永代供養の流れとは?納骨前と納骨後に分けてポイントを解説
永代供養とは?納骨堂とは何が違う?
永代供養(えいだいくよう)とは、遺族や子孫に代わって寺院や霊園などが永代に渡って納骨後の供養や管理をおこなう仕組みです。永代とは「永い年月」という意味。期限を設けずにずっと供養することをいいます。
納骨堂(のうこつどう)とは、遺骨を納める屋内施設のことです。永代供養が遺骨の管理や供養方法を指すのに対し、納骨堂は施設やお墓の形式を指します。
納骨堂には永代供養がついているケースが多いですが、永代供養には納骨堂以外にも墓石を埋葬するお墓や樹木葬などもあります。寺院や霊園といった施設によって取り扱っている永代供養の種類は違うので、どのような永代供養をしたいかを考えておくと安心です。
永代供養について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
お墓を持たない選択肢の一つ永代供養とは?わかりやすく解説!
永代供養の納骨までの流れ
ここからは永代供養の流れについて、納骨前・納骨後について説明します。まずは現在の墓を墓じまいし、永代供養先に納骨するまでの流れを紹介します。
永代供養の納骨までの流れ①親族と話し合いをする
納骨するまでの流れで、まずは親族との話し合いが重要です。お墓は遺族や親族にとって大切な場所。後々、トラブルにならないように家族や親族と今後のことを話し合い、墓じまいして永代供養することの了承を得ましょう。
永代供養の納骨までの流れ②墓の管理者に墓じまいの意向を伝える
寺院や霊園など、現在のお墓の管理者に墓じまいの意向を伝えます。寺院にお墓がある場合は、檀家から離れること(離檀)が必要なので、早めに相談しておくのが無難です。また離檀の際に離檀料が必要になることもあるので注意。
現在お墓のある霊園や寺院から、墓じまいに必要な「埋葬証明書」を発行してもらいます。
永代供養の納骨までの流れ③永代供養先を決める
遺骨の新しい納骨先として永代供養先を決めます。永代供養の種類によって、納骨のスペースや費用は変わるので、十分に検討して決めましょう。
現在のお墓を墓じまいする際、新しい納骨先から「受入証明書」を発行してもらうことが必要です。また納骨先の都合によって、納骨できるまでに1ヵ月から2ヵ月かかる場合もあります。寺院や霊園に墓じまいの意向を相談するのと並行し、納骨先を決めておくのがおすすめです。
\「みんなの永代供養」であなたに合った永代供養墓を探してみる/
永代供養の納骨までの流れ④墓じまいに必要な手続きをする
現在の墓を墓じまいし、永代供養先に納骨するために必要な手続きをおこないます。手続きには以下のような書類が必要です。
- 「埋葬証明書」現在お墓のある墓地や寺院の管理者から発行してもらう
- 「受け入れ証明書」新しい納骨先の管理者に発行してもらう
- 「改葬許可証」現在お墓のある自治体で発行してもらう
「改葬許可証」は「改葬許可申請書」を自治体の役場に提出してもらいます。「改葬許可申請書」は遺骨1体につき1枚必要です。現在のお墓に何体分が納骨されているか確認しましょう。
納骨したい故人の「本籍地」や「死亡年月日」「火葬した場所と日時」「改葬の理由」「納骨先」といった情報をまとめておくとスムーズに申請できます。
上記の3つの書類を現在のお墓がある自治体の役場に提出し、「改葬許可証」を発行してもらうことで、墓じまいができるようになります。
書類の書式や必要な添付書類は、自治体によって異なります。事前に確認してください。
永代供養の納骨までの流れ⑤閉眼法要・墓じまいをする
現在の墓がある寺院の住職に閉眼供養の法要をお願いし、遺骨を取り出します。閉眼供養とは、お墓に宿る故人の魂を抜く儀礼です。「魂抜き」ともいわれます。
遺骨を取り出した後は墓石の解体・撤去が必要なので、事前に専門業者に依頼しておきましょう。墓石の解体・撤去後、墓地を更地にしてから寺院や霊園に返還します。
墓じまいについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【保存版】墓じまいマニュアルー墓じまいをするならこれで完璧ー
永代供養の納骨までの流れ⑥永代供養先に遺骨を納骨する
お墓から取り出した遺骨を永代供養先に納めます。納骨の際には、永代供養をうける先の寺院や霊園で住職に開眼法要(魂入れ)をしてもらいます。開眼法要とは、引っ越し先のお墓の墓石に魂を宿らせるための儀式です。
納骨の際には「改葬許可証」が必要です。また納骨する際は納骨式を執りおこなうのが一般的。納骨式は四十九日を目安に執り行い、遅くとも一周忌までに済ませるのが通例です。
永代供養の納骨後の流れ
続いて、永代供養先に納骨した後のお墓参りや年忌法要などのタイミングや流れについて説明します。
永代供養の納骨後の流れ①お墓参り
永代供養でも、墓参りに行くことは自由です。特に服装や流れは決まっていません。
ただし寺院や霊園といった施設によって、お墓参りできる日にちや時間が決まっている場合があります。また施設や永代供養の種類によりお墓参りの仕方が変わることもあります。線香をあげられなかったり、持参したお供え物や供花を持ち帰る必要があったりする場合も。
お墓参りが可能な日時やお参りの仕方などをあらかじめ施設に確認しておくと安心です。
永代供養の納骨後の流れ②法事(年忌法要)
永代供養では、寺院や霊園など施設が供養をおこないます。遺族側が法事(年忌法要)をおこなう必要はありません。
納骨後におこなわれる供養の回数やタイミングは、施設により異なります。基本的にはお彼岸やお盆など、お墓参りの時期として知られる時期に供養をおこなうところが多いようです。実際にどのような流れで供養がおこなわれるか、契約時に確認しておくと安心です。
また希望する場合は遺族側で法事を執りおこなうことも可能です。以下に法事をおこなう際の流れを説明します。
永代供養での法事の流れ①日程を決める
日程を決める際には、参列する家族や親族と相談するのが大切です。法事は初盆や一周忌など決まったタイミングでおこなうことが多いですが、法事をおこなう日程が決まればすぐに参列者に伝えましょう。
永代供養での法事の流れ②施設に法事の相談をする
永代供養をお願いしている寺院や霊園に法事をお願いします。特にお盆やお彼岸といった時期に法事をお願いする際には、僧侶の予定が入ってしまう前に早めに相談しましょう。
永代供養での法事の流れ③会食場所の用意
法事の後で会食をする場合、会食場所を予約します。会食会場をどこにすれば良いか迷う時は、寺院や祭場、ホールに相談してみるのもおすすめです。
永代供養での法事の流れ④法事当日
永代供養でも、一般的な法事と流れは同じです。僧侶が主導して執りおこなうため、特に遺族が準備することはありませんが、全体の流れや段取りは確認しておくと安心です。法事の後は忘れずに僧侶に感謝を伝えましょう。
永代供養での法事の流れ⑤お墓参り
法事の後の流れとして故人が眠るお墓に参るのが一般的です。永代供養のお墓参りは施設ごとに異なるので、事前に確認しておきましょう。
永代供養の法事について詳しくはこちらの記事もご覧ください。
「永代供養」をお願いしたら法事をしなくていいのは本当なの?
永代供養の納骨までの流れに関する注意点
最後に永代供養の納骨までの流れに関して、よくあるトラブルや注意点を紹介します。
家族や親族間で認識にずれがあった
家族や親族の中には、先祖代々のお墓を大事に考えて永代供養に疑問を持つ人もいるかもしれません。そのような場合、永代供養の契約後に親族と考えが違ってトラブルになることも。また永代供養の施設に見学に行く人と決める人が違う場合も、意見がまとまらずに納骨が延び延びになってしまうこともあります。
家族や親族で「永代供養にするのかどうか」「永代供養料などはどこから捻出するのか」といったことを話し合うのがおすすめです。あらかじめ家族や親族間で話し合ってから、永代供養の契約をするとトラブルが起こりにくいでしょう。
生前申し込みに気づかない
永代供養では生前に本人が契約することも多いのですが、本人が亡くなった際に領収書や証明書を紛失していたり、保管していても遺族に渡っていなかったりした場合、永代供養先の施設側とトラブルになる可能性があります。
生前申し込みをした場合は、必ず本人が家族や親族に知らせ、万が一の手続きや流れを確認して契約書や領収書をきちんと保管しておきましょう。
永代供養で納骨までの流れをスムーズにおこなうには
従来のお墓に比べて費用が安く、継承者が不要といったメリットから、全国的に永代供養の需要は高まっています。
「みんなの永代供養」では、永代供養についてさまざまな情報を広く提供しています。納骨までの流れをスムーズにおこなうために、永代供養ができる寺院や霊園を見つけたい方は「お墓をさがす|みんなの永代供養」を選んで探してみてください。永代供養墓の種類や運用方法、手続きの流れに費用目安も確認できますので、一度チェックしてみるのがおすすめです。