多いです。
2.専用スペースに埋葬する個別型
個別型の埋葬は、個人専用または家族専用スペースがあり、それぞれの区画にシンボルツリーを植えるのが一般的です。
お墓参りの際には、個別のシンボルツリーの前でお参りができるため、特定の故人をしっかりとお参りをしている実感がわくでしょう。
ただし、個別型は一定期間経過すると合祀される場合も多いです。
合祀を希望しない場合は、あらかじめ墓地管理者に将来的な合祀の可能性を確認しておきましょう。
また、個別型の埋葬は、個別の専用スペースがあり掃除や供養などの手間もかかるため、管理費なしではない場合が多いです。
3.共有スペースに埋葬する集合型（共同型）
集合型（共同型）の埋葬は、共有のシンボルツリーの下に骨壺や骨袋で分けた状態のまま埋葬します。
他人の遺骨とは混ざりませんが、個別型と同様に一定期間経過後は合祀されることが多いです。
とはいえ、個別のスペースがかからないため、個人型よりも費用が安く済むことがメリットといえます。
空きスペースの状況によっては家族で同じスペースに入れない場合がありますので、避けたい場合は、空き状況などをしっかりと確認しておきましょう。
樹木葬についてより詳しい記事はこちらをご覧ください。
樹木葬で管理費なしになるケース
実のところ、樹木葬のどのようなケースが「管理費なし」になるという決まりはありません。
例えば、同じ樹木葬の種類・埋葬方法であっても、寺院や霊園によって「管理費なし」または「管理費なしではない」は異なります。
しかし一般的に、できるだけ人工的な手を入れない里山型の樹木葬や、個別に供養する必要のない合祀型の埋葬は、墓地管理者の手間ひまがかかりにくいため、管理費なしになることが多いです。
樹木葬の管理費をなしにする方法はある？
樹木葬を生前購入して「将来お墓のことで子どもにお金の負担を掛けたくない」という人も多いと思います。
この場合、管理費なしではなく、子どもに毎年管理費を請求されてしまうのは不本意となるでしょう。
ですが、管理費なしではない樹木葬を管理費なしにすることはできません。
しかし、契約時に管理費を一括で支払うことができれば、支払い後の請求はないため、亡くなったあとの樹木葬の管理費をなしにできます。
ただし、管理費を一括で支払えるかどうかは寺院や霊園によって異なりますので、あらかじめ支払い方法の確認をしておくようにしましょう。
樹木葬で後悔しないために注意する3つのこと
樹木葬の選択を後悔しないために、注意すべき3つのことがあります。
それぞれ確認していきましょう。
1.必ず下見をする
樹木葬の購入前には必ず下見をして、アクセスのしやすさや樹木葬の管理状況を確認しましょう。
実際に現地まで行くことで、車が渋滞して時間がかかる場所だった、デコボコしていて歩きにくい道だったなど、正確な情報がわかります。
また、樹木葬の管理状況は、実際に目で見なければわからないことも多いでしょう。
契約後に管理が行き届いていないことを知って、場所を変更したくなっても、埋葬した遺骨は取り出し不可な場合が多いです。
必ず下見をして、適切に管理された故人が安心して眠れる場所なのかを確認しましょう。
2.費用を確認する
樹木葬は、初めに提示されていた費用よりも最終的な費用がずいぶん高額になることがあります。
特に、年間管理費などは樹木葬の購入金額に含まれておらず、契約すると決めたあとに知らされるケースがあるかもしれません。
契約を決める前には必ず、管理費なしの樹木葬なのか、提示された金額の他にかかる費用がないかなどを確認しておきましょう。
3.親族の同意を得る
樹木葬は、親族に反対されて、契約をキャンセルすることになったというトラブルもあります。
原因としては、将来的な合祀や、墓石のない樹木葬に理解を示してもらえずに反対されることが多いです。
契約後の解約はキャンセル料金がかかってしまうため、前もって親族と良く話合い、同意を得ておくことが大切です。
まとめ｜樹木葬の管理費なしは寺院や霊園によって違う
樹木葬の「管理費なし」または「管理費なしではない」を決めるのは、あくまで寺院や霊園です。
そのため、同じ種類・同じ埋葬方法の樹木葬でも、管理費なしの場合となしではない場合とがあります。
手間がかかりやすい庭園型の樹木葬や個別型の埋葬方法は、管理費なしではない傾向です。
管理費は、樹木葬の維持・管理に役立てられている大切な費用になります。
とはいえ、毎年の支払いは遺族に面倒をかけるため、避けたいと考える人もいるでしょう。
この場合は、管理費なしの樹木葬を選択する。または、管理費の契約時一括払いが可能な樹木葬にして、負担を減らすと良いでしょう。
